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第4回|フルミストを受ける前に知っておきたいこと
フルミスト接種前のQ&A
鼻づまりや薬の影響は?
鼻から接種するインフルエンザワクチン 「フルミスト」。
「鼻水や鼻づまりがあっても受けられる?」
「タミフルなどの薬を使っていても大丈夫?」
「普段飲んでいる薬は?」
接種前に知っておきたい3つの疑問について、 わかりやすく解説します。
接種
との関係
接種前の確認
フルミスト接種前によくある質問
鼻水や鼻づまりがあっても、 フルミストを受けられる?
軽い鼻水があるだけで、 必ず接種できないわけではありません。
ただし、鼻づまりが強い場合には注意が必要です。
フルミストは、鼻の中にワクチンを噴霧して、 鼻の粘膜に免疫の働きを引き出すワクチンです。
鼻が強くつまっていると、 ワクチンが鼻の粘膜に十分届かない可能性があります。
そのため、鼻づまりが改善するまで 接種を延期したり、 注射のインフルエンザワクチンを選んだりすることがあります。
また、明らかな発熱がある場合や、 重い急性の病気にかかっている場合は、 接種を受けられません。
接種当日は、鼻水や鼻づまりの程度、 発熱などの体調について医師に伝えてください。
軽い症状だけで一律に接種できないと決まるわけではありません。
フルミストの接種前後に、 タミフルやゾフルーザを使ってもいい?
フルミストの効果が弱くなる可能性があるため、 注意が必要です。
フルミストは、 病原性を弱めたインフルエンザウイルスを使う 生ワクチンです。
一方、タミフルやゾフルーザなどの 抗インフルエンザ薬は、 ウイルスの増殖を抑える薬です。
そのため、フルミストの接種前後に 抗インフルエンザ薬を使うと、 ワクチンに含まれるウイルスの増殖も抑えられ、 十分な予防効果が得られない可能性があります。
注意が必要な期間は、 使った薬の種類によって異なります。
抗インフルエンザ薬を使った場合は、 薬の名前と使用した日を医師に伝えてください。
接種日を調整したり、 注射のワクチンを検討したりする場合があります。
実際にインフルエンザにかかった場合は、 フルミストへの影響を心配して、 必要な治療を控えないでください。
接種後に抗インフルエンザ薬を使用した場合も、 治療を優先し、必要に応じて 追加のワクチン接種について医師に相談してください。
風邪薬や抗アレルギー薬を飲んでいても、 フルミストを受けられる?
薬を飲んでいるという理由だけで、 必ず接種できないわけではありません。
一般的な風邪薬や抗アレルギー薬を 使用していても、接種できる場合があります。
ただし、薬の種類や治療中の病気によっては、 フルミストを受けられない場合があります。
特に注意が必要なのは、 免疫の働きを抑える薬を使用している場合です。
国内のフルミストの添付文書では、 次のような薬が併用禁忌とされています。
- 飲み薬や注射の副腎皮質ホルモン薬 (プレドニゾロンなど)
- 免疫抑制薬 (タクロリムス、シクロスポリンなど)
また、アスピリンなどの一部の解熱鎮痛薬も 併用注意とされています。
これらの薬を使用している場合は、 接種前に必ず医師へ伝えてください。
なお、ステロイドを含む薬であっても、 塗り薬や吸入薬などは、 飲み薬・注射薬と同じ扱いとは限りません。
薬の種類や使用量、治療内容に応じて 接種できるか判断されます。
ワクチンを受けるために、 普段の薬を自己判断で中止しないでください。
接種時にはお薬手帳を持参するなどして、 現在使用している薬を医師へ伝えましょう。
- 鼻づまりが強く、鼻からの接種ができるか心配
- 最近、タミフルやゾフルーザなどを使用した
- ステロイド薬や免疫抑制薬を使用している
- 持病やアレルギーがあり、 フルミストが適しているかわからない
これらに当てはまる場合は、 接種前に医師へ相談してください。 お薬について不安なことは、 薬剤師にもご相談ください。
フルミストは、 鼻の粘膜にワクチンを届けることで インフルエンザを予防するワクチンです。
鼻づまりの程度や、 使用している薬の種類などによっては、 接種方法や時期を検討する必要があります。
風邪薬を飲んでいるから必ず接種できない、 というわけではありません。
一方、免疫を抑える薬や抗インフルエンザ薬など、 特に注意が必要な薬もあります。
接種前には体調や使用中の薬を伝え、 自分に適したワクチンを選びましょう。
参考情報
- PMDA 「フルミスト点鼻液 添付文書 (2026年8月改訂)」
- CDC 「Live Attenuated Influenza Vaccine (The Nasal Spray Flu Vaccine)」
- CDC 「Influenza Antiviral Medications: Summary for Clinicians」
- 日本小児科学会 「経鼻弱毒生インフルエンザワクチンの使用に関する考え方」
※このページは一般的な情報をまとめたものです。 実際の接種の可否は、 年齢、体調、基礎疾患、使用中の薬などを踏まえて 医師が判断します。
情報確認:2026年10月
第3回|フルミスト接種後の検査と家族への影響
フルミスト接種後のQ&A
検査や家族への影響は?
