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第4回:コレステロール、なぜ怖い?(脂質異常症)
コレステロール、なぜ怖い?(脂質異常症)
こはく堂薬局|もっと詳しく!循環器のはなし Vol.4
健診で「コレステロールが高い」と言われたこと、ありませんか?
「でも別に症状ないし…」と放置している方、実は多いのではないでしょうか。脂質異常症も高血圧と同じく、自覚症状がほとんどないまま、血管の中でじわじわと動脈硬化を進めています。
コレステロールの種類を知ろう
コレステロールには「良い」ものと「悪い」ものがあります。
- 🔴 LDLコレステロール(悪玉) —— 血管の壁にたまって動脈硬化を進める。多すぎると危険
- 🟢 HDLコレステロール(善玉) —— 血管の壁からコレステロールを回収してくれる。少なすぎると危険
- 🟡 中性脂肪(トリグリセリド) —— 高すぎるとLDLを小型化させ、より血管に入りやすくなる
「LDLが高い + HDLが低い」が最もリスクが高い状態です。
脂質異常症の診断基準
- 🔴 LDL ≧ 140 mg/dL → 高LDLコレステロール血症
- 🟢 HDL < 40 mg/dL → 低HDLコレステロール血症
- 🟡 中性脂肪(空腹時) ≧ 150 mg/dL → 高トリグリセリド血症
どれか1つでも当てはまれば「脂質異常症」です。ただし、LDLの管理目標値は人によって違います。心筋梗塞や糖尿病などがある方は、より低く管理します。
動脈硬化が起きるしくみ
- 血液中のLDLが血管の壁に入り込む
- LDLが酸化されて「酸化LDL」になる
- 免疫細胞が酸化LDLを食べて「泡沫細胞」に
- 泡沫細胞がたまって「プラーク(こぶ)」ができる
- プラークが破れると「血栓」ができて血管がつまる
→ 心筋梗塞・脳梗塞に!
このプロセスは数十年かけて静かに進みます。だからこそ、早いうちからのコントロールが大切です。
今日からできる脂質改善のコツ
- 🥬 食物繊維を増やす —— 野菜・海藻・きのこがコレステロールの吸収を抑える
- 🐟 青魚を食べる —— EPA・DHAが中性脂肪を下げる
- 🍰 甘いもの・お酒を控える —— 中性脂肪が上がりやすい
- 🚶 有酸素運動 —— 歩くだけでもHDL(善玉)が増える
- 🚬 禁煙 —— 喫煙はHDLを下げ、LDLの酸化を促進
薬物療法では、スタチン(コレステロールを下げる薬)に動脈硬化の進行を抑える豊富なエビデンスがあります。
まとめ:今日のポイント
- LDL(悪玉)が高いと動脈硬化が進む
- HDL(善玉)が低いのも危険
- 脂質異常症は自覚症状がないまま血管を傷つける
- LDLの管理目標はリスクに応じて個別に設定される
- 食事・運動・お薬で脂質は改善できる
コレステロールの薬を続けている方、それは「将来の自分」を守る行動です。動脈硬化の進行を防ぎ、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを下げ続けています。
「コレステロールの薬、一生飲まなきゃダメ?」という質問をよくいただきます。動脈硬化は進行を止めることはできても、完全に元に戻すのは難しい病気です。だからこそ、早いうちからのコントロールが大切。自己判断で中断せず、気になる点は医師・薬剤師にご相談ください。
次回は 🫀「肥満症 〜体重3%減が心臓を守る〜」をお届けします。お楽しみに!
シリーズ「もっと詳しく!循環器のはなし」
