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第7回:心不全を深く知ろう
心不全を深く知ろう
こはく堂薬局|もっと詳しく!循環器のはなし Vol.7
心不全は、心臓の働きが低下して、息切れやむくみが起こる状態です。
1つの心臓病だけを指す名前ではなく、さまざまな心臓の病気の結果として起こります。
日本では患者さんが増えており、「心不全パンデミック」と呼ばれることもあります。
心臓のポンプが弱くなると…
心臓がうまく血液を送り出せなくなると、体にさまざまな影響が出ます。
- 🫁 肺に水がたまる → 息切れ、横になると苦しい
- 🦶 体に水がたまる → 足のむくみ、体重増加
- 😮💨 全身に血液が届きにくくなる → だるさ、疲れやすさ
心不全には、「心臓の縮む力が弱いタイプ」と「広がる力が弱いタイプ」があります(専門的には HFrEF / HFpEF と呼ばれます)。
心不全は4つのステージで進行します
🟢 A:リスクあり
高血圧・糖尿病などはあるが、心不全症状はまだない
🟡 B:心臓に変化あり
心臓の構造や機能に異常が出始めているが、症状はない
🟠 C:心不全を発症
息切れ・むくみなどの症状が出ている
🔴 D:重症心不全
治療をしても症状が強く、日常生活に支障が大きい
心不全は進行を防ぐことが大切な病気。
だからこそ、早い段階での予防と治療が重要です。
心不全を引き起こす主な原因
- 🫀 虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞) —— 心臓の筋肉がダメージを受ける
- 💓 高血圧 —— 心臓に長期間、過大な負担がかかる
- ⚡ 不整脈(心房細動など) —— 心臓のリズムが乱れ、効率が落ちる
- 🔧 弁膜症 —— 弁がうまく機能しなくなる
- 🩸 糖尿病・CKD・肥満 —— 間接的に心臓を弱らせる
生活習慣病をしっかり管理することが、心不全予防につながります。
こんな変化に気づいたら要注意!
- ⚖️ 1週間で2〜3kg体重が増えた → 体に水分がたまっているサイン
- 🦶 足のむくみがひどくなった
- 😮💨 息切れが以前より悪化した
- 🛏️ 横になると苦しい → 枕を高くしないと眠れないことも
- 🫁 咳が出る → 特に夜間や横になった時は注意
毎日の体重測定が、悪化の早期発見に役立ちます。
朝、排尿後・朝食前に測るのがおすすめです。
記録のつけかたは? 「心不全手帳」があります
https://www.jhfs.or.jp/topics/shinhuzentecho.html
まとめ:今日のポイント
- 心不全は、心臓の働きが低下して起こる「状態」
- 心不全は段階的に進行する
- 原因は心筋梗塞・高血圧・不整脈・弁膜症などさまざま
- 生活習慣病のコントロールが予防につながる
- 毎日の体重測定で悪化に早く気づける
体重を毎日測っている方、お薬をきちんと飲んでいる方——
その続けていること自体が、心不全の悪化を防いでいます。
すばらしいです。👏
心不全は、悪化を防ぎながら上手に付き合っていく病気です。
お薬をきちんと飲むこと、体重を毎日測ること、食事や運動に気をつけること。
こうした小さな積み重ねが、心不全の悪化予防につながります。
次回は 🫀「心不全のお薬と治療」をお届けします。お楽しみに!
シリーズ「もっと詳しく!循環器のはなし」
発信:こはく堂薬局(薬剤師)
参照:日本循環器協会認定「循環器病エキスパートアドバイザー」 eラーニング
※ 診断・治療については、必ず医療機関にご相談ください
吸入薬|上手に使うコツ
吸入薬|上手に使うコツ
吸入薬は、 「吸うタイミング」や 「吸い方」がとても大切です。
正しく吸えていないと、 薬が肺まで届かず、 十分な効果が得られないことがあります。
まずは、 基本の流れを確認しましょう。
基本の3ステップ
ホー吸入とは?