鼻から接種するインフルエンザワクチン 「フルミスト」。
「接種後に熱が出たら、検査を受けてもいい?」
「家族にワクチンのウイルスがうつることはある?」
「接種後に鼻をかんでも大丈夫?」
「インフルエンザの薬を使ってもいい?」
接種後に気になる6つの疑問について、 わかりやすく解説します。
インフルエンザ検査
ウイルスの伝播
くしゃみ
家庭生活
フルミスト接種後によくある質問
フルミストを受けた後、 インフルエンザの検査を受けてもいい?
はい。必要であれば検査を受けられます。
ただし、フルミストを接種した後は、 検査結果の判断に注意が必要です。
フルミストは、病原性を弱めた インフルエンザウイルスを使用した生ワクチンです。
接種後しばらくは、 ワクチン由来のウイルスが鼻やのどから検出され、 インフルエンザの検査で陽性になる場合があります。
検査への影響が続く期間には個人差があるため、 接種後しばらくは検査結果の解釈に注意が必要です。
A型とB型の両方が陽性になるの?
フルミストにはA型・B型の ワクチンウイルスが含まれますが、 両方が必ず陽性になるわけではありません。
検出されるウイルスの種類や量、 検査方法などによって結果は異なります。
また、検査が陰性でも、 実際のインフルエンザ感染を 完全に否定することはできません。
そのため、検査で陽性になっても、 ワクチン由来のウイルスなのか、 実際にインフルエンザに感染したのか、 通常の検査だけでは区別できない場合があります。
検査を受けてはいけないわけではありません。
接種後に発熱や咳などが出た場合は、 フルミストを受けた日を医師に伝えてください。
症状や周囲の流行状況などを踏まえて、 検査や治療の必要性が判断されます。
フルミストを受けた後、 家族にワクチンのウイルスがうつることはある?
可能性はありますが、まれなことです。
フルミストは、 病原性を弱めたインフルエンザウイルスを使った ワクチンです。
接種後しばらくは、 鼻やのどからワクチン由来のウイルスが排出され、 周囲の人に伝わる可能性があります。
ただし、フルミストに含まれるウイルスは、 通常のインフルエンザウイルスと比べて、 病気を起こしにくいように作られています。
特に注意が必要なのは、 重度の免疫不全がある方との接触です。
国内の添付文書では、 接種後1〜2週間は、 重度の免疫不全者との密接な接触を できるだけ避けるよう注意されています。
家族など身近な方に重度の免疫不全がある場合は、 接種前に医師へ相談してください。
フルミストを受けた後、 鼻をかんだり、くしゃみをしたりしても大丈夫?
通常は、追加接種する必要はありません。
フルミストは、 左右の鼻の中にワクチンを噴霧して接種します。
接種後に鼻をかんだり、 くしゃみをしたりしたからといって、 必ずしもワクチンの効果がなくなるわけではありません。
接種直後にくしゃみが出た場合でも、 通常はそのことだけを理由に 追加の接種を行う必要はありません。
接種中に薬液がこぼれた場合や、 十分に鼻へ入らなかったように感じた場合は、 その場で医師に伝えてください。
自己判断で追加接種する必要はありません。
フルミストを受けた後、 家族と普通に生活してもいい?
通常は、普段どおりの家庭生活で問題ありません。
フルミストを接種したことだけを理由に、 家族との接触をすべて避ける必要はありません。
ただし、ワクチン由来のウイルスが、 まれに周囲の人へ伝わる可能性があります。
特に、家族に重度の免疫不全がある方がいる場合は、 接種後1〜2週間の密接な接触について、 医師に確認してください。
また、接種後に発熱や咳、鼻水などの症状が出た場合は、 ワクチンの副反応だけでなく、 実際に感染症にかかっている可能性もあります。
体調が悪いときは、無理をせず休みましょう。
家族への感染を防ぐためにも、 手洗いや換気、咳エチケットなどを心がけてください。
インフルエンザの薬を使った後、 すぐにフルミストを受けてもいい?
