2021/01/16 09:00

この冬の新型コロナウイルス感染症対策

この冬の新型コロナウイルス感染症対策

日頃から、感染症対策にご協力いただきありがとうございます。

札幌市保健所が作成したパンフレットがわかりやすかったので、その内容を紹介させてください。

長崎県ではどうなっているのか、置き換えて紹介したいと思います。

参考)札幌市医師会 https://www.spmed.jp/index.html

札幌市医師会のホームページ内に、パンフレットも掲載されていました。

 

◯発熱などの風邪症状があるとき

症状の原因が、風邪かインフルエンザか新型コロナウイルス感染症かを、自分で判断することは困難です。

①発熱などの症状があるときは、無理をせず、仕事や学校は休み、外出は控えましょう

②発熱があり、医療機関に行く時は、事前に連絡しましょう

【長崎では?】<連絡先はこちら>

 ・かかりつけ医

 ・長崎県受診・健康センター:0120-409-745

 ※かかりつけ医がない方は、長崎県受診・健康センターに相談することができます。

参考)長崎県 HP >発熱などの症状がある場合の相談(受診・健康センター)

 

◯外出時の注意点

 

①外出するときは

・感染対策に気をつけて出かける(マスク着用、帰宅時の手洗い・うがい、手指衛生)

 

・感染症対策をとっているお店を選ぶ

 【長崎県では?】お店に「新しい生活様式ガイドライン実施宣言書」が掲示されています

  その内容を見て確認すると安心です(がんばくんとらんばちゃんが目印です)

 

・COCOA を利用しましょう

COCOA とは、感染者と接触した可能性を通知するアプリです。スマートフォンをご利用の方は、無料でご利用いただけます。(App Store または Google Play で「接触確認アプリ」と検索すると表示されます)

 

②外食の代わりに、お店の味を家で楽しみましょう!

*テイクアウト・デリバリーサービスを利用してみませんか?

【長崎県では?】長崎県内の情報がまとめられています↓

参考)長崎県 HP >長崎県内のテイクアウト・デリバリーサービス活用サイトのご案内

https://www.pref.nagasaki.jp/bunrui/shigoto-sangyo/sangyoshien/sisaku/sonota-sisaku/437434.html

 

*飲食店や物産関係業者を応援したい!

【長崎県では?】いくつかのサービスがあります。前払いで食事券を購入して飲食店を応援したり、お得に長崎県産品を購入して物産品業者を応援したりする方法もあります。

『みらいの食券』https://buylocal.nagasaki.jp

『さきめし』https://nagasaki.sakimeshi.com/

『うまかけん!長崎プロジェクト』https://nagasaki-campaign.jp/

 

◯基本的な対策

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丁寧な手洗い

手についたあと、無意識のうちに目や鼻・口を触って、感染がひろがります。こまめに・丁寧に、流水・石けんでの手洗いを心がけましょう。

 

距離の確保

同居している人以外とは、できるだけ 2 m 以上、最低 1 m 以上の距離をあけましょう(ウイルスが飛んでくる範囲を避ける)

 

マスクの着用

症状がなくても、マスクを着用することが大切です

 

3つの密をさける

換気の悪い密閉空間、多数が集まる密集場所、間近で会話や発声をする密接場面

感染リスクが高い状況を避けましょう

 

◯ご自宅での注意点

こまめに換気を

部屋の二隅、対角線上の窓を開けると換気効率が良いと言われています。

また、寒い時の換気は、難しいかもしれません。温度低下を抑えながら換気する方法に、二段階換気があります。

→二段階換気とは?:まず、廊下を十分に換気します。もしくは、人がいない部屋は外気と接している窓を開けて、十分に換気します。次に、人がいる部屋は、外気に接した窓を開けるのではなく、廊下と接している扉を開ける、または、人が居ないが十分に換気している部屋と接している箇所の扉や窓を開ける方法です。廊下や別の部屋で一旦温められた空気と部屋の空気を入れ替えるので、室温低下が抑えられます。

 

家庭での感染対策

高齢者がいる家庭では特に注意しましょう

・食事は共有しない あらかじめとりわけておく

・トイレは蓋を閉めて水を流す

・共用部分は、こまめに清掃・消毒を

 

◯その他

・自費検査

【長崎県では?】長崎県内で、自費での検査ができる施設が紹介されています。希望される方は、このようなところを利用することができます。

参考)長崎県 HP >新型コロナに関する自費検査について

https://www.pref.nagasaki.jp/bunrui/hukushi-hoken/kansensho/corona_jihikensa/

 

・県内メーカーが製造した感染防止対策製品

いろんな製品が開発されていますので、ご参考までに。

参考)長崎県 HP >県内メーカーが製造した感染防止対策製品

https://www.pref.nagasaki.jp/bunrui/hukushi-hoken/kansensho/kansenboushi/ichiran-kansenboushi/448005.html

2021/01/10 12:00

手袋をしていれば大丈夫?

