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2026-05-13 07:00:00

第2回:糖尿病 〜血糖値と心臓の深い関係〜

糖尿病 〜血糖値と心臓の深い関係〜

こはく堂薬局|もっと詳しく!循環器のはなし Vol.2


「糖尿病」と「心臓の病気」、関係あるの?
そう思われる方も多いかもしれません。でも実は、糖尿病は心筋梗塞・脳卒中・心不全のリスクを高めます。しかも、糖尿病と診断される前の予備群や血糖高めの段階でも、すでに動脈硬化や心血管リスクは高まり始めています。
今回は、糖尿病と循環器病の深いつながりを見ていきましょう。

糖尿病と心臓

糖尿病ってどんな病気?

糖尿病は、ひとことで言うと「インスリンの働きがうまくいかない病気」です。
食事をすると血糖値が上がりますが、通常はすい臓からインスリンが出て、血糖を下げてくれます。
このインスリンが「出にくい」または「効きにくい」状態が続くと、血糖値が高いままになります。
日本では、糖尿病の多くが2型糖尿病(生活習慣や体質が関係するタイプ)です。

インスリン

高血糖が心臓を傷つける3つのルート

糖尿病は「血糖の病気」のイメージが強いかもしれませんが、実は血管と心臓の病気でもあります。

① 大きな血管の動脈硬化

心筋梗塞、脳卒中、末梢動脈疾患のリスクが上がります。

② 細い血管のダメージ

腎症・網膜症・神経障害といった、いわゆる「三大合併症」の原因になります。

③ 心臓そのものへの影響

心不全や不整脈のリスクも上昇します。
糖尿病は、「血管の病気」であり、「心臓の病気にも深く関わる」ものなのです。

高血糖と血管

健診で見るべき数値

糖尿病が疑われる主な数値

  • 空腹時血糖 126 mg/dL以上
  • 随時血糖 200 mg/dL以上
  • HbA1c 6.5%以上

要注意の目安

  • HbA1c 5.6%以上
  • 空腹時血糖 110〜125 mg/dL

特に HbA1c 6.0〜6.4% は要注意。糖尿病の一歩手前ですが、この時点ですでに心血管リスクは高まり始めています。
健診結果のHbA1c、最近見ていますか?

HbA1c

血糖コントロールの目標

一般的な目標はHbA1c 7.0%未満です。
より良好なコントロールを目指せる場合は6.0%未満、低血糖のリスクが高い場合は8.0%未満を目安に、個別に調整します。
特に高齢者では、認知機能やADL、低血糖リスクを考えて目標を決めます。
大切なのは、下げすぎず、無理しすぎず、続けられる血糖管理です。

血糖コントロール

まとめ:今日のポイント

  1. 糖尿病は心筋梗塞・脳卒中・心不全のリスクを高める
  2. 予備群や血糖高めの段階から心血管リスクは上がり始める
  3. HbA1c 6.5%以上は糖尿病が疑われる目安、5.6%以上は要注意
  4. 血糖コントロールは大切だが、下げすぎにも注意
  5. 治療を続けることが合併症予防につながる
まとめ

治療を続けているあなたへ

糖尿病の治療を続けるのは、簡単なことではありません。
食事に気をつけ、お薬を飲み、定期的に受診する——その続けている努力は、確実に血管を守っています。自信を持ってください。

一方で、飲み忘れや受診の中断はありませんか?
受診や治療を中断すると、血糖だけでなく、血管合併症のリスクも高まります。
お薬の飲み方や副作用が気になったら、薬局でお気軽にご相談ください。


次回は 🫀「腎臓と心臓の意外なつながり(CKD)」をお届けします。お楽しみに!


シリーズ「もっと詳しく!循環器のはなし」
発信:こはく堂薬局(薬剤師)
参照:日本循環器協会認定「循環器病エキスパートアドバイザー」 eラーニング
※ 診断・治療については、必ず医療機関にご相談ください