使用した薬によっては、 接種までに間隔を空ける必要があります。
フルミストは弱毒化したウイルスが 鼻の中で増えることで免疫をつくるワクチンです。
抗インフルエンザ薬を使うと、 ワクチンの効果が弱くなる可能性があります。
使用した薬の名前と、 最後に使用した日を医療機関に伝えて、 接種時期を個別に相談してください。
薬によって必要な間隔が異なります。 自己判断で薬を中止する必要はありません。
フルミスト接種後にインフルエンザになったら、 薬を使ってもいい?
はい。必要な治療を優先します。
接種後しばらくの間に抗インフルエンザ薬を使用すると、 ワクチンの効果が弱くなる可能性があります。
しかし、 ワクチンへの影響を心配して、 必要な治療を遅らせないでください。
受診するときは、 フルミストを接種した日を医師に伝えてください。
ワクチンの再接種などについても、 状況に応じて医師が判断します。
こんなときは医療機関へご相談ください
- 接種後に高熱が続いている
- 咳や鼻水などの症状が強い、または悪化している
- 家族に重度の免疫不全がある方がいる
- 接種後の体調変化が副反応なのか、 感染症なのかわからない
- 抗インフルエンザ薬を最近使った、 または接種後に使用することになった
呼吸が苦しい、意識や反応がおかしい、 けいれんしているなど、 緊急性の高い症状がある場合は、 速やかに医療機関を受診してください。
フルミストは、鼻から接種する生ワクチンです。
接種後しばらくは、 ワクチン由来のウイルスが鼻やのどから検出されたり、 まれに周囲の人へ伝わったりする可能性があります。
ただし、 接種後にインフルエンザの検査を受けてはいけない、 家族と普通に生活してはいけない、 という意味ではありません。
接種後に体調が悪くなった場合は、 接種した日を医師に伝えてください。
抗インフルエンザ薬を使った場合は、 薬の名前と最終使用日を伝え、 接種時期を相談してください。
気になることがある場合は、 医師・薬剤師にご相談ください。
医療者向け補足| 抗インフルエンザ薬との接種間隔
米国CDCでは、 経鼻弱毒生インフルエンザワクチン(LAIV)に対する 抗インフルエンザ薬の干渉を避ける目安として、 接種前について次の期間を示しています。
| 抗インフルエンザ薬 | 最終投与から接種まで |
|---|---|
| オセルタミビル・ザナミビル | 48時間以上 |
| ペラミビル | 5日以上 |
| バロキサビル | 17日以上 |
いずれも接種後2週間以内に使用すると、 ワクチンの効果を弱める可能性があります。
薬の排泄が遅れる場合は、 さらに長い間隔が必要になることがあります。
これはCDCの推奨に基づく目安です。 国内添付文書では具体的な日数は規定されていません。
ラニナミビル(イナビル)などについても 個別に確認してください。
参考情報
- PMDA「フルミスト点鼻液 添付文書」
- CDC「Rapid Influenza Diagnostic Tests」
- CDC「インフルエンザワクチン接種に関する推奨」
- 日本小児科学会 「経鼻弱毒生インフルエンザワクチンの使用に関する考え方」
※このページは一般的な情報をまとめたものです。 症状や体の状態によって対応が異なる場合があります。
情報確認:2026年10月
第2回|子どものインフルエンザワクチン、こんなときはどうする?
子どものインフルエンザワクチン
こんなときはどうする?
「2回目の接種が遅れてしまった」
「1回目の後にインフルエンザになった」
「子どもは、なぜ2回接種するの?」
お子さんのインフルエンザワクチンについて、 保護者の方が迷いやすい5つの疑問を わかりやすく解説します。
遅れたとき
ワクチンの効果
家族の予防
子どものワクチンについてよくある質問
2回目の接種が遅れてしまいました。 最初からやり直す必要がありますか?