発信:こはく堂薬局(薬剤師)
参照:日本循環器協会認定「循環器病エキスパートアドバイザー」 eラーニング
※ 診断・治療については、必ず医療機関にご相談ください
第3回:腎臓と心臓の意外なつながり(CKD)
腎臓と心臓の意外なつながり(CKD)
こはく堂薬局|もっと詳しく!循環器のはなし Vol.3
「腎臓」と「心臓」——一見関係なさそうな2つの臓器ですが、実はとても深く関わり合っています。
腎臓が悪くなると心臓に負担がかかり、心臓が悪くなると腎臓の働きも低下する。
この悪循環を「心腎連関」と呼びます。
CKD(慢性腎臓病)とは?
CKDは、腎臓の働きが低下している、または尿検査などで腎臓の異常が見つかる状態が3か月以上続くものをいいます。
以前は成人の約8人に1人と言われてきましたが、最近はさらに多い可能性も示されています。
しかも初期にはほとんど自覚症状がありません。
主な原因は、糖尿病・高血圧・慢性糸球体腎炎です。
心腎連関——お互いを苦しめる悪循環
心臓が悪くなると…
腎臓へ送られる血液が減り、腎機能が低下しやすくなります。
腎臓が悪くなると…
水分や塩分がたまりやすくなり、心臓に負担がかかります。
さらに貧血やミネラルバランスの異常も重なり、心臓はさらに弱りやすくなります。
CKDでは、心血管疾患が大きなリスクになります。
健診で見るべき数値
eGFR 60未満で腎機能低下の可能性、尿たんぱく陽性は腎臓が傷んでいるサインです。
健診結果の「eGFR」と「尿たんぱく」、ちゃんと見ていますか?
CKDを防ぐ・進行を遅らせるために
- 血圧を管理する —— 高血圧は腎臓にも心臓にも負担
- 血糖を管理する —— 糖尿病はCKDの大きな原因
- 減塩する —— 食塩は1日6g未満が目標
- 薬をきちんと使う —— 腎臓や心臓を守る薬が使われることがあります
- 禁煙する —— 喫煙はCKDや動脈硬化を進めます
早期発見・早期対応が、進行予防のカギです。
まとめ:今日のポイント
- CKDはとても身近な病気
- 腎臓と心臓はお互いに影響し合う(心腎連関)
- CKDでは心血管疾患が大きなリスク
- eGFRと尿たんぱくが早期発見のヒント
- 血圧管理・血糖管理・減塩で進行を遅らせることが大切
もし今、血圧や血糖のお薬をきちんと飲み続けている方へ:
それは腎臓も守っていることになります。
血圧・血糖のコントロールは、心臓と腎臓の両方を守る大切な取り組みです。
腎臓は「沈黙の臓器」。悪くなっても初期は気づきにくいものです。
健康診断を受けたら、「eGFR」と「尿たんぱく」をぜひチェックしてみてください。
気になる数値があれば、薬局でもお気軽にご相談ください。
次回は 🫀「コレステロール、なぜ怖い?(脂質異常症)」をお届けします。お楽しみに!
シリーズ「もっと詳しく!循環器のはなし」
発信:こはく堂薬局(薬剤師)
参照:日本循環器協会認定「循環器病エキスパートアドバイザー」 eラーニング
※ 診断・治療については、必ず医療機関にご相談ください
第2回:糖尿病 〜血糖値と心臓の深い関係〜
糖尿病 〜血糖値と心臓の深い関係〜
こはく堂薬局|もっと詳しく!循環器のはなし Vol.2
「糖尿病」と「心臓の病気」、関係あるの?
そう思われる方も多いかもしれません。でも実は、糖尿病は心筋梗塞・脳卒中・心不全のリスクを高めます。しかも、糖尿病と診断される前の予備群や血糖高めの段階でも、すでに動脈硬化や心血管リスクは高まり始めています。
