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不眠症のセルフケア
不眠症のセルフケア|がんばりすぎない、眠りを整えるコツ
「早く寝ようと思っても、眠れない」
「夜中に目が覚めると、眠れなくなる」
「8時間眠らないと、体に悪いのでは?」
眠りのことで悩んでいると、 「ちゃんと眠らなければ」と 焦ってしまうこともあります。
でも、眠りは頑張るほど うまくいくものではありません。
大切なのは、無理に眠ろうとすることではなく、 眠りやすい生活や環境を少しずつ整えることです。
今の生活の中で取り入れられそうなことから、 一つずつ試してみましょう。
1.「8時間眠らなければ」と考えすぎない
必要な睡眠時間には個人差があり、 年齢によっても変化します。
「誰でも8時間眠る必要がある」 というわけではありません。
成人では、おおむね6~8時間が 睡眠時間の目安とされていますが、 個人差があります。
また、年齢とともに、 実際に眠れる時間が短くなることもあります。
まず意識したいこと
- 睡眠時間だけで良し悪しを判断しない
- 朝、休養がとれた感じがあるか確認する
- 日中の強い眠気や疲労感にも目を向ける
こんな考え方も
「昨日は6時間しか眠れなかった」 ではなく、 「今日は日中、どんな調子だったかな?」 と考えてみましょう。
2.朝は、起きる時刻を整えてみる
眠りを整えるうえで、 朝の過ごし方は大切です。
毎朝できるだけ同じ時刻に起きることで、 睡眠と覚醒のリズムを保ちやすくなります。
また、朝の光は体内時計を整える助けになります。
取り入れやすい工夫
- 起きる時刻を大きくずらさない
- 朝、カーテンを開ける
- 可能なら朝に少し屋外へ出る
毎日同じ時刻に起きるのが難しい方へ
仕事や家庭の事情などで、 同じ時刻に起きられないこともあります。
無理に生活を変えるのではなく、 できる範囲で起床時刻のばらつきを 小さくすることから始めましょう。
3.日中は、少し体を動かしてみる
日中の適度な運動は、 睡眠の質を整える助けになります。
激しい運動をする必要はありません。
散歩や体操など、 自分の体力や体調に合った運動を 続けることが大切です。
例えば、こんなことから
- 日中に10分ほど散歩してみる
- 買い物のときに少し歩く
- 室内で軽い体操をする
- 座っている時間をときどき区切る
※10分は取り組み始めるための一例で、 不眠症の治療効果が保証される時間ではありません。
運動が苦手な方へ
最初から毎日運動する必要はありません。
普段より少し体を動かす機会を増やすなど、 無理のない方法を選びましょう。
4.昼寝をするなら、短めに
昼寝は、午後の眠気を和らげるのに 役立つことがあります。
一方、長時間の昼寝や夕方以降の仮眠は、 夜の眠りを妨げることがあります。
昼寝の工夫
- 昼寝は午後の早い時間帯に
- 必要なら短時間を目安にする
- 長い昼寝が習慣になっていないか確認する
例えば、15~30分程度の短い昼寝が 参考になります。
ただし、年齢や体調、夜間の睡眠状況によって 適した方法は異なります。
5.夕方以降のカフェインを見直す
カフェインには、目を覚ます働きがあります。
夕方以降に多くとると、 寝つきが悪くなったり、 眠りが浅くなったりすることがあります。
カフェインはコーヒーだけでなく、 緑茶、紅茶、エナジードリンクなどにも 含まれています。
試しやすい工夫
- 夕方以降のコーヒーを控えてみる
- 夜は麦茶などのノンカフェイン飲料を選ぶ
- エナジードリンクの飲む時間と量を確認する
コーヒーが好きな方へ
必ずしもコーヒーを すべてやめる必要はありません。
まずは飲む時間を少し早めたり、 夕方以降だけカフェインレスに 変えたりする方法もあります。
6.寝酒は、眠りのためにはおすすめできません
お酒を飲むと、 眠くなることがあります。
しかし、アルコールは夜中に目が覚めやすくなるなど、 睡眠の質を悪くすることがあります。
いびきや睡眠時無呼吸を悪化させる場合もあります。
睡眠薬とお酒を一緒に使わないでください。
眠気やふらつき、判断力の低下などが 強くなるおそれがあります。
眠るためにお酒を飲む習慣がある場合は、 医師や薬剤師に相談しましょう。
7.寝る前は、少しずつ休息モードに
寝る直前まで仕事やゲームなどをしていると、 気持ちが高ぶったままになることがあります。
また、スマートフォンなどの明るい画面を 長時間見続けることも、 眠りを妨げる場合があります。
取り入れやすい工夫
- 寝る前は部屋の照明を少し落とす
- 落ち着いた音楽を聴く
- 軽い読書などでゆったり過ごす
- スマートフォンを見る時間を少し減らす
スマートフォンを使う方へ
「寝る前は絶対にスマホ禁止」 と厳しく考えすぎる必要はありません。
まずは明るさを下げる、 刺激の強い動画を控える、 寝床で長時間見続けないなど、 取り入れやすい工夫から始めましょう。
8.眠くなってから、寝床に入る
