2022/01/06 09:00
アンチ・ドーピング④ アンチ・ドーピング規則違反
何が、アンチ・ドーピング違反なのでしょうか?
禁止されている物質を使うことだけが、違反なのでしょうか?
今回は、アンチ・ドーピング規則違反について、ご説明します。
◯どんなことがアンチ・ドーピング規則違反になるのか?
世界アンチ・ドーピング規程(CODE)では、アンチ・ドーピング規則違反として、次の11項目が定義されています。
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1. 採取した尿や血液に禁止物質が存在すること
2. 禁止物質・禁止方法の使用または使用を企てること
3. ドーピング検査を拒否または避けること
4. ドーピング・コントロールを妨害または妨害しようとすること
※ドーピング・コントロールとは、ドーピング検査の一連の流れのことを指します
5. 居場所情報関連の義務を果たさないこと
※あらかじめ指定されたアスリートは、自身の居場所情報を専用のシステムを通して提出、更新する必要があります
6. 正当な理由なく禁止物質・禁止方法を持っていること
7. 禁止物質・禁止方法を不正に取引し、入手しようとすること
8. アスリートに対して禁止物質・禁止方法を使用または使用を企てること
9. アンチ・ドーピング規則違反を手伝い、促し、共謀し、関与する、または関与を企てること
10. アンチ・ドーピング規則違反に関与していた人とスポーツの場で関係を持つこと
11. ドーピングに関する通報者を阻止したり、通報に対して報復すること
※「報復」とは通報する本人、その家族、友人の身体、精神、経済的利益を脅かす行為
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ドーピング検査では尿検査・血液検査を行い、体内に禁止物質を使用した痕跡がないかを調べます。
検査の結果、体内に禁止物質が存在することが判明した場合、アンチ・ドーピング規則違反になることはもちろんですが、それ以外にも規則違反の項目が、合計11項目定められています。
体内に禁止物質が存在することが判明した場合、それは規則違反です。たとえ、意図的に使用したのではなく、非意図的に使用したとしても、禁止物質が存在する時点で違反になります。「知らなかった」では済まされません。
さらに、使用だけでなく、使用を企てること、ドーピング検査の一連の流れ(ドーピング・コントロール)を邪魔すること、他のアスリートに有害な行為をすることも違反として定められています。また、サポートスタッフも違反として罰せられる可能性もあります。
これまで10項目が定められていましたが、2021年1月から、11番目の項目が追加されました。ドーピングに関する通報を邪魔することも、規則違反として、明記されました。もし、周りにドーピングを疑うようなことがあれば、通報してください。通報先は、日本スポーツ振興センターの「ドーピング通報窓口」です。匿名での通報も可能ですのでご安心ください。
日本スポーツ振興センタードーピング通報窓口専用サイト:https://www.report-doping.jpnsport.go.jp/form/
◯違反したらどうなるのか?
違反が確定すると、アスリートやサポートスタッフは、厳しい制裁を受けることになります。
・成績の取り消し
・資格の取り消し
・チームへの制裁
試合の成績が取り消されるだけでなく、資格も取り消されることもあります。
資格が停止になると、競技会への参加やトレーニングができなくなるという、アスリートとしての活動だけでなく、コーチとして後輩を指導したり、ボランティア活動を含む、一切のスポーツに関する活動ができなくなります。また、このような個人に対する制裁だけではなく、チームにも制裁が加えられる場合があります。チームの中に3人以上の違反があった場合、チームに対してドーピング検査の実施や成績取り消しなどの制裁が課せられる場合もあります。
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まとめ
◯禁止物質・方法を使用するだけがドーピングだけではありません
◯規則違反を犯した場合、厳しい制裁が課せられます
◯違反を犯した一人だけの問題ではありません
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④アンチ・ドーピング規則違反 (今回)
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