2020/04/14 12:00
おくすり Q&A/病院に行かなくても薬がもらえる?
Q. 前から続けている薬があります。病院に行かなくても薬がもらえると聞いたのですが、どうしたら良いですか?
A. 新型コロナウイルス感染症の感染防止策のための特例として、
・医師が、電話等を用いた診療で、診断・処方が可能であると判断した場合に、
・処方せんを発行し、
・薬剤師は、電話等で患者さんに服薬指導を行い、
・医薬品を患者さんに届ける ことができるようになりました。
ただし、医師が、直接対面して診察が必要だと考える場合には、対応することはできません。可能かどうか、医師に患者さまの症状やご希望を伝えて相談なさってください。。
また、この方法は、新型コロナウイルス感染症の流行期のみの特別な対策ですので、今後、制度も変わる可能性もあります。最新の情報をご確認ください。
※処方せんなしに医療用医薬品が購入できるわけではありません。
新型コロナウイルス感染症が猛威を振るっている中、皆様は、外出制限など、不安な毎日をお過ごしのことと存じます。
公共交通機関をできるだけ使いたくないなど、外出を我慢なさっていることでしょう。しかし、治療のために、必要な受診を我慢して欲しくない、これは、薬剤師として、心からのお願いです。でも、持病を持っているから新型コロナは心配だし、どうしたら良いの?とお悩みの方も多いと存じます。
現在、新型コロナウイルス感染症が流行しているため、感染防止のために、特別な措置が取られています。報道などでご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、その仕組みについて、ご説明します。
この仕組みは、
・医師が、電話等を用いた診療で、診断・処方が可能であると判断した場合に、
・処方せんを発行し、
・薬剤師は、電話等で患者さんに服薬指導を行い
・医薬品を患者さんに届ける 仕組みのことを言います。
具体的には、以下のような流れになります。(図を参照ください)
①患者さんが病院・診療所に連絡をして、電話等で医師の診察をうけ、処方せんを発行
②病院から、患者さんが指定した薬局に、処方内容を連絡(FAX)
③薬剤師から患者さんへ、電話等で服薬指導を行い
④薬局から患者さんへ、医薬品を郵送する(送料等は別途必要)
⑤病院から薬局へ、処方せんを郵送する
①電話等で医師の診察をうける
病院・診療所に電話し、電話で薬を出して欲しい旨をお伝えください。
ただし、本来、対面で診察することで、患者さんの状態を正しく把握したうえで、医師は診察を行います。電話で対応することはできないため、直接受診するように勧められる場合もあることをご理解ください。
患者さんの状況を確認できるように、体温の記録や家庭血圧の記録など健康状態がわかるメモや、お薬手帳を手元にご用意の上で、連絡してください。また、本人確認が必要になりますので、健康保険証(及び被爆者手帳など各種の医療証)や診察券も事前にご用意ください。
その後、病院・診療所から、患者さんが希望される薬局宛に、処方内容が連絡されます。
・・・・・
病院・診療所に電話をするときには、事前に以下のものをご用意ください。
健康保険証、診察券、お薬手帳、ご自身の健康状態がわかるメモ(体温の記録など)
・・・・・
②病院から薬局に、処方内容を連絡
診療後、病院から、患者さんが希望される薬局宛に、FAX などの方法で、処方内容が連絡されます。
③薬剤師から患者さんへ服薬指導
処方内容の連絡を受けた薬局では、内容を確認し、患者さんに連絡をいたします。
薬剤師は、処方薬を適切に使用していただくために、必要な情報をお伝えします。また、必要に応じて、確認のために、患者さんの状況やお使いの薬(健康食品やサプリメントを含む)について質問をさせていただく場合があります。
さらに、配送の方法(日時指定など)やお支払い方法について確認をさせていただきます。
ただし、注射薬や吸入薬など、使い方(手技)の説明が必要であるが、電話等の説明が困難である場合には、対面での指導をお願いする場合もあります。
④薬局から患者さんへ医薬品を郵送