今回は、糖尿病と循環器病の深いつながりを見ていきましょう。
糖尿病ってどんな病気?
糖尿病は、ひとことで言うと「インスリンの働きがうまくいかない病気」です。
食事をすると血糖値が上がりますが、通常はすい臓からインスリンが出て、血糖を下げてくれます。
このインスリンが「出にくい」または「効きにくい」状態が続くと、血糖値が高いままになります。
日本では、糖尿病の多くが2型糖尿病(生活習慣や体質が関係するタイプ)です。
高血糖が心臓を傷つける3つのルート
糖尿病は「血糖の病気」のイメージが強いかもしれませんが、実は血管と心臓の病気でもあります。
① 大きな血管の動脈硬化
心筋梗塞、脳卒中、末梢動脈疾患のリスクが上がります。
② 細い血管のダメージ
腎症・網膜症・神経障害といった、いわゆる「三大合併症」の原因になります。
③ 心臓そのものへの影響
心不全や不整脈のリスクも上昇します。
糖尿病は、「血管の病気」であり、「心臓の病気にも深く関わる」ものなのです。
健診で見るべき数値
糖尿病が疑われる主な数値
- 空腹時血糖 126 mg/dL以上
- 随時血糖 200 mg/dL以上
- HbA1c 6.5%以上
要注意の目安
- HbA1c 5.6%以上
- 空腹時血糖 110〜125 mg/dL
特に HbA1c 6.0〜6.4% は要注意。糖尿病の一歩手前ですが、この時点ですでに心血管リスクは高まり始めています。
健診結果のHbA1c、最近見ていますか?
血糖コントロールの目標
一般的な目標はHbA1c 7.0%未満です。
より良好なコントロールを目指せる場合は6.0%未満、低血糖のリスクが高い場合は8.0%未満を目安に、個別に調整します。
特に高齢者では、認知機能やADL、低血糖リスクを考えて目標を決めます。
大切なのは、下げすぎず、無理しすぎず、続けられる血糖管理です。
まとめ:今日のポイント
- 糖尿病は心筋梗塞・脳卒中・心不全のリスクを高める
- 予備群や血糖高めの段階から心血管リスクは上がり始める
- HbA1c 6.5%以上は糖尿病が疑われる目安、5.6%以上は要注意
- 血糖コントロールは大切だが、下げすぎにも注意
- 治療を続けることが合併症予防につながる
治療を続けているあなたへ
糖尿病の治療を続けるのは、簡単なことではありません。
食事に気をつけ、お薬を飲み、定期的に受診する——その続けている努力は、確実に血管を守っています。自信を持ってください。
一方で、飲み忘れや受診の中断はありませんか?
受診や治療を中断すると、血糖だけでなく、血管合併症のリスクも高まります。
お薬の飲み方や副作用が気になったら、薬局でお気軽にご相談ください。
次回は 🫀「腎臓と心臓の意外なつながり(CKD)」をお届けします。お楽しみに!
シリーズ「もっと詳しく!循環器のはなし」
発信:こはく堂薬局(薬剤師)
参照:日本循環器協会認定「循環器病エキスパートアドバイザー」 eラーニング
※ 診断・治療については、必ず医療機関にご相談ください
第1回:高血圧 〜"沈黙の殺し屋"の正体〜
高血圧 〜“沈黙の殺し屋”の正体〜
こはく堂薬局|もっと詳しく!循環器のはなし Vol.1
「血圧が高い」と言われたこと、ありませんか?
日本人の約4,300万人が高血圧と推定されています。 でも、きちんと治療できている人はわずか3割ほど。
「ちょっと高いくらいなら大丈夫」……本当にそうでしょうか?
今回は、高血圧が 「サイレントキラー(沈黙の殺し屋)」 と呼ばれる理由を、わかりやすくお伝えします。