通常は、最初からやり直す必要はありません。
日本では、13歳未満のお子さんが 注射のインフルエンザワクチンを受ける場合、 通常は2〜4週間の間隔で2回接種します。
免疫のつき方を考えると、 4週間程度の間隔が望ましいとされています。
体調不良や予定の都合などで、 2回目の接種が遅れてしまうこともあります。
その場合も、 通常は1回目から接種し直すのではなく、 残りの1回を受けることを検討します。
1回目の接種日を確認し、 医療機関へ相談してください。
流行状況や接種できる時期なども踏まえて、 2回目の接種を検討します。
1回目の接種後にインフルエンザになりました。 2回目は必要ですか?
感染したからといって、 必ずしも2回目が不要になるわけではありません。
インフルエンザにはA型・B型などがあり、 同じシーズンに複数の種類が 流行することもあります。
一度インフルエンザに感染しても、 ほかの種類のインフルエンザまで 十分に予防できるとは限りません。
そのため、1回目の接種後に インフルエンザになった場合でも、 体調が回復してから 2回目の接種を検討することがあります。
まずは体調の回復を優先しましょう。
発熱などで体調が悪い間は、 ワクチンを接種できません。
回復後、1回目の接種日や インフルエンザにかかった時期を伝えて、 医療機関へ相談してください。
赤ちゃんはまだワクチンを受けられません。 家族が接種する意味はありますか?
はい。家族が接種することにも意味があります。
注射のインフルエンザワクチンは、 生後6か月から接種できます。
そのため、 生後6か月未満の赤ちゃんは、 インフルエンザワクチンを受けられません。
赤ちゃん自身が接種できない時期には、 家族がインフルエンザにかかるリスクを 減らすことも大切です。
家族がワクチンを受けることで、 家庭内にインフルエンザを持ち込む機会を 減らすことが期待されます。
ただし、 家族が接種していても、 感染を完全に防げるわけではありません。
家族のワクチン接種と、 毎日の感染対策を組み合わせましょう。
- 帰宅後や赤ちゃんのお世話の前に手を洗う
- 室内の換気を行う
- 咳や発熱などがあるときは、赤ちゃんとの密接な接触をできるだけ控える
- 体調が悪い場合は、無理をせず休む
子どもは2回接種すると、 1回より効果が高くなるのですか?
2回接種することで、 より十分な免疫反応が期待されます。
日本では、13歳未満のお子さんに対して、 注射のインフルエンザワクチンを 原則2回接種します。
これは、年齢や過去の感染・接種歴によって 免疫のつき方が異なり、 2回接種することで、 より十分な抗体の上昇が期待できるためです。
ただし、 すべてのお子さんで、 2回接種の方が1回接種より 明らかに高い発病予防効果を示すとは限りません。
海外では、9歳以上のお子さんは 原則1回接種とする考え方もあります。 また、9歳未満でも、 過去の接種歴によっては1回接種となる場合があります。
日本ワクチン学会は、 何らかの事情で2回接種する機会が得られない場合でも、 少なくとも1回は接種して、 未接種のまま流行期を迎えないこと を推奨しています。
2回接種できないからといって、 1回目の接種まであきらめる必要はありません。
なお、鼻から接種するフルミストは、 国内では1シーズン1回の接種です。
注射のワクチンとは接種回数が異なります。
インフルエンザワクチンで、 インフルエンザ脳症も予防できますか?
脳症そのものをどの程度予防できるかは、 まだ十分にわかっていません。
インフルエンザ脳症は、 インフルエンザに伴って起こることがある 重い合併症です。
ワクチンには、 インフルエンザの発病を減らす効果があり、 入院などのリスクを下げることも期待されています。
一方、日本小児科学会は、 インフルエンザ脳症を直接予防する効果については、 十分な根拠が明らかになっていない と説明しています。
そのため、 「ワクチンを受ければ脳症を防げる」 と断定することはできません。
ワクチンを受けていても、 インフルエンザにかかった際には注意が必要です。
意識や反応がいつもと違う、 けいれんが起こる、 呼びかけに反応しにくいなどの症状がある場合は、 直ちに医療機関を受診してください。
意識障害やけいれんが続いているなど、 緊急性が高い場合は119番に連絡してください。
- 2回目の接種が予定より遅れてしまった
- 1回目の接種後にインフルエンザになった
- 子どもの接種回数について迷っている
- 赤ちゃんがいる家庭での予防方法を知りたい
- 持病があり、接種してよいか心配
接種歴や体調、持病などによって 判断が異なることがあります。 医療機関へご相談ください。
子どものインフルエンザワクチンは、 年齢やワクチンの種類によって 接種回数が異なります。
注射のワクチンでは、 13歳未満は原則2回接種ですが、 予定どおりに2回接種できなかった場合も、 最初からやり直す必要があるとは限りません。
また、ワクチンは感染や重症化のリスクを減らす 大切な予防方法のひとつですが、 すべての合併症を完全に防げるわけではありません。
お子さんの接種について迷った場合は、 医師・薬剤師へご相談ください。
参考情報
- 日本ワクチン学会 「2026-27期の季節性インフルエンザワクチンの接種に関する見解」
- 厚生労働省 「令和8年度 急性呼吸器感染症(ARI)総合対策に関するQ&A」
- 日本小児科学会 「インフルエンザ脳症に関する注意喚起」
- 日本小児科学会 「推奨する予防接種スケジュール」
- CDC 「季節性インフルエンザワクチン接種に関する臨床的考慮事項」
※このページは一般的な情報をまとめたものです。 実際の接種方法や接種の可否については、 年齢、体調、接種歴、治療中の病気などを踏まえて、 医師が判断します。
情報確認:2026年10月
第1回|ワクチンの効果はいつから? どのくらい続く?