適切な配送方法を使用して患者さんのもとへ医薬品をお届けします。患者さんは、ご在宅のまま、服薬指導をうけ、医薬品を受け取ることができます。
配送方法は、
・一般的な配送サービスを使用する、
・薬局スタッフがお届けする
・患者さん、もしくは、ご家族の方へ来局をお願いする
などの場合があります。医薬品によって(貯蔵方法や破損の可能性などを鑑みて)、適切な方法が選択されます。
薬局は、患者さんのもとへ正しく医薬品が届けられたことを、電話などで確認します。
⑤病院から薬局へ処方せんを郵送する
処方せんは、病院・診療所から薬局へ郵送されます。処方せんが不要である、というわけではありません。
【注意事項】
・これは、あくまでも新型コロナウイルス感染症の感染予防のための特別措置として時限的に行われているものです。
・郵送にかかった費用は有料です。患者さんに実費での費用負担を要求されることになります(金額は医療機関によって異なります)。
・基本は対面ですので、症状・状況によっては、対面での対応をすすめられる場合もあることを、あらかじめご理解ください。
・状況は日々変わっています。最新の状況をご確認ください。
・このページで説明しているのは、令和2年度から新設されたオンライン診療(研修を受けた医師のみが必要な機器を用いて対応)ではありません。新型コロナウイルス感染症対策のための特例措置のことをご説明しています。
これまでの流れ)
[1] 「新型コロナウイルス感染症患者の増加に際しての電話や情報通信機器を用いた診療や処方箋の取扱いについて」、令和2年2月28日、厚生労働省医政局医事課、医薬・生活衛生局総務課事務連絡.・・・これまで定期的に処方されていた薬の継続処方 ※変更に伴い、廃止
[2] 「新型コロナウイルスの感染拡大防止策としての電話や情報通信機器を用いた診療等の臨時的・特例的な取扱いについて」、令和2年3月19日、厚生労働省医政局医事課、医薬・生活衛生局総務課事務連絡.・・・定期処方薬の変更 ※変更に伴い、廃止
[3] 「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて」、令和2年4月10日、厚生労働省医政局医事課、医薬・生活衛生局総務課事務連絡.・・・初診から
よくあるご質問
Q. 処方せんなしでお薬だけ欲しいのですが。
A. 処方せんなしでお薬だけお渡しすることはできません。事前に、病院・診療所にご確認ください。
Q. どの薬でも対応してもらえますか?
A. 一部の薬のみ、電話等で対応ができます。対面でしか対応することができない薬もありますので、ご承知ください。
Q. 費用はどのくらいかかりますか?
A. 通常の診察、調剤の費用に加えて、配送の費用がかかります。具体的な金額は、対応する医療機関に直接ご確認ください。
こはく堂薬局の考え方)
医療機関によっては、定期処方薬の再診については、電話相談に応じることを、ホームぺージ上で公開しているところもあります。対面でないと、患者さんの状況を正しく把握することができないため、医師によって考え方は大きく異なります。ホームページ等に示されている医療機関の方針をよく読んで確認した上、もしくは、医療機関で事前に十分に相談されてください。
こはく堂薬局としては、できるだけ患者さんの希望が叶うように尽力したいと思っています。患者さん宅への配送(送料負担をお願いします)を対応させていただきます。
また、場合に応じて、例えば、患者さんの玄関先にお尋ねして、距離を置いたところで、会話をして説明するなど、できるだけ、患者さんの様子をお伺いしたうえで対応をさせていただきたいとも考えています。
いずれにせよ、患者さんにとって良い方法がとれるように対応しますので、必要なときには相談してください。
R2.4.25 追記)
厚生労働省のホームページで、オンライン診療を行っている医療機関の一覧が公開されました。
参考)厚生労働省 >新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえたオンライン診療について
受診時の注意点も記載されていますので、あらかじめご確認ください。