なぜ「沈黙の殺し屋」なの?
高血圧の最大の怖さは、 自覚症状がほとんどないことです。
血圧が高い状態が続いても、痛みも苦しみも感じません。 でもその間、血管は静かに傷つき続けています。
そしてある日突然、重大な病気を引き起こす——。
- 自覚症状がほとんどないのに、 高い血圧が血管を傷つけている
- 放っておくと動脈硬化が進む ——血管が硬く、狭くなっていく
- ある日突然、重大な病気を引き起こす ——心筋梗塞、脳卒中、心不全、腎不全…
だから「サイレントキラー」と呼ばれるのです。

血圧の目標値、知っていますか?
現在のガイドラインでは、 治療目標は以下のようになっています。
- 🏥 診察室血圧 130/80 mmHg 未満
- 🏠 家庭血圧 125/75 mmHg 未満
実は、病院で測るよりも 家で測る血圧のほうが大切。
診察室では緊張して高くなる (「白衣高血圧」)ことがあるからです。
おうちでの血圧測定、始めてみませんか?

高血圧を放置すると、どうなる?
高血圧は、ほぼすべての循環器病に関わっています。
- 🫀 心筋梗塞・狭心症
—— 心臓の血管がつまる - 🧠 脳卒中
—— 脳の血管が破れる・つまる - 💔 心不全
—— 心臓に負担がかかり続け、ポンプ機能が低下 - 🪶 慢性腎臓病(CKD)
—— 腎臓の細い血管がダメージを受ける - 🔴 大動脈瘤・大動脈解離
—— 大きな血管が膨らむ・裂ける
「ちょっと血圧が高いくらい」が、 実はこれだけのリスクを抱えているんです。

今日からできる血圧対策
実は、生活習慣の改善で血圧は下げられます。
🧂 減塩
- 1日の食塩目標は6g未満
- みそ汁を1日1杯に、漬物を減らす
🥬 野菜・果物を増やす
- カリウムが塩分の排出を助ける
🚶 適度な運動
- 1日30分のウォーキングでOK
🍺 お酒はほどほどに
- 飲みすぎは血圧を上げる
🚬 禁煙
- たった1本でも血圧を急上昇させる
💡 「朝活血圧」のすすめ
- 朝の血圧を毎日測る習慣をつけましょう
- 就寝前と起床後の2回測定がおすすめです

まとめ:今日のポイント
- 高血圧は自覚症状がないのに 血管を傷つけ続ける
- 血圧目標は 130/80未満 (家庭では125/75未満)
- 放置すると 心筋梗塞・脳卒中・心不全 のリスクが上がる
- 減塩・運動・禁煙 で血圧は下げられる
- 家庭で毎日測る ことが予防の第一歩

治療を続けているあなたへ
もし今、血圧のお薬をきちんと飲み続けている方がいらっしゃったら
—— それは、とても大切なことを続けられている ということです。
自分では当たり前に感じるかもしれませんが、 毎日の服薬が血管を守り続けています。👏
「血圧の薬を飲んでいるけど、下がったからやめていい?」 という質問をいただくことがあります。
自己判断でやめるのはとても危険です。
血圧の薬は 「下げるため」だけでなく、 「血管を守るため」に飲み続けているもの。
やめると血圧がリバウンドで急上昇し、 脳卒中や心筋梗塞の引き金になることがあります。
お薬のことで気になることがあれば、 お気軽に薬局でご相談ください。
次回は 🫀 「糖尿病 〜血糖値と心臓の深い関係〜」 をお届けします。お楽しみに!
シリーズ「もっと詳しく!循環器のはなし」
発信:こはく堂薬局(薬剤師)
参照:日本循環器協会認定「循環器病エキスパートアドバイザー」 eラーニング
※ 診断・治療については、必ず医療機関にご相談ください
第10回:もしもの時に備えて!医療費や社会支援の制度(最終回)
もしもの時に備えて!医療費や社会支援の制度
こはく堂薬局|知っておきたい!循環器のはなし Vol.10(最終回)
循環器病になった時、こんな不安はありませんか?
- 入院費や手術代、いくらかかるの?
- 仕事を休んだら、収入はどうなる?
- 退院後の生活、サポートはあるの?
実は、使える制度はたくさんあります。

① 高額療養費制度
1ヶ月の医療費が自己負担限度額を超えた分が戻る制度。
例:医療費100万円 → 自己負担 約8〜9万円
💡 限度額適用認定証で窓口負担軽減

参考:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/juuyou/kougakuiryou/index.html
② 傷病手当金(会社員向け)
4日以上休むと給与の約2/3支給
- 最長1年6ヶ月
- 健康保険から支給
⚠️ 国保は対象外

③ 障害年金
後遺症で生活に支障がある場合に対象
- ペースメーカー・ICD
- 心不全
- 脳卒中後遺症
💡 原則:初診から1年6ヶ月後

④ 介護保険・障害者手帳
介護保険
- 訪問看護・デイサービス
- 福祉用具レンタル
身体障害者手帳
- ペースメーカー → 等級対象
- 医療費助成・税控除
💡 市区町村で相談
まとめ:今日のポイント
- 医療費は制度で軽減できる
- 収入補償制度がある
- 後遺症でも支援あり
- 福祉制度も活用できる
最後に
制度は「知っているかどうか」で差が出ます。
困ったときは医療機関・薬局にご相談ください。




