2018-05-31 13:00:00

必ず相談!アンチ・ドーピング

九州北部も梅雨入り宣言となり、農繁期を迎えましたが、

皆様、いかがおすごしでしょうか。

 

 

最近、ドーピングに関するニュースを耳にする機会が多く、

心に引っかかっています。

 

ドーピングを防ぐための基本的なポイントなどについて、

薬局のホームページに、以前に、記事を掲載しました

 

①意図しない混入

②治療目的の医薬品の使用

③サプリメント

など、過去のドーピング事例について、いろんなきっかけが知られています。

選手の皆さんは、もちろん、ドーピングには該当しないように、普段から気を付けていらっしゃると思います。

 

でも、今一度、お願いします。

決して、自分ひとりで判断しないでください

専門家に意見を聞いてください(もちろん、複数の専門家に聞いていただいて結構です)。

 

製品がドーピングに該当しないか検索するインターネットサイトなど、簡単に利用できますが、

検索するときには注意が必要です。

 

・一言一句正確に検索すること

・サプリメントなど、表示していない成分を含む可能性があること

。サプリメントは販売元での確認だけでなく、製造元の確認も大切であること

  など

 

迷ったらすぐ相談。迷う前にすぐ相談。 が大切です。

 

---

(追記)

検索するときのポイント、もう一つ追加させてください。

・一度確認した内容も、制度の変更で変わることがあります。随時、確認することが大切です。

2018-01-17 09:00:00

【Q&A】薬が残ったら・・・?

Q. 続けて飲んでいる薬がある。飲んでいるうちに、薬が余ってしまう。

 どうしたらよいか?

 

A. まずは、薬が残らないようにする対策を一緒に考えましょう。

 そのうえで、余った薬の分の調節を、医師と相談して行いましょう。

 どうぞ、お気軽にご相談ください。

 


 

 薬を飲んでいるうちに、余ってしまう・・・というのは、どうしても起こってしまいますよね。

 薬剤師的には、「病気が良くなるように飲んでくださいね」という気持ちではあるのですが、どうしても余ることも、理解しているつもりです。

 

 薬が余っていると伝えたら怒られるんじゃないか・・・などと、気にしていらっしゃるかもしれませんが、ご安心ください。

 

 薬剤師のホンネとしては、自分の説明不足を反省はしますが、患者さんを責めることはありません。

 また、残っているからと、じゃあ次に出してもらう薬を減らしてもらいましょう、とすぐに判断するのではなく、その原因の解決策を一緒に考えましょう、というのが基本的な薬剤師の考え方です。

 

 薬が余る原因には、いくつかの要因が考えられます。それぞれに応じた対応方法が必要です。

・薬の飲み忘れ

・薬が飲みづらくて飲めなかった

・副作用が心配で飲みたくなかった

・病気が治ったと思って、中止していた

・症状に応じて調節するように指示されており、調子が良かったので余った

 


 

〇薬の飲み忘れ

 よくあるのが、1日3回食後に飲む薬が、昼の分をどうしても忘れてしまう、というものです。保育園等に通っているため昼に服薬できないという方もいらっしゃいます。

<対策>

・飲む時間を工夫する

 食後に飲む薬は、1日の中でできるだけ等間隔に飲むための目安として、食後に服薬指示がされることが多いです。薬の吸収に食事の影響がない薬に関しては、食後に係わらず、等間隔に飲むこともできます。生活リズムに合わせて、飲むタイミングを提案することも可能です。 ただし、糖尿病の治療薬のように食事と薬の関係が深い薬など、タイミングを変えることができない薬もありますので、注意が必要です。

〔相談してください〕

 医療機関であなたの生活の様子を伝えてください:朝食を食べていない、食事時間・帰宅・就寝時間など

 

・薬を整理する

 服用中の薬の種類が多く、服薬回数も多いため、どうしても用法通りに服薬することが困難だという方もいらっしゃると思います。この場合、薬の内容を見直すことが必要になるかもしれません。配合剤(複数の成分を含む薬)を使用するなど薬の種類が少なくなるように見直す、服用回数が少なるなるようにまとめるなどの方法があります。これには、医師と相談して、あなたに合った方法を考えましょう。

