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第6回:狭心症・心筋梗塞をもっと詳しく
狭心症・心筋梗塞をもっと詳しく
こはく堂薬局|もっと詳しく!循環器のはなし Vol.6
突然の胸の痛み——それは心臓のSOSかもしれません。
「狭心症」と「心筋梗塞」は、どちらも心臓を養う血管(冠動脈)の流れが悪くなる病気です。
冠動脈が狭くなって血流が不足するのが狭心症、血栓でつまって血流が止まるのが心筋梗塞。これらはまとめて虚血性心疾患と呼ばれます。
狭心症と心筋梗塞、何が違う?
💛 狭心症
- 冠動脈が狭くなり、心臓の血流が一時的に不足
- 胸が締めつけられる・圧迫される感じ
- 数分で治まることが多い
- 心臓の筋肉は、まだ壊れていない
🔴 心筋梗塞
- 冠動脈が血栓でつまる
- 強い胸痛や圧迫感が20分以上続くことがある
- 冷や汗・吐き気・息苦しさを伴うことも
- 心臓の筋肉が壊れ始める
狭心症の中には、心筋梗塞につながりやすいタイプもあります。
なぜ冠動脈がつまるの?
- 動脈硬化で血管の壁にプラークがたまる
- プラークが破れる
- そこに血栓(血のかたまり)ができる
- 血管が急につまる → 心筋梗塞
プラークを育てる主な原因は、高血圧・糖尿病・脂質異常症・喫煙・肥満。つまり、生活習慣病がそのまま心筋梗塞のリスクにつながっています。
こんな症状が出たら、すぐに119番!
- 🔴 胸の真ん中が締めつけられる、押しつぶされるように痛い
- 🔴 痛みや圧迫感が20分以上続く
- 🔴 冷や汗・吐き気・息苦しさがある
- 🔴 痛みが左腕・肩・あご・背中・みぞおちに広がる
- 🔴 安静にしてもよくならない
高齢の方や糖尿病のある方では、典型的な強い胸痛が目立たないこともあります。
「いつもの胸痛と違う」「何かおかしい」と思ったら、迷わず119番を。
治療のポイント
心筋梗塞の治療は、できるだけ早く血流を再開することが最も重要です。
- 🏥 カテーテル治療(PCI) —— つまった血管を広げて血流を再開する重要な治療
- 🔧 バイパス手術(CABG) —— 病変が複雑な場合や複数の血管に問題がある場合に行われることがある
- 💊 再発予防の薬 —— 抗血小板薬、コレステロールを下げる薬、血圧や心臓の負担を抑える薬など
治療後も、薬を続けることと生活習慣の見直しが大切です。
まとめ:今日のポイント
- 狭心症は冠動脈が狭くなる、心筋梗塞はつまる
- 背景には動脈硬化と血栓がある
- 胸痛が続く、冷や汗、吐き気、息苦しさがあれば要注意
- 心筋梗塞は1分でも早い治療が大切
- 高血圧・糖尿病・脂質異常症の管理と禁煙が最大の予防策
生活習慣病の治療を続けている方——それは、心筋梗塞を防ぐために最も大切なことをしています。
血圧や血糖、コレステロールの管理を続けることが、動脈硬化の進行を抑える最大の予防策です。
心筋梗塞は「時間との勝負」です。
治療が早いほど、心臓のダメージを減らせる可能性があります。
「もしかして心臓かも」と思ったら、ためらわず119番を。
次回は 🫀「心不全を深く知ろう」をお届けします。お楽しみに!
シリーズ「もっと詳しく!循環器のはなし」
発信:こはく堂薬局(薬剤師)
参照:日本循環器協会認定「循環器病エキスパートアドバイザー」 eラーニング
※ 診断・治療については、必ず医療機関にご相談ください
第5回:肥満症 〜体重3%減が心臓を守る〜
肥満症 〜体重3%減が心臓を守る〜
こはく堂薬局|もっと詳しく!循環器のはなし Vol.5
「ちょっと太っただけ」……本当に大丈夫でしょうか?
