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2026-11-05 14:30:00

高血圧のセルフケア|血圧を下げる運動の選び方

血圧を下げるために、運動を始めてみませんか?

高血圧の改善には、毎日の食事やお薬だけでなく、 体を動かすことも役立ちます。

「ウォーキングをしなければ」と思うかもしれませんが、 実は、筋肉を鍛える運動にも血圧を下げる効果が認められています。

大切なのは、無理をすることではなく、 自分に合った運動を見つけて続けることです。

血圧を下げる運動は、ウォーキングだけではありません

これまで高血圧の運動療法では、 ウォーキングなどの有酸素運動が中心に勧められてきました。

最近の研究では、筋力トレーニングや、 一定の姿勢を保ちながら筋肉に力を入れる運動にも、 血圧を下げる効果があることがわかっています。

日本高血圧学会の「高血圧管理・治療ガイドライン2025」でも、 筋力トレーニングが有効な運動療法として評価されています。

どんな運動が効果的?

① 有酸素運動|歩く・自転車に乗る

呼吸をしながら、体をリズミカルに動かす運動です。 血圧を下げる効果に加えて、 心臓や血管の健康を保つことにも役立ちます。

たとえば…
  • ウォーキング・少し速めの散歩
  • 自転車・エアロバイク
  • 踏み台昇降
  • 水中ウォーキング

始め方の例: まずは1日10分ほど歩いてみましょう。 慣れてきたら、時間や回数を少しずつ増やしていきます。

※10分は運動を始めるための一例です。 効果を得るには、無理のない範囲で運動量を増やし、 継続することが大切です。

② 筋力トレーニング|筋肉を動かして鍛える

筋肉に負荷をかけて動かす運動です。 血圧を下げる効果があるほか、 筋力や日常生活の動作を保つことにも役立ちます。

たとえば…
  • 椅子からゆっくり立つ・座る
  • 軽めのスクワット
  • ゴムチューブを使った運動
  • 軽いダンベルを使った運動

始め方の例: 椅子からの立ち上がりを5回程度から始め、 体調に合わせて回数を調整してみましょう。 週2〜3回を目安に、休息日も設けます。

力を入れるときも息を止めず、 自然に呼吸しながら行いましょう。

③ 等尺性運動|筋肉に力を入れて姿勢を保つ

筋肉の長さを大きく変えずに、 一定の力を保つ運動です。

研究されている運動の例
  • ハンドグリップ運動(握る力を一定時間保つ)
  • ウォールスクワット(壁に背中をつけて姿勢を保つ)

こうした運動でも血圧が下がることが研究で示されています。 ただし、力を強く入れたり、息を止めたりすると、 運動中の血圧が大きく上がる場合があります。

特に血圧が高い方や心臓の病気がある方は、 自己判断で高負荷の運動を始めないようにしましょう。

どの運動が一番よいの?

研究では等尺性運動で大きな血圧低下が報告されていますが、 すべての人に最適というわけではありません。

歩くことが好きな方、筋力を維持したい方、 足腰に不安がある方など、 体力や健康状態に合わせて運動を選ぶことが大切です。

今日からできる、小さな運動の工夫

最初から長い時間の運動に取り組む必要はありません。 日常生活の中で、少し体を動かす機会を増やしてみましょう。

STEP 1
座る時間を減らす

長く座っていたら、立ち上がって少し体を動かしてみましょう。

STEP 2
生活の中で歩く

買い物や散歩など、いつもの生活に歩く機会を加えましょう。

STEP 3
筋肉も使う

椅子からの立ち上がりなど、無理のない筋力運動を加えましょう。

できることが増えてきたら、 少しずつ運動する時間や回数を増やしていきましょう。

運動はどのくらい行えばよい?

高血圧の運動療法では、一般に次のような目安があります。

有酸素運動

  • できれば毎日、合計30分以上を目指す
  • 週150分以上がひとつの目安
  • 少し息が弾む程度の中等度の運動

筋力トレーニング

  • 週2〜3回程度を目安に取り入れる
  • 軽い負荷から始める
  • 呼吸を止めず、無理なく繰り返す

これらは一般的な目安です。 運動をしていなかった方が、 初日からこの量をこなす必要はありません。

体力や病気の状態に応じて、 少しずつ目標に近づけていきましょう。

安全に運動するために

運動を始める前に確認しましょう

  • 安静時の血圧が180/110mmHg以上の場合は、 まず医師に相談し、血圧を整えることが優先です。
  • 心不全、狭心症などの心臓の病気がある方は、 適切な運動量を医師に確認しましょう。
  • 運動中は息を止めず、急に強い力を入れないようにしましょう。
  • 運動の前後には、ゆっくり体を動かして 準備・整理運動を行いましょう。
  • 胸の痛み、強い息切れ、めまいなどが生じた場合は、 すぐに運動を中止しましょう。

強い胸痛や呼吸困難などが続く場合は、 救急受診が必要です。

降圧薬を服用している方は、 運動によって血圧が改善しても、 自己判断で薬を減らしたり中止したりしないでください。

よくある質問

Q. 10分だけ歩いても意味はありますか?

はい。短い時間でも、運動を始めるきっかけになります。 まずは無理のない範囲で歩いてみましょう。

慣れてきたら少しずつ時間を増やし、 続けられる運動習慣をつくることが大切です。

Q. 筋力トレーニングだけでもよいですか?

筋力トレーニングにも血圧を下げる効果が認められています。

ただし、心臓や血管の健康、体力、筋力などを幅広く保つためには、 有酸素運動と組み合わせる方法も勧められます。

どちらか一方にこだわらず、 自分が続けられる運動を選びましょう。

Q. 運動すると一時的に血圧が上がりますが、大丈夫ですか?

運動中は、体を動かすために血圧が上昇することがあります。 これは運動に伴う反応のひとつです。

ただし、高強度の運動や息を止めて強く力む動作では、 血圧が大きく上がる場合があります。

無理に強い運動をせず、 心配な場合は医師や薬剤師に相談してください。

Q. 高齢者でも筋力トレーニングをしてよいですか?

年齢だけを理由に筋力トレーニングを避ける必要はありません。 適切な運動は、筋力や日常生活の動作を保つことにも役立ちます。

ただし、転倒や関節への負担に注意し、 体力や健康状態に合った方法を選びましょう。

まとめ

血圧を下げる運動は、歩くことだけではありません。

  • ウォーキングなどの有酸素運動
  • スクワットなどの筋力トレーニング
  • 一定の力を保つ等尺性運動

いずれも血圧を下げる効果が研究で示されています。

まずは、普段の生活に少し体を動かす時間を加えてみましょう。 大切なのは、無理なく続けることです。

運動の種類や強さに迷う場合は、 医師や薬剤師に相談してください。

参考資料
  1. 日本高血圧学会. 高血圧管理・治療ガイドライン2025. Mindsガイドラインライブラリ
  2. Edwards JJ, et al. Exercise training and resting blood pressure: a large-scale pairwise and network meta-analysis of randomised controlled trials. Br J Sports Med. 2023;57:1317-1326. 原著論文
  3. 厚生労働省 e-ヘルスネット. 高血圧症を改善するための運動. 解説ページ
  4. 厚生労働省. 健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023. 公式PDF

※本記事は一般的な健康情報を提供するものです。 個別の運動制限や治療方針については、 担当医の指示を優先してください。