 他にも、わかりやすいように薬袋(「やくたい」と読みます。薬を入れている袋のことです。)を工夫する、1回に飲む薬を一袋にまとめる(「一包化」と言います。)などの方法もあります。

〔相談してください〕

 残っている状況や、飲めないという現状、現在服用中の薬が分かるようにして、相談してください(お薬手帳を活用していただくとわかりやすいです。薬の現物を持参してもよいです。)

 

〇薬が飲みづらくて飲めなかった

 粉薬が苦手、錠剤が苦手など、服薬において、抱えていらっしゃる心配事は、様々です。飲めないとおっしゃる方も多くいらっしゃいます。

 薬のかたち(「剤型」といいます)は、薬の効果を発揮するように工夫して作られています。特別なコーティングを施している錠剤などもあるため、錠剤が飲めないからと、割って飲んでしまうと、本来の効果が発揮されなくなるものもあります。薬によっては、粉薬、錠剤、溶けやすい錠剤(口腔内崩壊錠、OD 錠、などといいます)など、剤型を選べるものもありますので、相談してください。

〔相談してください〕

 遠慮なく伝えてください。あらかじめ、お薬手帳などに記入していただくと、伝える助けになります。

 

〇副作用が心配で飲みたくなかった

 これは、皆さんが感じていらっしゃる心配事だと思います。程度の大小はありますが、副作用がない薬はありません。医療従事者は、副作用がでないように、でても早く発見するように気を付けながら、薬の効果を得られるように、務めています。

 副作用によっては、軽度であればそのまま様子を見てくださいと伝えるものや、症状がでればすぐに医療機関に連絡してくださいと伝えるものなど、想定される副作用によって対応方法が異なります。あらかじめ、どのようなことが起こりうるのか確認しておくと安心です。副作用を過剰に怖がる必要はありませんが、正しく知った上で、正しく怖がることは大切です。

 個人に応じて、正しい対策が必要です。胃が弱い、便秘しやすい、下痢しやすい、眠くなりやすい、生活が不規則(夜勤など)、危険な作業に従事している(機械作業や運転)、現在治療中の病気やこれまでにかかったことのある病気(特に、肝臓、腎臓、心臓の病気)を伝えておくことは、副作用の予防のためにも大切です。

〔相談してください〕

 薬を飲み始めて、気になる症状などがあれば、なんでも伝えてください。薬の説明書きには書いていない症状でも、もちろん伝えてください。どのような症状が、いつごろからあるのか、あらかじめ紙にまとめておくと、緊張せずにうまく伝えられるかもしれません。

 

〇病気が治ったと思って、中止していた

 病気が治ったら、服薬を終了したいということも、多くの皆さんが願っていることだと思います。例えば、「生活習慣病」は生活習慣がきっかけでかかる病気のように思えますが、逆にみると、生活習慣を改善すると、改善することができる病気とも言えます。治療の目標を、正しく理解しておくことは、とても大切です。

〔相談してください〕

 治療期間の目安を尋ねる:薬はどうなったら終了できますか、そのために服薬以外にできることはありますか(生活で注意することはありますか)

 

〇症状に応じて調節するように指示されており、調子が良かったので余った

 薬によっては、調節するように指示されることもあると思います。この場合、薬の残り具合は、病気の様子を知る手立てでもありますので、是非、余っていることを伝えてください。医師の相談のうえ、調節しましょう。

 


 

薬剤師のホンネ:

 薬が残っていることを伝えたとき、薬剤師から医師に相談する場合、受診時に自身で医師に相談するように支持される場合など、薬剤師によってとる対応は様々ですので、それが気になる方もいらっしゃるかもしれません。

 薬剤師としては、患者さんと医師がなんでも話し合える関係が望ましいと考えているので、「それは先生に伝えてください」ということもあります。

 中には、医師に遠慮されて、自分では言えないという方もいらっしゃいます。この場合は、薬剤師が、患者さんと医師の間を取り持つお手伝いをします。「先生にお願いするのは気が引けるんだけどどうしたらいい?」と教えてください。

2017-11-21 09:00:00

【Q&A】ジェネリック医薬品

Q. ジェネリック医薬品(後発医薬品)ってなんですか?

 