インフルエンザワクチンの効果は
いつから? どのくらい続く?
「ワクチンを受けた直後にインフルエンザになる?」
「効果は何か月くらい続く?」
「予防効果が40%とは、どういう意味?」
インフルエンザワクチンの効果について、 気になる5つの疑問をわかりやすく解説します。
インフルエンザ感染
出るまでの期間
期間
家族への影響
ワクチンの効果についてよくある質問
ワクチンを受けた直後でも、 インフルエンザになることはありますか?
はい。接種した直後でも、 インフルエンザにかかることはあります。
インフルエンザワクチンを受けても、 すぐに十分な予防効果が得られるわけではありません。
ワクチンを受けると、 体の免疫がインフルエンザウイルスに備える 準備を始めますが、 免疫ができるまでには時間がかかります。
一般に、予防効果が期待できるようになるまでには、 接種後約2週間かかるとされています。
そのため、接種後間もない時期に感染したり、 接種前にすでに感染していたりすることがあります。
ワクチンを受けた後でも、 発熱や咳などの症状が出た場合は、 インフルエンザなどの感染症の可能性があります。
「ワクチンを受けたから大丈夫」 と決めつけず、 症状に応じて医療機関へご相談ください。
インフルエンザワクチンの予防効果は、 いつから期待できますか?
一般に、接種から約2週間が目安です。
ワクチンを受けると、 インフルエンザウイルスに対する抗体など、 体を守る免疫の働きが準備されていきます。
この免疫が十分に働くまでには、 ある程度の時間が必要です。
ただし、 2週間を過ぎれば必ずインフルエンザを 防げるようになる、という意味ではありません。
免疫のつき方には個人差があり、 年齢や健康状態などによっても異なります。
流行が本格化する前に、 余裕をもって接種しておくことが大切です。
ただし、すでに流行が始まっていても、 接種の意味がなくなるわけではありません。
また、2回接種が必要な場合には、 2回目までの予定も考えておきましょう。
ワクチンの効果は、 どのくらい続きますか?
時間とともに効果が弱まることがあります。
ワクチンを受けて得られた免疫は、 ずっと同じ強さで続くわけではありません。
一般に、接種後数か月にわたって 予防効果が期待されますが、 時間が経つにつれて 効果が弱まることがあります。
効果が続く期間は、 年齢や体の状態、 流行するインフルエンザウイルスの種類などによっても 異なります。
インフルエンザワクチンについて、 「効果は約5か月」と説明されることがあります。
しかし、 5か月が経過した日に、 突然効果がなくなるわけではありません。
予防効果は時間とともに変化するため、 全員に共通する明確な有効期限があるわけではありません。
また、インフルエンザウイルス自体も 少しずつ変化しています。
そのため、毎シーズンのワクチン接種が 推奨されています。
インフルエンザワクチンの効果は、 何%くらいありますか?
