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2026-05-08 13:30:00
【医療者向け】経腸栄養剤の処方時の注意(2026年6月以降)
はじめに
令和8年6月以降、経腸栄養剤の処方においては 「医学的必要性の明確化」がより重視されます。 特に、処方箋コメントの内容によって査定・返戻のリスクが大きく変わるため、注意が必要です。
結論
処方理由が不明確な場合、査定されるリスクがあります
経腸栄養剤の基本的な考え方
経腸栄養剤は、 「食事の代替として必要な場合」に限り保険適用 となります。
つまり、
- 単なる栄養補助
- 食事が可能な状態での追加
これらは適用外と判断される可能性があります。
第1 基本的な考え方
保険給付の適正化の観点から、栄養保持を目的とした医薬品の保険給付の要件を見直す。
出典:「個別改訂項目について」、中医協、R8.2.3. https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001655176.pdf#page=827
第5部 投薬 通則 6 入院中の患者以外の患者に対して、栄養保持を目的とした医薬品を投薬した場合は、区分番号F000に掲げる調剤料、区分番号F100に掲げる処方料、区分番号F200に掲げる薬剤、区分番号F400に掲げる処方箋料及び区分番号F500に掲げる調剤技術基本料は算定しない。ただし、当該患者が、手術後の患者である場合又は経管により栄養補給を行っている患者である場合はその旨を、必要な栄養を食事により摂取することが困難な患者である場合その他これに準ずる場合であって、医師が当該栄養保持を目的とした医薬品の投与が必要であると判断した患者に投薬する場合はその理由を処方箋及び診療報酬明細書に記載することで算定可能とする。出典:別表第一 医科診療報酬点数表 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf#page=221
よくある査定理由
以下のような記載は、査定につながりやすい傾向があります。
- 栄養補給のため
- 低栄養のため
- 食事量が少ないため
👉 いずれも 理由が抽象的で医学的必要性が不明確です。
査定を防ぐためのポイント
重要なのは、「状態+目的」を明確に記載すること
✔ 記載例
- 嚥下障害により経口摂取困難のため
- 食事摂取不良に対する栄養管理目的
- 消化吸収障害に対する栄養補給
- 経口摂取不能のため経腸栄養管理が必要
👉 患者の状態と目的が一致していることが重要です。
対象医薬品 (令和8年6月以降の運用)
今回の取扱いに関連する経腸栄養剤は以下の通りです。
イノラス配合経腸用液
エネーボ配合経腸用液
エンシュア・H
エンシュア・リキッド
ツインラインNF配合経腸用液
ラコールNF配合経腸用液
出典:「疑義解釈資料の送付について(その4)」 (事務連絡/令和8年4月21日)
👉 重要な点として、 製剤が異なっても判断基準は同じです。
最重要ポイント
「なぜ必要か」を明確に記載すること
これがない場合、 査定・返戻の原因となります。
まとめ
- 経腸栄養剤は例外的な位置づけ
- 保険適用には明確な理由が必要
- 判断の鍵は処方箋コメント





