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狭心症・心筋梗塞の運動療法
狭心症・心筋梗塞の運動療法
心臓に合った運動を、無理なく続けるために
心臓の病気があるからといって、ずっと安静にする必要があるとは限りません。
病状に合った運動は、体力を保ち、日常生活での息切れや疲れやすさを軽減する助けになります。
大切なのは、心臓の状態を確認し、ご自身に合う種類・強さ・時間で行うことです。
このページの運動例について
病状が安定し、主治医から運動を許可されている方のための一般的な例です。
心筋梗塞の発症直後や、手術・カテーテル治療後の運動は、医療機関の指示に従ってください。すでに運動メニューを指示されている方は、その内容を優先してください。
心臓リハビリテーションとは?
心臓リハビリテーションは、心臓の病気がある方の回復と再発予防を支える治療です。
運動だけでなく、食事、服薬、禁煙、日常生活への復帰なども支援します。
医師や看護師、理学療法士などが、心臓の状態や体力、運動中の症状を確認し、安全な運動の範囲を一緒に決めます。
主治医に、「心臓リハビリに参加できますか?」と相談してみましょう。
運動を始める前に確認すること
- どの運動をしてよいか
- どのくらいの強さ・時間で行うか
- 運動を中止する症状や数値の目安
- 胸の症状が出たときの対応
発作時の薬が処方されている方は、持ち歩き方と使い方も確認しておきましょう。
胸の症状が増えた、安静にしていても苦しい、むくみや息切れが悪化した場合は、運動を増やさずに医療機関へ相談してください。
まずは、短い散歩から
歩行が許可されている方は、平らで歩きやすい場所を、短い時間から歩いてみましょう。
運動習慣がない方の始め方の例
- まずは5〜10分程度の短い散歩から
- 速さよりも、無理なく歩けることを優先
- 坂道や階段で負担を増やさず、平らな道を選ぶ
- 体調と翌日の疲れを確認しながら、少しずつ調整する
5〜10分は、始めやすくするための例です。全員に適した運動量ではありません。
長く続けて歩くのが難しい場合は、時間を分ける方法もあります。時間や回数を増やすときは、心臓リハビリのスタッフなどに相談してください。
運動の強さは、どう判断しますか?
自宅での目安としては、会話を続けられ、息を切らして頑張りすぎない程度にします。
ただし、会話ができれば必ず安全というわけではありません。検査に基づく運動の指示や、症状が出る強さを考慮する必要があります。
β遮断薬などを使っていると、運動中の脈拍の上がり方が変わります。「年齢から計算した心拍数」やスマートウォッチの表示だけで、運動の強さを決めないでください。
胸が苦しくなるところまで頑張る必要はありません。症状が出たら中止し、医療者へ伝えてください。
運動は、ゆっくり始めて終えましょう
| 順番 | 取り組み方 |
|---|---|
| ① 準備運動 | ゆっくり歩く、手足を軽く動かすなどして、徐々に体を慣らします。 |
| ② 主な運動 | 指示された範囲で、歩行や自転車こぎなどを行います。 |
| ③ 整理運動 | 体調に問題がなければ、ゆっくりした動きに戻してから終えます。 |
準備運動と整理運動の時間も、運動メニューに含めて確認しましょう。
胸痛やめまいなどが出た場合は、整理運動を続けようとせず、運動を中止して安全な場所で休んでください。
筋力運動もできますか?
適切な軽さの筋力運動は、筋力や日常生活の動作を保つために役立ちます。
椅子からの立ち座りや、支えにつかまって行うかかと上げなども候補ですが、始める時期や回数は、心臓の状態や足腰の力に合わせて決めます。
- 医療者に方法と負荷を確認してから行う
- 息を止めず、力を入れるときも呼吸を続ける
- 重いものを持ち上げるなど、強くいきむ運動を避ける
- 転倒しないよう、安定した椅子や支えを使う
手術後などで動作の制限がある場合は、その指示を優先してください。
運動する日の体調と環境を確認する
- 発熱や強いだるさがある日は、無理をしない
- 食べた直後や、飲酒後の運動を避ける
- 暑さ・寒さが厳しい日は、室内でできる方法を相談する
- 水分制限がある方は、医療者の指示に合わせて補給する
「昨日できたから、今日も同じ量を」と考えず、その日の体調に合わせましょう。
こんな症状が出たら中止してください
- 胸の痛み、圧迫感、締めつけられる感じ
- 普段と違う息苦しさ
- めまい、ふらつき、気が遠くなる感じ
- 冷や汗、吐き気
- 強い動悸
運動を中止し、安全な場所で休んでください。発作時の薬がある方は、あらかじめ指示された方法で使用します。
症状が治まっても、その日の運動を自己判断で再開せず、医療機関に連絡して対応を確認してください。
強い症状がある場合は119番
強い胸痛・圧迫感、冷や汗や息苦しさを伴う胸の症状、失神や意識の異常がある場合は、119番へ連絡してください。
薬の効果を待って連絡を遅らせないでください。自分で車を運転して受診しないでください。
続けやすい方法を、一緒に考えましょう
通院での心臓リハビリと、自宅での運動を組み合わせる方法もあります。
「長く歩けない」「膝が痛い」「一人で運動するのが不安」といった困りごとも、スタッフに伝えてください。体力や生活に合う方法へ調整できます。
運動した時間、症状、翌日の疲れなどを簡単に記録すると、運動量を相談しやすくなります。