ワクチンの効果は、 毎年同じではありません。
流行するウイルスの種類や、 ワクチンに含まれる株との一致度、 接種する方の年齢や健康状態などによって変わります。
また、ワクチンの効果を考えるときには、 「発病を防ぐ効果」 「外来受診を減らす効果」 「入院を減らす効果」 などを区別する必要があります。
米国CDCの研究では、 18歳未満の子ども・若者について、 次のような結果が報告されています。
外来受診のリスク低下
入院のリスク低下
※2025/26シーズンの米国における暫定推定値です。
2026/27シーズンの日本でのワクチン効果を
示したものではありません。
※外来受診の推定値は複数の研究ネットワークによるものです。
「効果40%」は、 接種した人の40%しか守られない、 という意味ではありません。
例えば、仮にワクチンを受けていない人の 100人中10人がインフルエンザで受診する状況で、 ワクチンがその受診リスクを40%下げるとすると、 接種した人では100人中約6人が受診する計算になります。
つまり、 接種した集団と接種していない集団で、 病気や受診などが起こるリスクを比較した数字 です。
※100人中10人・6人という数字は説明用の仮定であり、 実際の発病率や研究結果そのものを示していません。
このようにワクチンの効果を評価する研究では、 「何をどのくらい減らしたか」が重要です。
また、ワクチンを接種しても インフルエンザにかかることはありますが、 入院などの重い結果を減らす効果も期待されています。
ワクチンを受けると、 家族など周囲の人への感染も減らせますか?
周囲へ感染を広げる機会を 減らせる可能性があります。
インフルエンザワクチンには、 インフルエンザの発病を減らす効果があります。
自分がインフルエンザにかかるリスクを減らせれば、 家族など周囲の人に感染を広げる機会も 減らせる可能性があります。
ただし、 ワクチンを受けた人が ほかの人にウイルスをうつさなくなる、 というわけではありません。
実際に周囲の人への感染をどの程度減らせるかは、 流行状況や研究条件によって異なり、 効果を一律の数字で示すことはできません。
ワクチン接種と、 日頃の感染対策を組み合わせることが大切です。
- こまめに手を洗う
- 室内を換気する
- 咳エチケットを心がける
- 体調が悪いときは無理をせず休む
- 発熱や咳などがあるときは、周囲との接触をできるだけ控える
特に、小さな赤ちゃんや高齢者、 持病のある方が家族にいる場合は、 周囲の人も感染予防を心がけることが大切です。
インフルエンザワクチンは、 一般に接種から約2週間で 予防効果が期待できるようになります。
効果は時間とともに変化し、 流行するウイルスや年齢などによっても異なります。
ワクチンは、感染や発病を完全に防ぐものではありませんが、 発病や入院などのリスクを減らすための 大切な予防方法のひとつです。
接種後も、手洗いや換気などの 感染対策を続けましょう。
参考情報
- 日本ワクチン学会 「2026-27期の季節性インフルエンザワクチンの接種に関する見解」
- 厚生労働省 「令和8年度 急性呼吸器感染症(ARI)総合対策に関するQ&A」
- CDC 「Interim Estimates of 2025–26 Seasonal Influenza Vaccine Effectiveness」 (MMWR、2026年3月12日)
- CDC 「Key Facts About Seasonal Flu Vaccine」
- CDC 「Pink Book, Chapter 12: Influenza」
※このページは一般的な情報をまとめたものです。 ワクチンの効果は流行状況、 年齢、健康状態などによって異なります。
情報確認:2026年10月
抗インフルエンザ薬の Q&A
抗インフルエンザ薬の違い・よくある質問
「5日間飲む薬と、1回だけ飲む薬は何が違うの?」
「吸入薬と飲み薬、どちらがいいの?」
「子どもにも同じ薬を使うの?」
インフルエンザの治療薬には、いくつかの種類があります。 使い方や特徴、注意することなどについて、 患者さんからよく寄せられる疑問をわかりやすく解説します。
抗インフルエンザ薬は、 インフルエンザウイルスが増えるのを抑える薬です。
使う回数が少ない薬ほど、 必ずよく効くというわけではありません。
年齢や体重、症状、持病、 薬を確実に使用できるかなどを考えて、 適した薬が選ばれます。
抗インフルエンザ薬には、どんな種類がある?
主に使われる抗インフルエンザ薬には、 飲み薬、吸入薬、点滴薬があります。
| 薬の名前(成分名) | 使い方 | 通常の治療 |
|---|---|---|
| タミフルなど (オセルタミビル) |
飲み薬 | 1日2回、5日間 |
| ゾフルーザ (バロキサビル) |
飲み薬 | 1回の服用 |
| リレンザ (ザナミビル) |
吸入薬 | 1日2回、5日間 |
| イナビル (ラニナミビル) |
吸入薬 | 通常1回 |
| ラピアクタ (ペラミビル) |
点滴薬 | 通常1回。病状によって繰り返す場合もあります。 |
※一般的な治療方法です。年齢、体重、腎機能、病状、製剤などによって異なる場合があります。
※イナビルには粉末を吸入する製剤のほか、
ネブライザ(吸入器)を使用する製剤もあります。
薬の特徴と違いについてのQ&A
気になる質問をタップすると、回答が表示されます。
Q1 5日間飲む薬と、1回だけ飲む薬は何が違うの?