A. ジェネリック医薬品とは、先発医薬品の特許期間 (20~25年) 終了後、同じ有効成分を使って、同じ効き目・安全性となるように作られたお薬です。

先に販売されていた医薬品を、先発医薬品といい、それに対して、後から販売された医薬品を、ジェネリック医薬品(後発医薬品)といいます。

※ジェネリック医薬品については、薬局ホームページのこちらのページにまとめていますので、よろしければご参照ください。

 

ジェネリック医薬品には、メリット・デメリットがあるので、見極めたうえで使用する必要があります。

メリット:

・ジェネリック医薬品がある先発品やジェネリック医薬品は、新薬と比べて十分な使用経験が蓄積されている

・価格が安い

・剤型が工夫されているものがある  など

デメリット:

・添加物に対する副作用に注意する必要がある(これは、先発医薬品でも同様)

・添加物の違いにより、使用感が異なる場合がある  など

 

医薬品によっては、ジェネリック医薬品がない場合もあります。

かかりつけの医療機関に、十分にご相談されてください。

 


 

薬剤師のホンネ

ジェネリック医薬品と先発医薬品は、成分は同じですが、トータルでみると違う部分もあります。(ただし、オーソライズドジェネリックを除く)

そのため、薬剤師としては、ジェネリック医薬品が使用可能かを慎重に見定めたり、使用するジェネリック医薬品も質を見極めたうえで選定し、患者さんに提案をさせていただきます。

患者さん側から、ジェネリック医薬品を希望する/しないの意思表示を教えていただけると、非常にありがたいです。ただ、具合が悪いときに口頭で伝えるのは大変だと思いますので、お薬手帳に希望する/しないを書いておいていただくと意志がわかるため、助かります。

2017-04-17 09:00:00

医療情報のススメ:週刊誌をどう読む?

「この薬は飲んではいけない!」

 

こんなセンセーショナルな見出し、見かけたことはありませんか?

週刊誌でも、治療のことを取り上げられる機会が多くあります。

 

見出しだけではなく、ぜひ、その記事を読んでください!

 

いち薬剤師としては、このように感じています。

というのも、記事を読んでみると、

 ○○という効果はあるが、

 ○○という場合には、その効果はあまり期待されない

というように、良悪両面のことをきちんと書いていることが多いからです。

 

医師は、治療法のメリット・デメリットを天秤にかけて、治療法を選択しています。

その記事のことを質問したら、良い医師は、あなたの場合は、こういう理由で、この治療法を選んでいると、きちんと説明してくれると思います。

もちろん、我々コメディカルも、説明します。

 

ただ、

ご自身の健康のことに関心を払っていただきたいので、このような記事はぜひ読んでください、と思っています。

そのうえで、してほしいこと、してほしくないことがあります。

 

【してほしいこと】

・「薬を減らすために、私はどんなことを心がけたらよいですか?」と尋ねてください。

医師は、最低限の薬を使用して、治療しようとしています。

病気の治療法には、医師が行う処置(手術など)、薬物治療に加えて、生活習慣の改善(運動療法、栄養療法)がカギとなります。生活習慣の改善は、病気の改善のために、非常に重要です。そのうえで、病気の経過がよければ、様子を見ながら、減薬が検討されます。

 

【してほしくないこと】

・勝手に服薬を中断する

・他の人に薬をあげる

 

 

気になる記事などがありましたら、ぜひ、ご持参ください。

少しでも疑問の解決のお手伝いができれば幸いですし、我々の勉強にもなりますので。

 

医療情報に惑わされるのではなく、使いこなす方法、一緒に考えていきましょう。

2016-07-05 12:00:00

夏にご用心:湿布薬と日光

多雨のあとの高湿な暑さの後も、各地では夏日が記録されているようですが、いかがお過ごしでしょうか。

 

熱い時に、まず心配なのが熱中症です。

熱中症予防のポイントは、やはりこれです。

 ・体温を下げる工夫(涼しい恰好、日陰、日傘・帽子)

 ・早め、かつ、こまめな水分補給

参考)環境省熱中症予防情報サイト 

 

​​

 

暑い時には、薬のことでも、気を付けていただきたいことがあります。

それが、本タイトルの 湿布薬 のことです。

 

 

