お薬手帳活用術(1)
薬剤師としては、健康に関する記録手帳として、お薬手帳をどんどん活用してほしいと思っています。
飲んでいる薬だけでなく、症状や予防接種の記録など。
そこで、お薬手帳を活用していただくための方法を少しずつご紹介できればと思います。
(1)基本情報の管理
お薬手帳の大切な機能の一つに、「基本情報の管理」があります。これは、治療や服薬の時に注意すべき点などをまとめておくものです。基本的には、以下のような項目があります(お薬手帳の表紙見返しのページにこのような欄が設けられていることが多いです)。普段からご記入いただいておくと、必要な時に確認ができるので、非常に重要です。
上記のテンプレートは、次のような時に使えると思います。
・お薬手帳を持っていない方(お持ちのノートに貼っていただくと、お薬手帳としてご使用いただけます)
・お薬手帳がいっぱいになったため新しい手帳に情報を繰り越す方
よろしければ、ご活用ください。
お手持ちのお薬手帳にも、基本情報の欄がありますので、ぜひご確認ください。普段からご記入いただくと、いざというときに役に立ちます。
参考)
こはく堂薬局ホームページ内の記事
処方せん調剤/服薬指導 :上記のテンプレートの pdf ファイルを公開しています
処方せん調剤/お薬手帳 :お薬手帳や電子お薬手帳のことを説明しています
【諫早市】小中学生の福祉医療費助成制度
諫早市では、平成28年8月1日より、小中学生の福祉医療費助成制度が始まります。
制度の対象となるのは、平成28年8月1日移行で、諫早市に住所がある小学生又は中学生の方が対象となります。助成を受けるには、申請が必要です。
※申請は平成29年3月31日までですので、忘れずにお願いします※
この制度を利用することで、院外処方せんにもとづき、保険薬局でお渡しする医療用医薬品については、自己負担金額が0円になります(保険対象外の品目は、自己負担となります)。
給付は、「償還払い」ですので、いったん、窓口で自己負担をお願いしますが、後日、市に福祉医療費支給申請書を申請していただくと、金額が振り込まれます。
薬局では、証明書を記入しますので、お申し付けください。
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(説明)給付の方法は以下の二通りがあります。方法によって、支払方法が異なります。
「現物給付」窓口での現金支払いが不要(病院・診療所では一定額までの負担は必要)【未就学児はこちら】
「償還払い」いったん窓口で支払い、後日、申請をすることで、返還を受けることができる【小・中学生はこちら】
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参考)
諫早市公式子育てネット (HTML)
・小中学生の医療費の助成について (HTML)
・こども医療費助成制度 Q&A (HTML)
こちらもご参照ください。
夜間・休日の急な症状に困ったら、
#8000
に電話すると、お住いの都道府県の相談窓口に転送され、小児科医師・看護婦からアドバイスをうけられます。
長崎県では、19:00~翌朝8:00(平日・休日ともに)まで実施されています。
情報元)
厚生労働省:「小児救急電話相談事業について」(HTML)
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【大事なお知らせ】
福祉医療費助成制度は、2022年10月に変更になりました。最新の情報をご確認ください!!
医療情報のススメ:週刊誌をどう読む?
「この薬は飲んではいけない!」
こんなセンセーショナルな見出し、見かけたことはありませんか?
週刊誌でも、治療のことを取り上げられる機会が多くあります。
見出しだけではなく、ぜひ、その記事を読んでください!