タミフルなどは通常、1日2回、5日間飲みます。 一方、ゾフルーザは1回の服用で治療が終わります。
どちらもインフルエンザウイルスの増殖を抑える薬ですが、 ウイルスへの働き方や薬の体内での働き方が異なるため、 使い方にも違いがあります。
「1回だけだから強い」 「5日間飲むから弱い」 という単純な違いではありません。
Q2 1回で済む薬の方が、よく効くの?
必ずしもそうではありません。
薬を使う回数だけで、 効果の優劣を決めることはできません。
薬によって効果や注意点が異なり、 A型・B型などのウイルスの種類や、 患者さんの年齢によって、 選び方が変わることもあります。
1回で済む薬には、 飲み忘れが少ないという利点がありますが、 すべての方に適しているわけではありません。
使いやすさだけでなく、 その方に適した薬を選ぶことが大切です。
Q3 インフルエンザの薬は、飲み薬だけなの?
飲み薬のほかに、吸入薬や点滴薬もあります。
1回で治療が終わる薬もあれば、 数日間続けて使用する薬もあります。
飲み薬や吸入薬の使用が難しい場合や、 症状が重い場合などには、 点滴薬が検討されることもあります。
患者さんの状態に合わせて、 使用する薬が選ばれます。
Q4 吸入薬と飲み薬、どちらがいいの?
どちらかが必ず優れているというわけではありません。
吸入薬は、 決められた方法で薬を正しく吸い込むことが大切です。
小さなお子さんなどでは、 吸入が難しい場合があります。 また、喘息などの呼吸器の病気がある方では、 注意が必要な吸入薬もあります。
吸入薬にはネブライザを使用する製剤もあり、 使用方法は製剤によって異なります。
無理なく、確実に使える方法を選ぶことが大切です。
Q5 子どもと大人では、使う薬が違うの?
お子さんの場合は、 年齢や体重、吸入できるかどうかなどを考えて 薬が選ばれます。
特にゾフルーザは、 小さなお子さんほど薬が効きにくいウイルスが 現れやすいことが問題となっています。
日本小児科学会の2025/26シーズンの指針では、 ゾフルーザについて、次のような考え方が示されています。
- 5歳以下: 積極的な使用は推奨されていません。 ただし、B型では使用を考慮する場合があります。
- 6~11歳: B型では使用が提案されています。 A型では慎重な判断が必要です。
- 12歳以上: 他の抗インフルエンザ薬と同様に推奨されています。
子どもの薬は、年齢だけでなく、 ウイルスの型や体の状態も考えて選びます。
※上記は日本小児科学会2025/26シーズンの 治療上の推奨です。 薬の添付文書に記載されている使用条件とは異なります。
Q6 A型とB型で、使う薬は違うの?
現在よく使われる主な抗インフルエンザ薬は、 A型とB型の両方に使用できます。
ただし、薬によって効果や注意点に 違いがみられることがあります。
例えばゾフルーザについては、 B型インフルエンザに対する効果を示した研究があり、 日本小児科学会の指針でも、 子どもの治療薬の選択にA型・B型の違いが反映されています。
インフルエンザの型だけではなく、 年齢や症状なども考えて薬が選ばれます。
※A型にのみ作用するアマンタジンという薬もありますが、 現在は多くのインフルエンザウイルスに耐性がみられるため、 通常の季節性インフルエンザの治療では 使用される機会が少なくなっています。
治療中によくあるQ&A
Q7 薬を使うと、どのくらい早く治るの?
抗インフルエンザ薬を発症後48時間以内に使用すると、 発熱している期間が通常1~2日程度短くなることが期待できます。
ただし、薬を使えばすぐに熱が下がるわけではありません。
効果には個人差があり、 咳やだるさなどの症状が続くこともあります。
薬による治療だけでなく、 十分な休養や水分補給も大切です。
Q8 発症から48時間を過ぎたら、薬は使えないの?
