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2026-05-15 07:00:00

第4回:コレステロール、なぜ怖い?(脂質異常症)

コレステロール、なぜ怖い?(脂質異常症)

こはく堂薬局|もっと詳しく!循環器のはなし Vol.4


健診で「コレステロールが高い」と言われたこと、ありませんか?
「でも別に症状ないし…」と放置している方、実は多いのではないでしょうか。脂質異常症も高血圧と同じく、自覚症状がほとんどないまま、血管の中でじわじわと動脈硬化を進めています。


コレステロールの種類を知ろう

コレステロールには「良い」ものと「悪い」ものがあります。

  • 🔴 LDLコレステロール(悪玉) —— 血管の壁にたまって動脈硬化を進める。多すぎると危険
  • 🟢 HDLコレステロール(善玉) —— 血管の壁からコレステロールを回収してくれる。少なすぎると危険
  • 🟡 中性脂肪(トリグリセリド) —— 高すぎるとLDLを小型化させ、より血管に入りやすくなる

「LDLが高い + HDLが低い」が最もリスクが高い状態です。


脂質異常症の診断基準

  • 🔴 LDL140 mg/dL → 高LDLコレステロール血症
  • 🟢 HDL40 mg/dL → 低HDLコレステロール血症
  • 🟡 中性脂肪(空腹時)150 mg/dL → 高トリグリセリド血症

どれか1つでも当てはまれば「脂質異常症」です。ただし、LDLの管理目標値は人によって違います。心筋梗塞や糖尿病などがある方は、より低く管理します。


動脈硬化が起きるしくみ

  1. 血液中のLDLが血管の壁に入り込む
  2. LDLが酸化されて「酸化LDL」になる
  3. 免疫細胞が酸化LDLを食べて「泡沫細胞」に
  4. 泡沫細胞がたまって「プラーク(こぶ)」ができる
  5. プラークが破れると「血栓」ができて血管がつまる

心筋梗塞・脳梗塞に!
このプロセスは数十年かけて静かに進みます。だからこそ、早いうちからのコントロールが大切です。


今日からできる脂質改善のコツ

  • 🥬 食物繊維を増やす —— 野菜・海藻・きのこがコレステロールの吸収を抑える
  • 🐟 青魚を食べる —— EPA・DHAが中性脂肪を下げる
  • 🍰 甘いもの・お酒を控える —— 中性脂肪が上がりやすい
  • 🚶 有酸素運動 —— 歩くだけでもHDL(善玉)が増える
  • 🚬 禁煙 —— 喫煙はHDLを下げ、LDLの酸化を促進

薬物療法では、スタチン(コレステロールを下げる薬)に動脈硬化の進行を抑える豊富なエビデンスがあります。


まとめ:今日のポイント

  1. LDL(悪玉)が高いと動脈硬化が進む
  2. HDL(善玉)が低いのも危険
  3. 脂質異常症は自覚症状がないまま血管を傷つける
  4. LDLの管理目標はリスクに応じて個別に設定される
  5. 食事・運動・お薬で脂質は改善できる

コレステロールの薬を続けている方、それは「将来の自分」を守る行動です。動脈硬化の進行を防ぎ、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを下げ続けています。
「コレステロールの薬、一生飲まなきゃダメ?」という質問をよくいただきます。動脈硬化は進行を止めることはできても、完全に元に戻すのは難しい病気です。だからこそ、早いうちからのコントロールが大切。自己判断で中断せず、気になる点は医師・薬剤師にご相談ください。


次回は 🫀「肥満症 〜体重3%減が心臓を守る〜」をお届けします。お楽しみに!


シリーズ「もっと詳しく!循環器のはなし」
発信:こはく堂薬局(薬剤師)
参照:日本循環器協会認定「循環器病エキスパートアドバイザー」 eラーニング
※ 診断・治療については、必ず医療機関にご相談ください

2026-05-14 07:00:00

第3回:腎臓と心臓の意外なつながり(CKD)

腎臓と心臓の意外なつながり(CKD)

こはく堂薬局|もっと詳しく!循環器のはなし Vol.3


「腎臓」と「心臓」——一見関係なさそうな2つの臓器ですが、実はとても深く関わり合っています。
腎臓が悪くなると心臓に負担がかかり、心臓が悪くなると腎臓の働きも低下する。
この悪循環を「心腎連関」と呼びます。

心腎連関
心腎連関

CKD(慢性腎臓病)とは?