中には、湿布薬に「かぶれる」かたもいらっしゃいますが、それには、2種類があります。

接触性皮膚炎・・・湿布薬の成分(有効成分だけでなく添加物も)に触れることでかぶれている

光接触性皮膚炎・・・かぶれの原因物質と光があわさることで、かぶれを起こしている

 

接触性皮膚炎の原因は、有効成分だけではなく、添加物もその原因になることがあります。そのため、有効成分は同一であっても、先発医薬品や後発医薬品の中でも、かぶれ(接触性皮膚炎)の発生頻度は異なるのは、そのためです。

 

光接触性皮膚炎とは、紫外線を浴びることで、①原因物質を介して活性酸素種が発生し、細胞を障害する場合や、②原因物質が変化することで、免疫反応が引き起こされた結果として、皮膚炎を起こす場合があります。後者は、微量であっても起こると言われています。

 

湿布薬の一部には、この光接触性皮膚炎に特に注意しなければいけないものがあります。ドラッグストアなどで市販されている一般用医薬品でも、光接触性皮膚炎に注意が必要な湿布薬もあります。

特に、「ケトプロフェン」という成分を含む湿布薬には注意が必要です。

光接触性皮膚炎の概念図

 

春から夏にかけて、紫外線量も増加してくるため、これからの季節は特に注意が必要です。

 「日最大UVインデックス(観測値)の年間推移グラフ」測定地点:那覇

(●は2016年の観測値、細実線は1991年から2015年までの累年平均値)

出典:気象庁ホームページ (URL)

 

では、その対策として、どうしたらよいでしょうか?

 

最も大切なことは、

湿布薬を貼った場所を、紫外線にあてないようにすること です。

 

○はがした後にも注意

皮膚には、湿布薬の成分が残っています。『夜貼っていたがはがしたから、もう大丈夫』ではありません。使用後、4週間は注意してください。

 

○曇りの日にも注意

光接触性皮膚炎は、紫外線の中の UVA (長波長紫外線)が原因と言われています。これは、透過力が強く、曇りの日にも照射量が多いと言われています。曇りの日やガラス越しの照射にもご注意ください。

 

では、紫外線にあてないようにするにはどのような点に注意したらよいでしょうか。

 

○物理的に防御

濃い色の衣服・帽子を身に着けたり、貼付部位をサポーターで覆いましょう。

 

○日焼け止め

日焼け止めの表示項目をご確認ください。「PA+++」のものをご使用ください。

PA とは、UVA の防止効果を示すもので、PA+++ は、非常に防止効果がある、と言えます。

 

※ただし、湿布薬の成分で光接触性皮膚炎を起こす人の中には、「オキシベンゾン」など、日焼け止めの成分でも同様の症状が起きる場合があります。光接触性皮膚炎を起こしやすい方には、『紫外線吸収剤不使用』『ケミカルフリー』『ノンケミカル』と表記された日焼け止めの使用をおすすめします。このように書いてある製品は、皮膚炎の原因となる物質を含まないため、安心して使用していただけます。

 

◇もし変だなと思ったら、、、

発疹・発赤・かゆみ・刺激感といった症状が現れた場合、すぐに使用を中止し、紫外線が当たらないように患部を覆って、皮膚科を受診してください。

 

◇こんな方は、ご注意ください

湿布薬で光線過敏症が起きたことがあるかたは、内服薬でも注意が必要なものがあります(代表例:一部の抗生剤や一部の利尿剤)。湿布薬のことだから飲み薬には関係ないだろうとは思わずに、必ず、病院や薬局で、過去に皮膚が赤くなったことなどを、伝えてください。

 

・これまでに、内服薬や湿布薬などを使用後に、皮膚が赤くなった、腫れた、痒くなった、ピリピリ痛くなったなどの症状を経験したことがある方

・化粧品、日焼け止め、香水などにかぶれたことがある方

・屋外で活動(スポーツ・作業など)をする方 

 

以上に該当する方は、湿布薬と紫外線に、特に注意が必要です。

 

 

◇まとめ

痛み止めの外用薬を使う方は、使用部位を紫外線にあてないようにしてください。

湿布薬(テープ剤をふくむ)だけでなく、塗り薬(軟膏、ゲル、クリーム)も注意が必要です。

 

それでは、対策ばっちりで、夏を乗り切りましょう!