抗インフルエンザ薬は、 一般に発症後48時間以内に使い始めた方が 効果を期待しやすくなります。
ただし、 48時間を過ぎると、 すべての方で使用できなくなるわけではありません。
症状が重い場合や、 重症化するリスクが高い場合などには、 48時間を過ぎても治療が検討されることがあります。
症状が悪化している場合には、 時間だけで判断せず、医療機関にご相談ください。
Q9 熱が下がったら、5日間の薬を途中でやめてもいいの?
熱が下がっても、 自己判断で薬を中止しないことが大切です。
5日間飲むように指示された薬は、 決められた期間、指示どおりに服用してください。
ただし、副作用が疑われる場合や、 薬を飲めない場合には、 無理に続けず、医師・薬剤師にご相談ください。
Q10 薬を使うと、異常行動が起こるの?
インフルエンザにかかった際には、 突然走り出す、外に飛び出そうとするなどの 異常行動が報告されています。
こうした行動は、 抗インフルエンザ薬を使用していない場合にも 起こることがあります。
そのため、薬の種類や使用の有無にかかわらず、 注意が必要です。
特にお子さんや未成年者では、 少なくとも発熱から2日間は、 窓や玄関の施錠など、 転落事故を防ぐための対策を行ってください。
Q11 インフルエンザの薬は、必ず使わないといけないの?
すべての方に必ず必要というわけではありません。
インフルエンザは、 多くの場合、自然に回復する病気です。
一方、小さなお子さん、高齢者、 妊娠中の方、持病のある方、 症状が重い方などでは、 抗インフルエンザ薬による早めの治療が 重要になる場合があります。
薬を使用するかどうかは、 症状や重症化するリスクなどを考えて 医師が判断します。
Q12 薬を飲めば、家族にうつさなくなるの?
抗インフルエンザ薬を使用すると、 体から排出されるウイルスの量が 減ることがあります。
しかし、 薬を使用したからといって、 すぐに周囲の人にうつさなくなるわけではありません。
熱が下がったあとも、 感染させる可能性があります。
薬を使用している間も、 手洗いや換気、咳エチケットなどを続けてください。
Q13 妊娠中や授乳中でも、インフルエンザの薬を使えるの?
妊娠中はインフルエンザが重症化することがあるため、 早めの相談と治療が重要です。
オセルタミビル(タミフルなど)は、 妊娠中の使用経験や研究が比較的多く、 治療薬として優先的に検討されます。
一方、ゾフルーザについては、 妊娠中・授乳中の使用に関する情報が 十分ではありません。
妊娠中や授乳中であることを医師・薬剤師に伝え、 自己判断で薬を選ばないようにしてください。
Q14 飲み忘れたら? 吸入がうまくできなかったら?
5日間飲む薬を飲み忘れた場合は、 2回分をまとめて飲まないようにしてください。
気づいた時刻や次の服用時刻によって、 対応が異なる場合があります。
薬の説明書を確認し、 迷った場合は薬剤師にご相談ください。
また、1回で治療が終わる薬をうまく飲めなかった場合や、 吸入薬を十分に吸えなかった場合も、 自己判断で追加使用しないようにしてください。
使用した量や状況を伝えて、 医療機関や薬局にご相談ください。
このような症状がある場合は、早めに医療機関へ
抗インフルエンザ薬を使用していても、 次のような症状がある場合は注意が必要です。
- 息苦しい、呼吸が苦しい
- 意識や反応がいつもと違う
- 水分がほとんどとれない
- ぐったりしている
- 症状が悪化している
症状が重い場合は早めに医療機関を受診してください。 意識障害や強い呼吸困難など、 緊急性が高い場合は119番をご利用ください。
抗インフルエンザ薬には、 飲む回数や使い方、 適した年齢、注意点などに違いがあります。
1回で治療が終わる薬が、 必ずしもすべての方にとって 一番よい薬というわけではありません。
処方された薬は指示どおりに使用し、 使い方で困った場合や、 気になることがある場合は、 薬剤師にご相談ください。
参考情報
- 日本小児科学会 「2025/26シーズンのインフルエンザ治療・予防指針」
- 厚生労働省 「令和8年度 急性呼吸器感染症(ARI)総合対策に関するQ&A」
- PMDA「医療用医薬品情報検索」
- CDC「妊娠中のインフルエンザ抗ウイルス薬治療」
情報確認:2026年10月
薬の使用方法や学会の推奨は、
今後変更される場合があります。
実際の治療では、医師・薬剤師の指示に従ってください。