CKDは、腎臓の働きが低下している、または尿検査などで腎臓の異常が見つかる状態が3か月以上続くものをいいます。
以前は成人の約8人に1人と言われてきましたが、最近はさらに多い可能性も示されています。
しかも初期にはほとんど自覚症状がありません
主な原因は、糖尿病・高血圧・慢性糸球体腎炎です。

CKD

心腎連関——お互いを苦しめる悪循環

心臓が悪くなると…

腎臓へ送られる血液が減り、腎機能が低下しやすくなります。

心不全と腎機能

腎臓が悪くなると…

水分や塩分がたまりやすくなり、心臓に負担がかかります。
さらに貧血やミネラルバランスの異常も重なり、心臓はさらに弱りやすくなります。
CKDでは、心血管疾患が大きなリスクになります。

CKDと心臓

健診で見るべき数値

eGFR 60未満で腎機能低下の可能性、尿たんぱく陽性は腎臓が傷んでいるサインです。
健診結果の「eGFR」と「尿たんぱく」、ちゃんと見ていますか?

eGFR

CKDを防ぐ・進行を遅らせるために

  • 血圧を管理する —— 高血圧は腎臓にも心臓にも負担
  • 血糖を管理する —— 糖尿病はCKDの大きな原因
  • 減塩する —— 食塩は1日6g未満が目標
  • 薬をきちんと使う —— 腎臓や心臓を守る薬が使われることがあります
  • 禁煙する —— 喫煙はCKDや動脈硬化を進めます

早期発見・早期対応が、進行予防のカギです。

CKD予防

まとめ:今日のポイント

  1. CKDはとても身近な病気
  2. 腎臓と心臓はお互いに影響し合う(心腎連関)
  3. CKDでは心血管疾患が大きなリスク
  4. eGFR尿たんぱくが早期発見のヒント
  5. 血圧管理・血糖管理・減塩で進行を遅らせることが大切
まとめ

もし今、血圧や血糖のお薬をきちんと飲み続けている方へ:
それは腎臓も守っていることになります
血圧・血糖のコントロールは、心臓と腎臓の両方を守る大切な取り組みです。

腎臓は「沈黙の臓器」。悪くなっても初期は気づきにくいものです。
健康診断を受けたら、「eGFR」と「尿たんぱく」をぜひチェックしてみてください。
気になる数値があれば、薬局でもお気軽にご相談ください。


次回は 🫀「コレステロール、なぜ怖い?(脂質異常症)」をお届けします。お楽しみに!


シリーズ「もっと詳しく!循環器のはなし」
発信:こはく堂薬局(薬剤師)
参照:日本循環器協会認定「循環器病エキスパートアドバイザー」 eラーニング
※ 診断・治療については、必ず医療機関にご相談ください

2026-05-13 07:00:00

第2回:糖尿病 〜血糖値と心臓の深い関係〜

糖尿病 〜血糖値と心臓の深い関係〜

こはく堂薬局|もっと詳しく!循環器のはなし Vol.2


「糖尿病」と「心臓の病気」、関係あるの?
そう思われる方も多いかもしれません。でも実は、糖尿病は心筋梗塞・脳卒中・心不全のリスクを高めます。しかも、糖尿病と診断される前の予備群や血糖高めの段階でも、すでに動脈硬化や心血管リスクは高まり始めています。
今回は、糖尿病と循環器病の深いつながりを見ていきましょう。

糖尿病と心臓

糖尿病ってどんな病気?

糖尿病は、ひとことで言うと「インスリンの働きがうまくいかない病気」です。
食事をすると血糖値が上がりますが、通常はすい臓からインスリンが出て、血糖を下げてくれます。
このインスリンが「出にくい」または「効きにくい」状態が続くと、血糖値が高いままになります。
日本では、糖尿病の多くが2型糖尿病(生活習慣や体質が関係するタイプ)です。

