2018/04/06 10:00

薬局・薬剤師とは/スポーツファーマシスト

 スポーツをされる方が、日頃の成果を十分に発揮するためには、病気をしないことはもちろん理想です。病気やケガをした場合には、病気を治してから、もしくは、症状をうまくコントロールした状態で、自分の能力を十分に発揮していただくことがとても大切です。これらを達成するためには、スポーツ選手が治療するときには、以下の2点に気を付けてください。

服薬等によって、

(1)競技力を違法に上げない(ドーピングをしない)

(2)競技力を妨げない

 上記2点に注意したうえで、疾患・病気の治癒を図る必要があります。

 (1)のドーピング防止だけでなく、副作用として手足の震えが考えられる薬など、薬の影響で競技力を妨げてしまう可能性もありますので、それを考慮して治療方法を選択するなど、(2)にも配慮が必要です。

 

 また、市販薬やサプリメントにも注意が必要です。市販されている風邪薬や栄養ドリンクなどにも、ドーピング禁止薬物を含んでいる可能性があります。意図的ではなくても、禁止薬物が検出されればドーピング違反になりますので、知らなかったでは済みません。治療やメンテナンス目的として不注意でドーピング対象物質を使用していたケースを「うっかりドーピング」といい、十分に注意する必要があります。これは、正しい知識を持っていれば、防ぐことができます。

 

 また、ドーピング規定は更新されるため、最新の情報を得て、適切に判断しなければなりません。そのためには、治療のための医薬品の知識のほかに、ドーピングに関する最新情報を理解しておくことが重要です。薬剤師であって、アンチドーピングを理解して助言する専門家として、スポーツファーマシストがいます。スポーツファーマシストは、日本アンチ・ドーピング機構から付与される資格制度です(更新性)。

 

 うっかりドーピングを防ぐためには、自己判断しないことが、とても大切です。専門家に相談してください。

 

<<うっかりドーピングを防ぐためのポイント>>

(1) 治療目的の薬や健康食品・サプリメントでも、ドーピングに相当する危険性があることを理解する

(2) 病院を受診したとき、薬局で医薬品を購入するときには、ドーピングに注意しなければならないことを必ず伝える

※病院を受診したときは、病院と調剤を受ける薬局の両方ともに伝えてください。競技レベルや競技をお伺いします。

(3) 問い合わせ窓口などに、一般用医薬品や健康食品・サプリメントの摂取の可否を問い合わせるときは、製品名を正しく伝える(一言一句正確に)

 

 

参考)

JADA アスリートサイト「PLAY TRUE」

 

  アンチ・ドーピングに関する基本的知識

 

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スポーツファーマシストとは?

公認スポーツファーマシストは、最新のドーピング防止規則に関する正確な情報・知識を持ち、競技者を含めたスポーツ愛好家などに対し、薬の正しい使い方の指導、薬に関する健康教育などの普及・啓発を行い、 スポーツにおけるドーピングを防止することを主な活動とします。薬剤師の資格を有し、所定の課程を修めた方が、(公財)日本アンチ・ドーピング機構より認定される資格制度です。

参照:スポーツファーマシストのホームページ(外部リンク)

 

 スポーツファーマシストは、アンチ・ドーピング活動を実施しています。競技者やスタッフが、安心してスポーツに専念できるよう、スポーツファーマシストを活用してください。