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高血圧のセルフケア|血圧を下げる運動の選び方
血圧を下げるために、運動を始めてみませんか?
高血圧の改善には、毎日の食事やお薬だけでなく、 体を動かすことも役立ちます。
「ウォーキングをしなければ」と思うかもしれませんが、 実は、筋肉を鍛える運動にも血圧を下げる効果が認められています。
大切なのは、無理をすることではなく、 自分に合った運動を見つけて続けることです。
血圧を下げる運動は、ウォーキングだけではありません
これまで高血圧の運動療法では、 ウォーキングなどの有酸素運動が中心に勧められてきました。
最近の研究では、筋力トレーニングや、 一定の姿勢を保ちながら筋肉に力を入れる運動にも、 血圧を下げる効果があることがわかっています。
日本高血圧学会の「高血圧管理・治療ガイドライン2025」でも、 筋力トレーニングが有効な運動療法として評価されています。
どんな運動が効果的?
① 有酸素運動|歩く・自転車に乗る
呼吸をしながら、体をリズミカルに動かす運動です。 血圧を下げる効果に加えて、 心臓や血管の健康を保つことにも役立ちます。
- ウォーキング・少し速めの散歩
- 自転車・エアロバイク
- 踏み台昇降
- 水中ウォーキング
始め方の例: まずは1日10分ほど歩いてみましょう。 慣れてきたら、時間や回数を少しずつ増やしていきます。
※10分は運動を始めるための一例です。 効果を得るには、無理のない範囲で運動量を増やし、 継続することが大切です。
② 筋力トレーニング|筋肉を動かして鍛える
筋肉に負荷をかけて動かす運動です。 血圧を下げる効果があるほか、 筋力や日常生活の動作を保つことにも役立ちます。
- 椅子からゆっくり立つ・座る
- 軽めのスクワット
- ゴムチューブを使った運動
- 軽いダンベルを使った運動
始め方の例: 椅子からの立ち上がりを5回程度から始め、 体調に合わせて回数を調整してみましょう。 週2〜3回を目安に、休息日も設けます。
力を入れるときも息を止めず、 自然に呼吸しながら行いましょう。
③ 等尺性運動|筋肉に力を入れて姿勢を保つ
筋肉の長さを大きく変えずに、 一定の力を保つ運動です。
- ハンドグリップ運動(握る力を一定時間保つ)
- ウォールスクワット(壁に背中をつけて姿勢を保つ)
こうした運動でも血圧が下がることが研究で示されています。 ただし、力を強く入れたり、息を止めたりすると、 運動中の血圧が大きく上がる場合があります。
特に血圧が高い方や心臓の病気がある方は、 自己判断で高負荷の運動を始めないようにしましょう。
どの運動が一番よいの?
研究では等尺性運動で大きな血圧低下が報告されていますが、 すべての人に最適というわけではありません。
歩くことが好きな方、筋力を維持したい方、 足腰に不安がある方など、 体力や健康状態に合わせて運動を選ぶことが大切です。
今日からできる、小さな運動の工夫
最初から長い時間の運動に取り組む必要はありません。 日常生活の中で、少し体を動かす機会を増やしてみましょう。
長く座っていたら、立ち上がって少し体を動かしてみましょう。
買い物や散歩など、いつもの生活に歩く機会を加えましょう。
椅子からの立ち上がりなど、無理のない筋力運動を加えましょう。
できることが増えてきたら、 少しずつ運動する時間や回数を増やしていきましょう。
運動はどのくらい行えばよい?
高血圧の運動療法では、一般に次のような目安があります。
有酸素運動
- できれば毎日、合計30分以上を目指す
- 週150分以上がひとつの目安
- 少し息が弾む程度の中等度の運動
筋力トレーニング
- 週2〜3回程度を目安に取り入れる
- 軽い負荷から始める
- 呼吸を止めず、無理なく繰り返す
これらは一般的な目安です。 運動をしていなかった方が、 初日からこの量をこなす必要はありません。
体力や病気の状態に応じて、 少しずつ目標に近づけていきましょう。
安全に運動するために
運動を始める前に確認しましょう
- 安静時の血圧が180/110mmHg以上の場合は、 まず医師に相談し、血圧を整えることが優先です。
- 心不全、狭心症などの心臓の病気がある方は、 適切な運動量を医師に確認しましょう。
- 運動中は息を止めず、急に強い力を入れないようにしましょう。
- 運動の前後には、ゆっくり体を動かして 準備・整理運動を行いましょう。
- 胸の痛み、強い息切れ、めまいなどが生じた場合は、 すぐに運動を中止しましょう。
強い胸痛や呼吸困難などが続く場合は、 救急受診が必要です。
降圧薬を服用している方は、 運動によって血圧が改善しても、 自己判断で薬を減らしたり中止したりしないでください。
よくある質問
Q. 10分だけ歩いても意味はありますか?
はい。短い時間でも、運動を始めるきっかけになります。 まずは無理のない範囲で歩いてみましょう。
慣れてきたら少しずつ時間を増やし、 続けられる運動習慣をつくることが大切です。
Q. 筋力トレーニングだけでもよいですか?
筋力トレーニングにも血圧を下げる効果が認められています。
ただし、心臓や血管の健康、体力、筋力などを幅広く保つためには、 有酸素運動と組み合わせる方法も勧められます。
どちらか一方にこだわらず、 自分が続けられる運動を選びましょう。
Q. 運動すると一時的に血圧が上がりますが、大丈夫ですか?
運動中は、体を動かすために血圧が上昇することがあります。 これは運動に伴う反応のひとつです。
ただし、高強度の運動や息を止めて強く力む動作では、 血圧が大きく上がる場合があります。
無理に強い運動をせず、 心配な場合は医師や薬剤師に相談してください。
Q. 高齢者でも筋力トレーニングをしてよいですか?
年齢だけを理由に筋力トレーニングを避ける必要はありません。 適切な運動は、筋力や日常生活の動作を保つことにも役立ちます。
ただし、転倒や関節への負担に注意し、 体力や健康状態に合った方法を選びましょう。
まとめ
血圧を下げる運動は、歩くことだけではありません。
- ウォーキングなどの有酸素運動
- スクワットなどの筋力トレーニング
- 一定の力を保つ等尺性運動
いずれも血圧を下げる効果が研究で示されています。
まずは、普段の生活に少し体を動かす時間を加えてみましょう。 大切なのは、無理なく続けることです。
運動の種類や強さに迷う場合は、 医師や薬剤師に相談してください。
- 日本高血圧学会. 高血圧管理・治療ガイドライン2025. Mindsガイドラインライブラリ
- Edwards JJ, et al. Exercise training and resting blood pressure: a large-scale pairwise and network meta-analysis of randomised controlled trials. Br J Sports Med. 2023;57:1317-1326. 原著論文
- 厚生労働省 e-ヘルスネット. 高血圧症を改善するための運動. 解説ページ
- 厚生労働省. 健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023. 公式PDF
※本記事は一般的な健康情報を提供するものです。 個別の運動制限や治療方針については、 担当医の指示を優先してください。