インスリン

高血糖が心臓を傷つける3つのルート

糖尿病は「血糖の病気」のイメージが強いかもしれませんが、実は血管と心臓の病気でもあります。

① 大きな血管の動脈硬化

心筋梗塞、脳卒中、末梢動脈疾患のリスクが上がります。

② 細い血管のダメージ

腎症・網膜症・神経障害といった、いわゆる「三大合併症」の原因になります。

③ 心臓そのものへの影響

心不全や不整脈のリスクも上昇します。
糖尿病は、「血管の病気」であり、「心臓の病気にも深く関わる」ものなのです。

高血糖と血管

健診で見るべき数値

糖尿病が疑われる主な数値

  • 空腹時血糖 126 mg/dL以上
  • 随時血糖 200 mg/dL以上
  • HbA1c 6.5%以上

要注意の目安

  • HbA1c 5.6%以上
  • 空腹時血糖 110〜125 mg/dL

特に HbA1c 6.0〜6.4% は要注意。糖尿病の一歩手前ですが、この時点ですでに心血管リスクは高まり始めています。
健診結果のHbA1c、最近見ていますか?

HbA1c

血糖コントロールの目標

一般的な目標はHbA1c 7.0%未満です。
より良好なコントロールを目指せる場合は6.0%未満、低血糖のリスクが高い場合は8.0%未満を目安に、個別に調整します。
特に高齢者では、認知機能やADL、低血糖リスクを考えて目標を決めます。
大切なのは、下げすぎず、無理しすぎず、続けられる血糖管理です。

血糖コントロール

まとめ:今日のポイント

  1. 糖尿病は心筋梗塞・脳卒中・心不全のリスクを高める
  2. 予備群や血糖高めの段階から心血管リスクは上がり始める
  3. HbA1c 6.5%以上は糖尿病が疑われる目安、5.6%以上は要注意
  4. 血糖コントロールは大切だが、下げすぎにも注意
  5. 治療を続けることが合併症予防につながる
まとめ

治療を続けているあなたへ

糖尿病の治療を続けるのは、簡単なことではありません。
食事に気をつけ、お薬を飲み、定期的に受診する——その続けている努力は、確実に血管を守っています。自信を持ってください。

一方で、飲み忘れや受診の中断はありませんか?
受診や治療を中断すると、血糖だけでなく、血管合併症のリスクも高まります。
お薬の飲み方や副作用が気になったら、薬局でお気軽にご相談ください。


次回は 🫀「腎臓と心臓の意外なつながり(CKD)」をお届けします。お楽しみに!


シリーズ「もっと詳しく!循環器のはなし」
発信:こはく堂薬局(薬剤師)
参照:日本循環器協会認定「循環器病エキスパートアドバイザー」 eラーニング
※ 診断・治療については、必ず医療機関にご相談ください

2026-05-12 14:00:00

第1回:高血圧 〜"沈黙の殺し屋"の正体〜

高血圧 〜“沈黙の殺し屋”の正体〜

こはく堂薬局|もっと詳しく!循環器のはなし Vol.1


 

「血圧が高い」と言われたこと、ありませんか?
日本人の約4,300万人が高血圧と推定されています。 でも、きちんと治療できている人はわずか3割ほど
「ちょっと高いくらいなら大丈夫」……本当にそうでしょうか?
今回は、高血圧が 「サイレントキラー(沈黙の殺し屋)」 と呼ばれる理由を、わかりやすくお伝えします。

高血圧イメージ

なぜ「沈黙の殺し屋」なの?

 

高血圧の最大の怖さは、 自覚症状がほとんどないことです。
血圧が高い状態が続いても、痛みも苦しみも感じません。 でもその間、血管は静かに傷つき続けています。

 


そしてある日突然、重大な病気を引き起こす——。

  • 自覚症状がほとんどないのに、 高い血圧が血管を傷つけている
  • 放っておくと動脈硬化が進む ——血管が硬く、狭くなっていく
  • ある日突然、重大な病気を引き起こす ——心筋梗塞、脳卒中、心不全、腎不全…

だから「サイレントキラー」と呼ばれるのです。

サイレントキラー

 

血圧の目標値、知っていますか?

 

現在のガイドラインでは、 治療目標は以下のようになっています。

 

  • 🏥 診察室血圧 130/80 mmHg 未満
  • 🏠 家庭血圧 125/75 mmHg 未満

 

実は、病院で測るよりも 家で測る血圧のほうが大切
診察室では緊張して高くなる (「白衣高血圧」)ことがあるからです。
おうちでの血圧測定、始めてみませんか?

家庭血圧

高血圧を放置すると、どうなる?