吸入薬では、 吸う前に 「ホーッ」と軽く息を吐く方法がすすめられることがあります。
これを 「ホー吸入」 と呼ぶことがあります。
吸入前に息を吐くことで、 のどの奥が開きやすくなり、 吸入しやすくなるとされています。
また、 力みを減らし、 薬を吸いやすくする目的もあります。
吸入薬によって、 吸い方のコツは異なります。
うまく吸えない時や、 苦手意識がある時は、 お気軽に薬剤師へご相談ください。
日本喘息学会 吸入操作ビデオ (https://jasweb.or.jp/video/)
吸入の工夫
吸入薬は、 「薬そのもの」だけでなく、 使い方の工夫も大切です。
年齢や生活スタイルによって、 続けやすい方法を考えることがあります。
うがいが難しい時の「食前吸入」
吸入薬の中には、 使用後にうがいが必要なものがあります。
ただし、 小さなお子さんや高齢の方では、 うがいが難しいこともあります。
そのような場合、 食前に吸入し、 その後に飲食することで、 口の中に残った薬を減らしやすくなることがあります。
ただし、 薬によって注意点が異なるため、 自己判断ではなく、 医師・薬剤師へご相談ください。
スペーサーとは?
スペーサーは、 吸入薬を吸いやすくするための補助器具です。
特に、 シューっと出るタイプの吸入薬では、
- タイミングを合わせにくい
- むせてしまう
- うまく吸えない
ことがあります。
スペーサーを使うことで、 薬が吸いやすくなり、 肺へ届きやすくなることがあります。
お子さんや高齢の方で使用されることもあります。
吸入薬によって吸い方が違います
吸入薬には、 いろいろな種類があります。
例えば、
- ゆっくり吸うタイプ
- 強く吸うタイプ
- 霧状の薬を吸うタイプ
- 粉を吸うタイプ
などがあり、 薬によってコツが異なります。
説明書だけでは わかりにくいこともあるため、 不安な時は薬剤師へご相談ください。
吸入後のうがいも大切です
吸入薬の中には、 使用後にうがいが必要なものがあります。
特にステロイドを含む吸入薬では、 口の中の副作用予防のため、 うがいがすすめられています。
薬によって異なるため、 説明された方法で使用しましょう。
困った時は相談してください
吸入薬は、 「その人に合った方法」を考えることも大切です。
- うがいが難しい
- タイミングが合わない
- むせてしまう
- うまく吸えない
そのような時は、 吸入方法の工夫で改善できることがあります。
お気軽に薬剤師へご相談ください。
まとめ
・吸入前にまず息を吐く
・薬に合わせて正しく吸う
・吸入後は少し息を止める
・「ホー吸入」でゆっくり吐く
・薬によって吸い方が違います
吸入薬は、 「薬そのもの」だけでなく、 「吸い方」も大切です。
うまく吸えているか不安な時は、 お気軽に薬剤師へご相談ください。
吸入薬の種類
吸入薬にはいろいろな種類があります
吸入薬は、 薬を「肺へ直接届ける」ためのお薬です。
ぜんそくやCOPDなどで使われることが多く、 息苦しさや咳をやわらげたり、 症状を予防したりする目的で使用されます。
ただし、 吸入薬は「吸い方」も治療の一部です。
薬によって、 吸い込む速さやタイミングが違うため、 自己流では十分に薬が届かないことがあります。
吸入薬の主な種類
吸入薬には、 大きく分けて次のようなタイプがあります。
① シューっと出るタイプ(エアゾールタイプ)
ボタンを押すと、 霧状の薬が「シュッ」と出るタイプです。
薬が出るタイミングと、 息を吸うタイミングを合わせる必要があります。
ゆっくり深く吸うのがポイントです。
② 粉を吸うタイプ(ドライパウダータイプ)
粉末状の薬を、 自分の吸う力で肺へ届けるタイプです。
しっかり速めに吸い込む必要があります。
吸う力が弱いと、 薬が十分に届かないことがあります。
③ ミストタイプ
やわらかい霧状の薬が、 ゆっくり出るタイプです。
比較的吸いやすく、 高齢の方でも使いやすい場合があります。

吸入薬は「種類ごとに吸い方が違う」
吸入薬は、 見た目が似ていても、 使い方が異なることがあります。
例えば、
- ゆっくり吸う薬
- 強く吸う薬