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新型コロナウイルス感染症が感染拡大してから、手袋(ゴム・ラテックス・ニトリル製)を着用する方を見かけるようになりました。

感染症から身を守るための行動と考えてのことですが、病原体を周囲に広めてしまう危険性があることもご理解ください。

ゴム・ラテックス・ニトリル製の手袋をはめると、肌表面を、体液や有害な化学性物質から守ることができます。

手袋表面には、肌と同様に、病原体が付着します。

しかし、肌とは異なり、手袋をはめているときは、手を洗うことはありません。

医療・介護提供者が手袋をはめるときは、はめる前・脱いだ後、手を洗っています(訳者注:さらに、手袋を外すとき、病原体に触るリスクが高いことを学んでいるため、最初に着脱の練習をしっかりとしています)。

手袋をはめることは、手指衛生の代わりではありません

 

 

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◯手袋は、どのように病原体をひろめるのでしょうか?

手袋をはめたときは、きれいですが、

手を触れた場所(エレベータのボタン、買い物カート、ガソリンスタンドの持ち手など)から、手袋表面に病原体を集め、

手を触れた他の場所に病原体を広めます。

「手袋をはめる」ことで安全になるのではありません

「流水と石けんでの手洗い」や「手指消毒」が

手をきれいにし、病原体拡散を食い止めることができます。

 

 

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◯手袋は、完全なバリアではありません

手袋には、肉眼では見えない、微小な穴があいています。

  • 短時間のうちに、数千もの病原体が穴を通って進入し、肌表面に到達します
  • 病原体は、手袋の内側にも、外側と同様に存在する可能性があります
  • 手袋は、爪や宝石、摩耗によって生じた穴で損傷されます
  • ビニール、ラテックス、ニトリル製手袋は、湿気や熱・化学物質で損傷されます

 

 

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◯顔に触らないようにしましょう

知らない間に、つい触っています

目・鼻・口を触らないようにしましょう。病原体の侵入口になるからです。

手袋をはめると、安全の過信をしてしまいがちです。手袋表面は清潔ではありません。素手よりも、病原体が付着している可能性もあります。

大切なことは、頻回に、流水と石けんで手を洗い手指消毒をすることと、顔を触らないようにすることです。

 

 

参考)米国感染管理疫学専門家協会

https://apic.org/wp-content/uploads/2020/05/ConsumerFlyer_Gloves-HIRESnoBleed_Updated.pdf

 

***

訳者注釈)

ここで記載されていることは、決して、「手袋は危険だ」ということではありません

手袋は万能というわけではないことを伝えるものです。あくまでも、基本的な手指衛生(頻回に、流水・石けんで手洗い、手指消毒)を行うことが大切です。そのうえで、個別の事情に応じて、対処する必要があります。

なかには、ラテックスアレルギーの方もいらっしゃいます。ラテックス製手袋をはめることが、健康上の不利益になる方もいることは、あらかじめご理解ください。

2021/01/09 12:00

マスクについて考えてみましょう⑧ 〜二酸化炭素と寒気〜

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◯ マスクの使用と二酸化炭素

    マスクを着用しても吸気中の二酸化炭素濃度は上昇しません

布製マスクは顔に密着してはいません。呼気中の二酸化炭素は、呼吸や会話したときに、マスクの外へ逃げていきます。どの布地でも、二酸化炭素を通します。COVID-19 を引き起こすウイルスは、二酸化炭素よりも大きいので、適切にデザインされて適切に着用した布製マスクの場合、ウイルスは簡単には通り抜けません。

 

◯ 寒気

   雪などのように寒い時には、マスクは呼気で湿度が高くなります。マスクが濡れたら、新しいものに交換しましょう。濡れたマスクは、呼吸を妨げ、フィルター効果が落ち、マスクの周囲から空気が入り込みます。寒い日には、1個以上の替えのマスクを携帯することが大切です。もし繰り返し使用可能なマスクが湿ったら、洗うまで、ジップ付きのビニール袋に入れておきましょう。