肥満は単に「見た目の問題」ではありません。
肥満が高血圧・糖尿病・脂質異常症を引き起こし、その結果、心筋梗塞・脳卒中・心不全のリスクが上がります。
つまり肥満は、循環器病の入口にもなりうるのです。
「肥満」と「肥満症」は違う
- 「肥満」=BMI 25以上の状態。それだけで病気とは限りません
-
「肥満症」=BMI 25以上で、肥満に関連する健康障害がある、または内臓脂肪が多く将来の健康障害が心配される状態
→ 減量などの治療が必要な病気
BMIの計算:体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)
例)身長160cm・体重70kg → 70 ÷ 1.6 ÷ 1.6 = BMI 27.3(肥満)
怖いのは「内臓脂肪」
内臓脂肪は、お腹の中の臓器のまわりにつく脂肪です。
この脂肪が増えると、体の中でさまざまな悪影響が起こります。
- 血圧が上がりやすくなる
- 血糖を下げる力が弱くなる
- 中性脂肪やコレステロールの異常につながる
- 動脈硬化を進めやすくなる
見た目ではわかりにくくても、お腹まわりに脂肪がたまっていることがあります。
体重3%減でも変わる!
肥満症の治療目標は、いきなり標準体重を目指すことではありません。
- BMI 25〜35では、まず現体重の3%以上の減量
- 高度肥満症では5〜10%の減量が目安
例えば体重80kgの人なら、3%減=約2.4kg減。
たったこれだけでも、血圧・血糖・中性脂肪・肝機能の改善が期待できます。
大切なのは、「いきなり理想体重を目指す」ことではなく、まず少し減らすこと。
小さな目標でも、心臓や血管には意味があります。
今日からできる肥満症対策
🍽️ 食事
- まずは間食・甘い飲み物を減らす
- 食べる順番や早食いを見直す
- 無理な制限より、続けられる工夫を
🚶 運動
- まずは今より10分多く動くでもOK
- 早歩きや階段など、日常の活動量を増やす
😴 睡眠
- 睡眠不足は食欲の乱れや食べ過ぎにつながりやすい
- 「夜更かしを減らす」ことも立派な対策
大切なのは、完璧なダイエットより、続けられる小さな変化です。
まとめ:今日のポイント
- 肥満症は、治療が必要な病気
- 特に問題なのは内臓脂肪
- 体重3%減でも、血圧・血糖・脂質の改善が期待できる
- いきなり標準体重を目指さなくていい
- 食事・運動・睡眠の小さな変化を続けることが大切
すでに食事や運動に気をつけている方、その小さな努力は、確実に体に良い影響を与えています。
完璧でなくても、続けているだけで素晴らしいことです。
気になる体重増加、まずは生活習慣の見直しから。
最近は肥満症の治療薬も進歩しています。
気になる方は、自己判断せず専門の診療科に相談しましょう。
食事や運動の工夫は、薬局でもご相談いただけます。
次回は 🫀「狭心症・心筋梗塞をもっと詳しく」をお届けします。お楽しみに!
シリーズ「もっと詳しく!循環器のはなし」
発信:こはく堂薬局(薬剤師)
参照:日本循環器協会認定「循環器病エキスパートアドバイザー」 eラーニング
※ 診断・治療については、必ず医療機関にご相談ください
おくすり Q&A/食間の薬
💊 食間に飲む薬とは?