- 吸う前に準備が必要な薬
- 吸った後にうがいが必要な薬
などがあります。
そのため、 「前と同じ感覚で吸う」 ではうまく使えないことがあります。
吸入後のうがいも大切です
吸入薬の中には、 使用後にうがいが必要なものがあります。
特にステロイドを含む吸入薬では、 口の中に薬が残ることで、 声がかれる、 口の中にカビが増える(口腔カンジダ) などが起こることがあります。
医師・薬剤師から説明された方法で、 正しく使用しましょう。
困った時は相談してください
吸入薬は、 「処方されているだけ」では、 十分な効果が出ないことがあります。
実際には、 吸い方を調整することで、 症状が改善することも少なくありません。
- うまく吸えているか不安
- むせてしまう
- 薬が残る感じがする
- 種類が変わって使い方がわからない
そのような時は、 お気軽に薬剤師へご相談ください。
まとめ
・吸入薬にはいろいろな種類があります
・薬によって「吸い方」が違います
・吸い方によって効果が変わることがあります
・自己流ではなく、説明通りに使うことが大切です
第6回:狭心症・心筋梗塞をもっと詳しく
狭心症・心筋梗塞をもっと詳しく
こはく堂薬局|もっと詳しく!循環器のはなし Vol.6
突然の胸の痛み——それは心臓のSOSかもしれません。
「狭心症」と「心筋梗塞」は、どちらも心臓を養う血管(冠動脈)の流れが悪くなる病気です。
冠動脈が狭くなって血流が不足するのが狭心症、血栓でつまって血流が止まるのが心筋梗塞。これらはまとめて虚血性心疾患と呼ばれます。
狭心症と心筋梗塞、何が違う?
💛 狭心症
- 冠動脈が狭くなり、心臓の血流が一時的に不足
- 胸が締めつけられる・圧迫される感じ
- 数分で治まることが多い
- 心臓の筋肉は、まだ壊れていない
🔴 心筋梗塞
- 冠動脈が血栓でつまる
- 強い胸痛や圧迫感が20分以上続くことがある
- 冷や汗・吐き気・息苦しさを伴うことも
- 心臓の筋肉が壊れ始める
狭心症の中には、心筋梗塞につながりやすいタイプもあります。
なぜ冠動脈がつまるの?
- 動脈硬化で血管の壁にプラークがたまる
- プラークが破れる
- そこに血栓(血のかたまり)ができる
- 血管が急につまる → 心筋梗塞
プラークを育てる主な原因は、高血圧・糖尿病・脂質異常症・喫煙・肥満。つまり、生活習慣病がそのまま心筋梗塞のリスクにつながっています。
こんな症状が出たら、すぐに119番!
- 🔴 胸の真ん中が締めつけられる、押しつぶされるように痛い
- 🔴 痛みや圧迫感が20分以上続く
- 🔴 冷や汗・吐き気・息苦しさがある
- 🔴 痛みが左腕・肩・あご・背中・みぞおちに広がる
- 🔴 安静にしてもよくならない
高齢の方や糖尿病のある方では、典型的な強い胸痛が目立たないこともあります。
「いつもの胸痛と違う」「何かおかしい」と思ったら、迷わず119番を。
治療のポイント
心筋梗塞の治療は、できるだけ早く血流を再開することが最も重要です。
- 🏥 カテーテル治療(PCI) —— つまった血管を広げて血流を再開する重要な治療
- 🔧 バイパス手術(CABG) —— 病変が複雑な場合や複数の血管に問題がある場合に行われることがある
- 💊 再発予防の薬 —— 抗血小板薬、コレステロールを下げる薬、血圧や心臓の負担を抑える薬など
治療後も、薬を続けることと生活習慣の見直しが大切です。
まとめ:今日のポイント
- 狭心症は冠動脈が狭くなる、心筋梗塞はつまる
- 背景には動脈硬化と血栓がある
- 胸痛が続く、冷や汗、吐き気、息苦しさがあれば要注意
- 心筋梗塞は1分でも早い治療が大切
- 高血圧・糖尿病・脂質異常症の管理と禁煙が最大の予防策
生活習慣病の治療を続けている方——それは、心筋梗塞を防ぐために最も大切なことをしています。
血圧や血糖、コレステロールの管理を続けることが、動脈硬化の進行を抑える最大の予防策です。
心筋梗塞は「時間との勝負」です。
治療が早いほど、心臓のダメージを減らせる可能性があります。
「もしかして心臓かも」と思ったら、ためらわず119番を。
次回は 🫀「心不全を深く知ろう」をお届けします。お楽しみに!