いち薬剤師としては、このように感じています。
というのも、記事を読んでみると、
○○という効果はあるが、
○○という場合には、その効果はあまり期待されない
というように、良悪両面のことをきちんと書いていることが多いからです。
医師は、治療法のメリット・デメリットを天秤にかけて、治療法を選択しています。
その記事のことを質問したら、良い医師は、あなたの場合は、こういう理由で、この治療法を選んでいると、きちんと説明してくれると思います。
もちろん、我々コメディカルも、説明します。
ただ、
ご自身の健康のことに関心を払っていただきたいので、このような記事はぜひ読んでください、と思っています。
そのうえで、してほしいこと、してほしくないことがあります。
【してほしいこと】
・「薬を減らすために、私はどんなことを心がけたらよいですか?」と尋ねてください。
医師は、最低限の薬を使用して、治療しようとしています。
病気の治療法には、医師が行う処置(手術など)、薬物治療に加えて、生活習慣の改善(運動療法、栄養療法)がカギとなります。生活習慣の改善は、病気の改善のために、非常に重要です。そのうえで、病気の経過がよければ、様子を見ながら、減薬が検討されます。
【してほしくないこと】
・勝手に服薬を中断する
・他の人に薬をあげる
気になる記事などがありましたら、ぜひ、ご持参ください。
少しでも疑問の解決のお手伝いができれば幸いですし、我々の勉強にもなりますので。
医療情報に惑わされるのではなく、使いこなす方法、一緒に考えていきましょう。
【諌早市】子どもさんの医療費助成制度
諌早市では、2016年8月1日から小中学生の医療費の助成制度が変わり、補助の範囲が広がりました。(諫早市政だより2016年6月号6ページに掲載されています)
改めて、子供さんの医療費の助成制度のことをお伝えします。
①この医療費の助成制度は、行政サービスから行われます。
お住いの地域によって、適用範囲が異なります。また、医療機関がある地域によっても、異なります。ただし、ご加入の医療保険による違いはありません。
(ここでは、諫早市の制度をご案内します。)
②子どもさんの医療費支給制度は、年齢によって異なります。
小学校就学前の乳幼児
→ 乳幼児福祉医療費支給制度
小・中学生
→ 子ども(小・中学生)福祉医療費支給制度
このほか、ひとり親家庭等の医療費給付制度などもありますが、ここでは、以上の二つについて紹介します。
③給付方法には二種類があります。
「償還払い」
医療機関では、診療や投薬を受けた後、一旦、一部負担金をお支払いください。
翌月以降に、支払った医療費(複数回医療機関にかかった場合は、同月の分をまとめて)を市役所に申請します。(領収書の添付で申請できますが、証明書の発行や用紙の記入等、お手伝いできますので、ご相談ください) ※申請には5年の期限がありますのでお気を付けください
後日、申請に基づき、助成額が振り込まれます。
「現物給付」
医療機関では、定められた負担金、もしくは、医療保険対象外の支払いのみをお願いします。後日、医療機関から、行政へ申請し、給付をうけます。
※このため、医療機関では、医療費の証明書の提示をお願いします。
④それぞれの支給制度の給付方法
基本的には、以下の通りです。
乳幼児福祉医療費支給制度 → → → 現物給付
子ども(小・中学生)福祉医療費支給制度 → 償還払い
ただし、乳幼児福祉医療費支給制度では、長崎県外の医療機関を受診した場合など、現物給付ができない場合があります。この場合は、償還払いですので、ご自身で申請すると助成を受給できます。
以上です。
せっかくの制度、ぜひ、有効にご活用ください。
ご不明な点は、窓口でお問い合わせください。
夏にご用心:湿布薬と日光
多雨のあとの高湿な暑さの後も、各地では夏日が記録されているようですが、いかがお過ごしでしょうか。
熱い時に、まず心配なのが熱中症です。
熱中症予防のポイントは、やはりこれです。
・体温を下げる工夫(涼しい恰好、日陰、日傘・帽子)
・早め、かつ、こまめな水分補給
暑い時には、薬のことでも、気を付けていただきたいことがあります。