「食間(しょっかん)」は、
食事と食事の間=空腹の時間に飲む薬のことです。
「食事中に飲む」という意味ではありません。
一般的な目安は次の通りです。
- 食後2時間くらいたった頃
- もしくは 食前(次の食事)の30分以上前
(=胃の中に食べ物があまり残っていない状態)
どうして食間に飲むの?(理由)
食間指定には、主にこうした理由があります。
- 食べ物と一緒だと吸収が落ちる/効き方が弱くなることがある
- 食べ物(特にカルシウム・鉄・マグネシウムなど)とくっついて吸収されにくくなる薬がある
- 胃酸や胃の動きの影響を減らし、効果を安定させたい薬がある
どうやって飲む?(基本の飲み方)
- 基本は 水またはぬるま湯でのみましょう
- 「食間」指示がある薬は、牛乳・ヨーグルト・栄養ドリンクなどで一緒に飲むと影響が出ることがあります(薬による)
- ほかの薬やサプリを同時に飲む場合は、間隔を空ける必要がある薬があります(後述)
こんなときどうする?(よくある困りごと)
食間のタイミングが作れない(食事が不規則)
まずは「空腹の時間に寄せる」意識でOKなことが多いです
どうしても難しい場合は、薬局で“自分の生活リズムに合う飲み方”を相談してください(薬によって調整方法が変わります)
食間の薬を食後に飲んでしまった
追加で飲み直さず、次回から正しいタイミングに戻すのが基本になることが多いです
ただし薬により対応が変わるため、不安なら薬局へ
※このページは一般的な情報です。
飲むタイミングは薬ごとに異なるため、最終的には医師・薬剤師の指示を優先してください。
おくすり Q&A/食後・食間・食前の違い
💊 食後・食前・食間とは?
まず結論(迷ったらここ)
- 食後:食事のあと(目安:食後30分以内)
- 食前:食事の前(目安:食事の20〜30分前)
- 食間:食事と食事の間=「空腹時」(目安:食後2時間くらい、次の食事の直前ではない)
「食間」は“食事中”ではありません。
よくある勘違いポイントです。
それぞれ、なぜ時間が決まっているの?
食後に飲む理由(食後薬)
- 胃を荒らしやすい薬を、食べ物と一緒にとって胃の負担を減らすため
- 食事をきっかけにして飲み忘れを減らすため
- 食事の影響で吸収が安定する(薬によっては食後の方が効きやすい/副作用が出にくい)
食前に飲む理由(食前薬)
- 食前に飲むことで効き方が良くなる薬がある
- 食後に飲むと吸収が落ちる薬がある
- 食事の直前に飲むことで、食事とタイミングを合わせる必要がある(例:食事と関係する作用)
食間に飲む理由(食間薬)
- 食べ物と一緒だと吸収が落ちる/効き方が変わる薬がある
- 空腹時の方が目的の効果を得やすい薬がある
⏰ 目安の時間(ざっくり早見表)
- 食後:食べ終わってから 〜30分
- 食前:食べ始める 20〜30分前
- 食間:食べ終わってから 2時間くらい(=胃の中が空っぽに近い状態)
食事の時間が不規則な日は、
「食間」は“空腹の時間”を意識すると分かりやすいです。
無理に「次の食事の直前」に合わせる必要はありません。
❓ よくあるQ&A
食後って、1時間たっても飲んでいい?
「食後」の薬であれば、基本はOKなことが多いです。
ただし薬によっては指示が厳密な場合があるので、毎回ズレるなら薬局で確認が安心です。
食直後の薬は、事前に相談してください。
食前を忘れて、食後になってしまった…どうする?
薬によって対応が変わります。
自己判断で2回分まとめて飲むのはNG。
次の飲み方を薬局に相談してください。
食間の薬、食事中に飲んじゃった…
気づいた時点で、まずは追加で飲まずに薬局へ。
同じ薬でも「少しくらいなら問題ない」ケースと「間隔を空け直す」ケースがあります。
💬 相談してほしいサイン
- 「この薬、いつ飲めばいい?」が毎回あいまい
- 食事の時間が日によってバラバラ
- 胃が痛い/吐き気がある
- 飲み忘れが続いている
※このページは一般的な目安です。
処方内容や体調によって最適なタイミングは変わるため、最終的には処方した医師・薬剤師の指示を優先してください。
第4回:コレステロール、なぜ怖い?(脂質異常症)
コレステロール、なぜ怖い?(脂質異常症)
こはく堂薬局|もっと詳しく!循環器のはなし Vol.4
健診で「コレステロールが高い」と言われたこと、ありませんか?