   スカーフや防寒のためのスキーマスクやバラクバ帽のようなかぶり物は、通常、緩く編まれた布地でできているため、COVID-19 ウイルスの透過を防ぐためには不十分です。防寒のためには、マスクの上から、重ねて使用しましょう。

   もし、メガネを装着する場合には、メガネが曇らないように、フィット感の高いマスクを選んだり、ノーズワイヤーを活用したりしましょう。メガネ用の曇り止めの使用を検討しても良いです。

 

情報元)"Considerations for Wearing Masks", 2020年12月18日公開.

https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/prevent-getting-sick/cloth-face-cover-guidance.html

 

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関連記事一覧)

(1) マスクについて考えてみましょう①(記事へのリンク)、令和3年1月2日.

(2) マスクについて考えてみましょう②  〜マスクのエビデンス〜(記事へのリンク)、令和3年1月3日.

(3) マスクについて考えてみましょう③ 〜マスクつける?つけない?〜(記事へのリンク)、令和3年1月4日.

(4) マスクについて考えてみましょう④ 〜マスクの種類(総説)〜(記事へのリンク)、令和3年1月5日.

(5) マスクについて考えてみましょう⑤ 〜マスクの種類(各論①)〜(記事へのリンク)、令和3年1月6日.

(6) マスクについて考えてみましょう⑥ 〜マスクの種類(各論②)〜(記事へのリンク)、令和3年1月7日.

(7) マスクについて考えてみましょう⑦ 〜マスクの適応策・代替策〜(記事へのリンク)、令和3年1月8日.

(8) マスクについて考えてみましょう⑧ 〜二酸化炭素と寒気〜(記事へのリンク)、令和3年1月9日.

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訳者のひとこと)今回で、"Considerations for Wearing Masks" の資料の紹介は終了します。

2021/01/08 12:00

マスクについて考えてみましょう⑦ 〜マスクの適応策・代替策〜

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◯ マスクの適応策・代替策

 

CDC は、マスクを着用できない場合・人がいることを承知しています。マスクを着用できない人は、可能な限り配慮するように心がけましょう。対人活動において、マスクが着用できない場合でも、COVID-19 の拡散を減少させるための対策をいくつか例示します。

 

 

◇ マスクが着用できない状況

 

   マスクを着用できない時には、他者との距離をあけましょう

 

 

⭐︎ 食事

   飲食物を口に運ぶ時を除いて、レストランで食事をする時スタッフと会話する時は、マスクを着用しましょう。レストランやバーの状況では、180 cm 以内での人との接触機会が増えるため、COVID-19 拡大リスクが増加します。マスク着用は、いかなる感染リスクにたついても、COVID-19 拡大リスクを減少させる可能性があります。

 

⭐︎ 水泳

   海やプールでの水泳などのようなマスクを濡らす活動をする時は、マスクは着用しないようにしましょう。マスクが濡れると、本来の効果を発揮しないばかりか、呼吸を妨げます。

 

⭐︎ 高負荷な活動

   公共の場ではマスクを着用すべきではありますが、高負荷な身体活動をするため、マスクを着用できない場合には、換気が十分な場所を選び(室内と室外の換気など)、活動中は他者と180 cm 以上の距離を取りましょう。

   マスクの着用が可能な場合でも、マスクが汗で濡れたら、清潔なマスクと交換しましょう。

   マウスガードやヘルメットが必要ない活動を選びましょう。それらの防具と一緒にマスクを着用するのは、呼吸を妨げるため危険です。

   スポーツ中にマスクを着用している子供は、危険がないように見守りましょう。

 

 

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◇ マスクの着用が困難な方

 

⭐︎ 何らかの障がいを持つ人(2歳未満及び2歳以上)

 

認知・知的・発達・感覚・行動などの障がいのため、マスクを正しく継続して着用することが困難な方もいます。

それらの方々がマスクを着用できるかは、下記の項目が可能かどうかで判断してください。

   正しくマスクを着用することができる

   頻繁にマスクや顔に触れることを止めることができる

   鼻水やよだれ、唾液がマスクにつかない

   介助なしに自分でマスクを外すことができる

 

もし、マスクを正しく着用できなかったり、マスク着用を耐えられない場合には、マスクを着用すべきではありません。

このような障がいのためマスクが着用できない方は、下記の事項に気をつけましょう。

   介護者に、マスク着用についてのアドバイスをうけましょう

   適切なサイズのマスクをフィットさせましょう

   睡眠やうたた寝のときには、マスクを外しましょう。急に睡眠に落ちたり、連続的な管理が受けられないときには注意が必要です。

   特に、室内で、公共の場にいるときや同居者以外の人と接する時には、マスク着用を優先しないといけないのか、よく考えましょう。あなただけで他の人と離れて屋外にいるときや、同居家族と一緒にいる時には、マスク着用は不要な場合もあります。ただし、地域によっては、マスク着用が義務付けられている場合もありますので、規則に従ってください。