高血圧は、ほぼすべての循環器病に関わっています。

     

  • 🫀 心筋梗塞・狭心症
    —— 心臓の血管がつまる
  • 🧠 脳卒中
    —— 脳の血管が破れる・つまる
  • 💔 心不全
    —— 心臓に負担がかかり続け、ポンプ機能が低下
  • 🪶 慢性腎臓病(CKD)
    —— 腎臓の細い血管がダメージを受ける
  • 🔴 大動脈瘤・大動脈解離
    —— 大きな血管が膨らむ・裂ける

 

「ちょっと血圧が高いくらい」が、 実はこれだけのリスクを抱えているんです。

高血圧のリスク

今日からできる血圧対策

 

実は、生活習慣の改善で血圧は下げられます。

 

🧂 減塩

  • 1日の食塩目標は6g未満
  • みそ汁を1日1杯に、漬物を減らす

 

🥬 野菜・果物を増やす

  • カリウムが塩分の排出を助ける

 

🚶 適度な運動

  • 1日30分のウォーキングでOK

 

🍺 お酒はほどほどに

  • 飲みすぎは血圧を上げる

 

🚬 禁煙

  • たった1本でも血圧を急上昇させる

 

💡 「朝活血圧」のすすめ

  • 朝の血圧を毎日測る習慣をつけましょう
  • 就寝前と起床後の2回測定がおすすめです
家庭血圧測定

まとめ:今日のポイント

  1. 高血圧は自覚症状がないのに 血管を傷つけ続ける
  2. 血圧目標は 130/80未満 (家庭では125/75未満)
  3. 放置すると 心筋梗塞・脳卒中・心不全 のリスクが上がる
  4. 減塩・運動・禁煙 で血圧は下げられる
  5. 家庭で毎日測る ことが予防の第一歩
まとめ

治療を続けているあなたへ

 

もし今、血圧のお薬をきちんと飲み続けている方がいらっしゃったら
—— それは、とても大切なことを続けられている ということです。

自分では当たり前に感じるかもしれませんが、 毎日の服薬が血管を守り続けています。👏

 

「血圧の薬を飲んでいるけど、下がったからやめていい?」 という質問をいただくことがあります。
自己判断でやめるのはとても危険です。
血圧の薬は 「下げるため」だけでなく、 「血管を守るため」に飲み続けているもの。
やめると血圧がリバウンドで急上昇し、 脳卒中や心筋梗塞の引き金になることがあります。

 

お薬のことで気になることがあれば、 お気軽に薬局でご相談ください。


次回は 🫀 「糖尿病 〜血糖値と心臓の深い関係〜」 をお届けします。お楽しみに!


シリーズ「もっと詳しく!循環器のはなし」
発信:こはく堂薬局(薬剤師)
参照:日本循環器協会認定「循環器病エキスパートアドバイザー」 eラーニング
※ 診断・治療については、必ず医療機関にご相談ください
2026-05-12 09:00:00

第10回:もしもの時に備えて!医療費や社会支援の制度(最終回)

もしもの時に備えて!医療費や社会支援の制度

こはく堂薬局|知っておきたい!循環器のはなし Vol.10(最終回)


循環器病になった時、こんな不安はありませんか?

  • 入院費や手術代、いくらかかるの?
  • 仕事を休んだら、収入はどうなる?
  • 退院後の生活、サポートはあるの?

実は、使える制度はたくさんあります。


① 高額療養費制度

1ヶ月の医療費が自己負担限度額を超えた分が戻る制度。

例:医療費100万円 → 自己負担 約8〜9万円

💡 限度額適用認定証で窓口負担軽減

参考:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/juuyou/kougakuiryou/index.html


② 傷病手当金(会社員向け)

4日以上休むと給与の約2/3支給

  • 最長1年6ヶ月
  • 健康保険から支給

⚠️ 国保は対象外


③ 障害年金

後遺症で生活に支障がある場合に対象

  • ペースメーカー・ICD
  • 心不全
  • 脳卒中後遺症

💡 原則:初診から1年6ヶ月後


④ 介護保険・障害者手帳

介護保険

  • 訪問看護・デイサービス
  • 福祉用具レンタル

身体障害者手帳

  • ペースメーカー → 等級対象
  • 医療費助成・税控除

💡 市区町村で相談


まとめ:今日のポイント

  1. 医療費は制度で軽減できる
  2. 収入補償制度がある
  3. 後遺症でも支援あり
  4. 福祉制度も活用できる

最後に

制度は「知っているかどうか」で差が出ます。
困ったときは医療機関・薬局にご相談ください。

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