「でも別に症状ないし…」と放置している方、実は多いのではないでしょうか。脂質異常症も高血圧と同じく、自覚症状がほとんどないまま、血管の中でじわじわと動脈硬化を進めています。
コレステロールの種類を知ろう
コレステロールには「良い」ものと「悪い」ものがあります。
- 🔴 LDLコレステロール(悪玉) —— 血管の壁にたまって動脈硬化を進める。多すぎると危険
- 🟢 HDLコレステロール(善玉) —— 血管の壁からコレステロールを回収してくれる。少なすぎると危険
- 🟡 中性脂肪(トリグリセリド) —— 高すぎるとLDLを小型化させ、より血管に入りやすくなる
「LDLが高い + HDLが低い」が最もリスクが高い状態です。
脂質異常症の診断基準
- 🔴 LDL ≧ 140 mg/dL → 高LDLコレステロール血症
- 🟢 HDL < 40 mg/dL → 低HDLコレステロール血症
- 🟡 中性脂肪(空腹時) ≧ 150 mg/dL → 高トリグリセリド血症
どれか1つでも当てはまれば「脂質異常症」です。ただし、LDLの管理目標値は人によって違います。心筋梗塞や糖尿病などがある方は、より低く管理します。
動脈硬化が起きるしくみ
- 血液中のLDLが血管の壁に入り込む
- LDLが酸化されて「酸化LDL」になる
- 免疫細胞が酸化LDLを食べて「泡沫細胞」に
- 泡沫細胞がたまって「プラーク(こぶ)」ができる
- プラークが破れると「血栓」ができて血管がつまる
→ 心筋梗塞・脳梗塞に!
このプロセスは数十年かけて静かに進みます。だからこそ、早いうちからのコントロールが大切です。
今日からできる脂質改善のコツ
- 🥬 食物繊維を増やす —— 野菜・海藻・きのこがコレステロールの吸収を抑える
- 🐟 青魚を食べる —— EPA・DHAが中性脂肪を下げる
- 🍰 甘いもの・お酒を控える —— 中性脂肪が上がりやすい
- 🚶 有酸素運動 —— 歩くだけでもHDL(善玉)が増える
- 🚬 禁煙 —— 喫煙はHDLを下げ、LDLの酸化を促進
薬物療法では、スタチン(コレステロールを下げる薬)に動脈硬化の進行を抑える豊富なエビデンスがあります。
まとめ:今日のポイント
- LDL(悪玉)が高いと動脈硬化が進む
- HDL(善玉)が低いのも危険
- 脂質異常症は自覚症状がないまま血管を傷つける
- LDLの管理目標はリスクに応じて個別に設定される
- 食事・運動・お薬で脂質は改善できる
コレステロールの薬を続けている方、それは「将来の自分」を守る行動です。動脈硬化の進行を防ぎ、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを下げ続けています。
「コレステロールの薬、一生飲まなきゃダメ?」という質問をよくいただきます。動脈硬化は進行を止めることはできても、完全に元に戻すのは難しい病気です。だからこそ、早いうちからのコントロールが大切。自己判断で中断せず、気になる点は医師・薬剤師にご相談ください。
次回は 🫀「肥満症 〜体重3%減が心臓を守る〜」をお届けします。お楽しみに!
シリーズ「もっと詳しく!循環器のはなし」
発信:こはく堂薬局(薬剤師)
参照:日本循環器協会認定「循環器病エキスパートアドバイザー」 eラーニング
※ 診断・治療については、必ず医療機関にご相談ください