それが、本タイトルの 湿布薬 のことです。
中には、湿布薬に「かぶれる」かたもいらっしゃいますが、それには、2種類があります。
・接触性皮膚炎・・・湿布薬の成分(有効成分だけでなく添加物も)に触れることでかぶれている
・光接触性皮膚炎・・・かぶれの原因物質と光があわさることで、かぶれを起こしている
接触性皮膚炎の原因は、有効成分だけではなく、添加物もその原因になることがあります。そのため、有効成分は同一であっても、先発医薬品や後発医薬品の中でも、かぶれ(接触性皮膚炎)の発生頻度は異なるのは、そのためです。
光接触性皮膚炎とは、紫外線を浴びることで、①原因物質を介して活性酸素種が発生し、細胞を障害する場合や、②原因物質が変化することで、免疫反応が引き起こされた結果として、皮膚炎を起こす場合があります。後者は、微量であっても起こると言われています。
湿布薬の一部には、この光接触性皮膚炎に特に注意しなければいけないものがあります。ドラッグストアなどで市販されている一般用医薬品でも、光接触性皮膚炎に注意が必要な湿布薬もあります。
特に、「ケトプロフェン」という成分を含む湿布薬には注意が必要です。
光接触性皮膚炎の概念図
春から夏にかけて、紫外線量も増加してくるため、これからの季節は特に注意が必要です。
「日最大UVインデックス(観測値)の年間推移グラフ」測定地点:那覇
(●は2016年の観測値、細実線は1991年から2015年までの累年平均値)
出典:気象庁ホームページ (URL)
では、その対策として、どうしたらよいでしょうか?
最も大切なことは、
湿布薬を貼った場所を、紫外線にあてないようにすること です。
○はがした後にも注意
皮膚には、湿布薬の成分が残っています。『夜貼っていたがはがしたから、もう大丈夫』ではありません。使用後、4週間は注意してください。
○曇りの日にも注意
光接触性皮膚炎は、紫外線の中の UVA (長波長紫外線)が原因と言われています。これは、透過力が強く、曇りの日にも照射量が多いと言われています。曇りの日やガラス越しの照射にもご注意ください。
では、紫外線にあてないようにするにはどのような点に注意したらよいでしょうか。
○物理的に防御
濃い色の衣服・帽子を身に着けたり、貼付部位をサポーターで覆いましょう。
○日焼け止め
日焼け止めの表示項目をご確認ください。「PA+++」のものをご使用ください。
PA とは、UVA の防止効果を示すもので、PA+++ は、非常に防止効果がある、と言えます。
※ただし、湿布薬の成分で光接触性皮膚炎を起こす人の中には、「オキシベンゾン」など、日焼け止めの成分でも同様の症状が起きる場合があります。光接触性皮膚炎を起こしやすい方には、『紫外線吸収剤不使用』『ケミカルフリー』『ノンケミカル』と表記された日焼け止めの使用をおすすめします。このように書いてある製品は、皮膚炎の原因となる物質を含まないため、安心して使用していただけます。
◇もし変だなと思ったら、、、
発疹・発赤・かゆみ・刺激感といった症状が現れた場合、すぐに使用を中止し、紫外線が当たらないように患部を覆って、皮膚科を受診してください。
◇こんな方は、ご注意ください
湿布薬で光線過敏症が起きたことがあるかたは、内服薬でも注意が必要なものがあります(代表例:一部の抗生剤や一部の利尿剤)。湿布薬のことだから飲み薬には関係ないだろうとは思わずに、必ず、病院や薬局で、過去に皮膚が赤くなったことなどを、伝えてください。
・これまでに、内服薬や湿布薬などを使用後に、皮膚が赤くなった、腫れた、痒くなった、ピリピリ痛くなったなどの症状を経験したことがある方
・化粧品、日焼け止め、香水などにかぶれたことがある方
・屋外で活動(スポーツ・作業など)をする方
以上に該当する方は、湿布薬と紫外線に、特に注意が必要です。
◇まとめ
痛み止めの外用薬を使う方は、使用部位を紫外線にあてないようにしてください。
湿布薬(テープ剤をふくむ)だけでなく、塗り薬(軟膏、ゲル、クリーム)も注意が必要です。
それでは、対策ばっちりで、夏を乗り切りましょう!