 

下記の方はマスクを着用しない方が良いです

 

   2歳未満の子供

   呼吸器疾患を有する人

   意識不明や麻痺など、手助けなしにマスクを外すことができない人

 

 

⭐︎ ろうあ者・聴力障がいを有する方

 

読唇術に頼る人と交流する場合、マスク着用しているとコミュニケーションが困難になります。

   透明マスクや透明パネル部分がある布製マスクの着用を検討しましょう。

   透明マスクが入手できない場合、筆談の使用、詳細な説明文、バックグランドノイズの低減など、マスクを着用していたり、唇が見えなくてもコミュニケーションが取れる方法を検討しましょう。

 

 

⭐︎ 何らかの疾患を有する方

 

疾患を有する人のほとんどは、マスク着用すべきです。

   もし、呼吸器疾患を有しており、安全にマスク着用できるか心配な場合、医療従事者とマスク着用の利益と不利益を十分に相談しておきましょう。

   もし喘息であってもマスク着用可能です。マスク着用について心配がある場合は、医療従事者に相談しましょう。

 

 

⭐︎ 屋外で労働する方

 

もし、マスク着用が熱中症を引き起こす可能性がある職場で働いている場合や、安全にマスク着用できるか心配な場合(マスクが機械にひっかかるなど)、下記の事項に注意しましょう。

 

   医療従事者と、職業上の安全性やどのマスクが良いか相談しましょう

   室内で他者と密接になるとき(集団出張やシフト勤務など)はマスクの着用を優先しましょう。いくつかの地域では、屋外であっても、公共の場でのマスク着用が義務付けられています。地域の規則に従ってください。

   寒い時には、スカーフやスキーマスクのような防寒着の下にマスクを着用しましょう。呼気や雪でマスクが湿ったら、新しい物と交換しましょう。あらかじめ予備を携帯しておきましょう。

 

情報元)"Considerations for Wearing Masks", 2020年12月18日公開.

https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/prevent-getting-sick/cloth-face-cover-guidance.html

 

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関連記事一覧)

(1) マスクについて考えてみましょう①(記事へのリンク)、令和3年1月2日.

(2) マスクについて考えてみましょう②  〜マスクのエビデンス〜(記事へのリンク)、令和3年1月3日.

(3) マスクについて考えてみましょう③ 〜マスクつける?つけない?〜(記事へのリンク)、令和3年1月4日.

(4) マスクについて考えてみましょう④ 〜マスクの種類(総説)〜(記事へのリンク)、令和3年1月5日.

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(8) マスクについて考えてみましょう⑧ 〜二酸化炭素と寒気〜(記事へのリンク)、令和3年1月9日.

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訳者のひとこと)

感染対策は、個別の状況に応じて、適切な方法を選択しましょう。

マスク着用できない人に対しても、思いやりを。

 

2021/01/07 12:00

マスクについて考えてみましょう⑥ 〜マスクの種類(各論②)〜

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<サージカルマスクと呼吸器>

医療従事者向けのサージカルマスクや呼吸器を使用しないでください。現在、サージカルマスクや呼吸器は、医療従事者等に確保する重要な供給品です。

 

 

<透明なマスク・透明なプラスチック板付きの布製マスク>

 

透明なマスクや透明なプラスチックの板がついた布製マスクは、下記のような人と接する人が使う代用マスクです。

   ろうあ者、もしくは、聞き取りが困難な人

   読みを習っている小児や生徒

   新しい言語を学んでいる生徒

   何らかの障がいを有する人

   正しい口の形や正しい母音の発声を確認する必要がある人(声楽など)

 

もし、このタイプのマスクを使用する際には、下記の点を確認しましょう。

   呼吸が容易にできる

   マスクの内側に、過剰な湿気がこもらない

   口や鼻を塞いで、呼吸を妨げる可能性があるため、睡眠時には外す

 

最近、FDA は透明な医療用マスクを承認しました。この透明な医療用マスクは、医療従事者だけでなく、これを必要とする介護者や患者にも使用可能です。

(訳者注釈:参考までに。承認されたマスクはこちらです→https://www.theclearmask.com

 