シリーズ「もっと詳しく!循環器のはなし」
発信:こはく堂薬局(薬剤師)
参照:日本循環器協会認定「循環器病エキスパートアドバイザー」 eラーニング
※ 診断・治療については、必ず医療機関にご相談ください
第5回:肥満症 〜体重3%減が心臓を守る〜
肥満症 〜体重3%減が心臓を守る〜
こはく堂薬局|もっと詳しく!循環器のはなし Vol.5
「ちょっと太っただけ」……本当に大丈夫でしょうか?
肥満は単に「見た目の問題」ではありません。
肥満が高血圧・糖尿病・脂質異常症を引き起こし、その結果、心筋梗塞・脳卒中・心不全のリスクが上がります。
つまり肥満は、循環器病の入口にもなりうるのです。
「肥満」と「肥満症」は違う
- 「肥満」=BMI 25以上の状態。それだけで病気とは限りません
-
「肥満症」=BMI 25以上で、肥満に関連する健康障害がある、または内臓脂肪が多く将来の健康障害が心配される状態
→ 減量などの治療が必要な病気
BMIの計算:体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)
例)身長160cm・体重70kg → 70 ÷ 1.6 ÷ 1.6 = BMI 27.3(肥満)
怖いのは「内臓脂肪」
内臓脂肪は、お腹の中の臓器のまわりにつく脂肪です。
この脂肪が増えると、体の中でさまざまな悪影響が起こります。
- 血圧が上がりやすくなる
- 血糖を下げる力が弱くなる
- 中性脂肪やコレステロールの異常につながる
- 動脈硬化を進めやすくなる
見た目ではわかりにくくても、お腹まわりに脂肪がたまっていることがあります。
体重3%減でも変わる!
肥満症の治療目標は、いきなり標準体重を目指すことではありません。
- BMI 25〜35では、まず現体重の3%以上の減量
- 高度肥満症では5〜10%の減量が目安
例えば体重80kgの人なら、3%減=約2.4kg減。
たったこれだけでも、血圧・血糖・中性脂肪・肝機能の改善が期待できます。
大切なのは、「いきなり理想体重を目指す」ことではなく、まず少し減らすこと。
小さな目標でも、心臓や血管には意味があります。
今日からできる肥満症対策
🍽️ 食事
- まずは間食・甘い飲み物を減らす
- 食べる順番や早食いを見直す
- 無理な制限より、続けられる工夫を
🚶 運動
- まずは今より10分多く動くでもOK
- 早歩きや階段など、日常の活動量を増やす
😴 睡眠
- 睡眠不足は食欲の乱れや食べ過ぎにつながりやすい
- 「夜更かしを減らす」ことも立派な対策
大切なのは、完璧なダイエットより、続けられる小さな変化です。
まとめ:今日のポイント
- 肥満症は、治療が必要な病気
- 特に問題なのは内臓脂肪
- 体重3%減でも、血圧・血糖・脂質の改善が期待できる
- いきなり標準体重を目指さなくていい
- 食事・運動・睡眠の小さな変化を続けることが大切
すでに食事や運動に気をつけている方、その小さな努力は、確実に体に良い影響を与えています。
完璧でなくても、続けているだけで素晴らしいことです。
気になる体重増加、まずは生活習慣の見直しから。
最近は肥満症の治療薬も進歩しています。
気になる方は、自己判断せず専門の診療科に相談しましょう。
食事や運動の工夫は、薬局でもご相談いただけます。
次回は 🫀「狭心症・心筋梗塞をもっと詳しく」をお届けします。お楽しみに!
シリーズ「もっと詳しく!循環器のはなし」
発信:こはく堂薬局(薬剤師)
参照:日本循環器協会認定「循環器病エキスパートアドバイザー」 eラーニング
※ 診断・治療については、必ず医療機関にご相談ください