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<他のタイプの顔面保護>

CDC は、マスクの代用として、フェイスシールドやゴーグルを使用することは推奨しません。プラスチックフェイスシールド(またはマスク)を新生児や幼児には使用しないでください。

フェイスシールドやゴーグルは装着した人の眼を保護します。ゴーグルは、鼻や口を保護しません。フェイスシールドは、顔の側面に大きな隙間があるため、自分の飛沫は拡散し、他者の飛沫は入り込みます。現在のところ、フェイスシールドにどの程度の保護効果があるかは不明です。しかしながら、フェイスシールドの着用は万能ではありません。

 

 

【フェイスシールド・ゴーグル】

 

例えば、ろうあ者や聞き取りが困難な方とコミュニケーションをとる目的のためには、マスクよりもフェイスシールドの方が優れています。もし、マスクの代わりにフェイスシールドを装着する場合には、以下の事項に注意しましょう。

   顔の側面や顎の先まで覆うもの、または、かぶるタイプのものを選びましょう。

   フェイスシールドを外した後には手を洗いましょう。外す時には、眼や鼻、口に当たらない様に注意しましょう。

   再使用する時には、メーカーの推奨方法、または、CDC の推奨(注釈)に従って、洗浄・消毒しましょう。

 

(注釈)フェイスシールド・ゴーグルの洗浄・消毒

<原則>

洗浄・消毒方法は、製造元が推奨する方法にしたがってください

製造元が洗浄・消毒の推奨方法を提示していない場合(使い捨てなどのように)は、下記の方法を検討しましょう:

  1. 清潔な手袋を着用して作業をしましょう。中性洗剤溶液に浸した清潔な布や、拭き取り用ワイプを使って、まずは注意深く内側を拭き、次に、外側を拭き取ります。
  2. フェイスシールドまたはゴーグルの外側を、EPA に登録した院内用消毒液【訳者注釈:COVID-19 に対する消毒効果が認められたもの。日本では、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)が、新型コロナウイルスに対する消毒効果をまとめています】に浸したワイプ、または、清潔な布で、注意深く拭き取ります。
  3. フェイスシールドまたはゴーグルの外側を、きれいな水か、アルコールで拭き、残留物を取り除きます。
  4. 完全に乾かします(風乾、または、清潔な吸水性タオルで)
  5. 作業後、着用していた手袋を外し、手指衛生を行います。
  6. 洗浄・消毒終了後の防護具は、施設内のクリーンエリア(清潔エリア)に置いて構いません。

 

情報元)"Considerations for Wearing Masks", 2020年12月18日公開.

https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/prevent-getting-sick/cloth-face-cover-guidance.html

 

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(1) マスクについて考えてみましょう①(記事へのリンク)、令和3年1月2日.

(2) マスクについて考えてみましょう②  〜マスクのエビデンス〜(記事へのリンク)、令和3年1月3日.

(3) マスクについて考えてみましょう③ 〜マスクつける?つけない?〜(記事へのリンク)、令和3年1月4日.

(4) マスクについて考えてみましょう④ 〜マスクの種類(総説)〜(記事へのリンク)、令和3年1月5日.

(5) マスクについて考えてみましょう⑤ 〜マスクの種類(各論①)〜(記事へのリンク)、令和3年1月6日.

(6) マスクについて考えてみましょう⑥ 〜マスクの種類(各論②)〜(記事へのリンク)、令和3年1月7日.

(7) マスクについて考えてみましょう⑦ 〜マスクの適応策・代替策〜(記事へのリンク)、令和3年1月8日.

(8) マスクについて考えてみましょう⑧ 〜二酸化炭素と寒気〜(記事へのリンク)、令和3年1月9日.

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訳者のひとこと)

ここでは、フェイスシールドやゴーグルは、マスクの代用品にはならないことが書かれています。

最近テレビでよく見かけるマウスカバーは、ここで説明されているフェイスカバーよりも、さらに簡素なものであり、覆う面積も少ないです。フェイスカバーでさえ、マスクの代用品ではないことが明記されていることから、マウスカバーはマスクの代用品ではないことは、ご理解いただけると思います。

ただし、フェイスカバーは、コミュニケーションなどの特別な理由がある場合は必要になります。使用される場合は、商品の選択、取り外した後の手洗いなどに注意して、正しく使用しましょう。FDA が承認したような透明マスクが開発されると良いのですが。

次回は、マスクが着用できない方、着用できない状況で配慮すべき対策についてご紹介します。