「眠れないから、早めに布団に入ろう」 と思うこともあるかもしれません。
しかし、眠くないのに長時間寝床で過ごすと、 寝床と「眠れない時間」が結びつき、 かえって眠りにくくなる場合があります。
試してみたいこと
- 眠くなってから寝床に入る
- 必要以上に長く寝床にいない
- 寝床では、できるだけ眠ることを中心にする
これらは、不眠症の認知行動療法でも 用いられる考え方です。
ただし、睡眠時間を意図的に短く制限する 専門的な治療は、 自己判断で行わないようにしましょう。
9.眠れない夜は、無理に眠ろうとしない
眠れないときに、 「あと何時間しか眠れない」 と考えるほど、焦ってしまうことがあります。
眠ろうと努力することで、 かえって頭がさえてしまう場合もあります。
眠れないときの工夫
- 何度も時計を確認しない
- 眠れない状態が続くときは、いったん寝床を離れる
- 落ち着ける場所で、静かに過ごす
- 眠気が戻ってから寝床に戻る
「何分眠れなかったら起きる」 と厳密に決める必要はありません。
夜間に移動するのが不安な方へ
高齢の方や、ふらつき・転倒の危険がある方は、 無理に寝床から離れる必要はありません。
まずは安全を優先し、 具体的な方法を医師などに相談しましょう。
10.寝室は、心地よく過ごせる環境に
寝室の明るさ、温度、音なども、 眠りに影響することがあります。
すべてを整える必要はありませんが、 気になることがあれば見直してみましょう。
例えば
- まぶしい照明を避ける
- 暑すぎず、寒すぎない室温にする
- 気になる音をできる範囲で減らす
- 自分に合った寝具を使う
寝室を真っ暗にすると夜間の移動が危険な場合は、 足元灯などを活用しましょう。
11.全部やろうとしなくても大丈夫
眠りを整える工夫をたくさん知ると、 「全部実践しないといけない」 と思ってしまうかもしれません。
でも、一度に生活を大きく変える必要はありません。
まずは一つ、選んでみましょう。
- 朝、カーテンを開ける
- 夕方のコーヒーをカフェインレスにする
- 日中に少し散歩する
- 寝る前に照明を少し暗くする
- 眠れないときに時計を何度も見ない
無理なく取り入れられることからで十分です。
12.セルフケアだけで改善しないこともあります
慢性的な不眠症では、 生活習慣を見直すだけでは 十分に改善しないことがあります。
不眠症の認知行動療法(CBT-I)は、 眠りに関する行動や考え方を 専門的に整える治療法です。
また、症状に応じて睡眠薬が必要になる場合もあります。
眠れないことを、自分の努力不足だと 考える必要はありません。
こんなときは医療機関へ相談しましょう
- 眠れない状態が続き、日中の生活に支障がある
- 強い眠気で仕事や運転に影響している
- 大きないびきや、睡眠中の無呼吸を指摘された
- 脚がむずむずして眠れない
- 気分の落ち込みや強い不安が続いている
- 睡眠薬を使っていても改善しない
日中に強い眠気がある場合は、 車の運転や危険な作業を避けてください。
よくある質問(Q&A)
Q.眠れなかった翌朝は、遅くまで寝ていてもいい?
睡眠不足のときに休息をとることは大切です。
ただし、毎回大きく起床時刻を遅らせると、 睡眠リズムが乱れる場合があります。
無理のない範囲で起床時刻を整え、 日中の強い眠気がある場合は 安全を優先しましょう。
Q.眠れないとき、布団の中で横になっているだけでもいい?
体を休めることには意味があります。
ただし、眠れないまま長時間寝床で過ごすことが、 不眠を長引かせる場合もあります。
眠れないことに焦りを感じる場合は、 安全を確保したうえで一度寝床を離れ、 落ち着いて過ごす方法もあります。
Q.寝る前のスマホは、絶対にダメ?
一律に禁止する必要はありませんが、 明るい光や刺激の強い内容は 眠りを妨げることがあります。
まずは画面の明るさや、 使用する時間・内容を見直してみましょう。
Q.睡眠薬を飲んでいても、セルフケアは必要?
睡眠薬による治療と、 睡眠習慣の見直しは両立できます。
ただし、睡眠薬を服用している場合は、 服用時刻や睡眠時間の確保など、 薬ごとの注意事項を守る必要があります。
自己判断で薬を中止したり、 服用時間を変更したりしないでください。
まとめ|眠りを整えることは、頑張りすぎないことから
- 睡眠時間だけにこだわりすぎない
- 朝の光や日中の活動を大切にする
- 夕方以降のカフェインや飲酒を見直す
- 眠れないときに、無理に眠ろうとしない
- できることから、一つずつ取り入れる
睡眠の悩みが続く場合は、 一人で抱え込まず、 医師や薬剤師へ相談してください。
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不眠症について詳しく知る 不眠症の症状、原因、治療や受診の目安を わかりやすく解説しています。 不眠症のページへ → 睡眠薬にはどんな種類がある? 睡眠薬の4つの種類、 安全な使い方、依存や減薬について 解説しています。 睡眠薬の解説を見る →参考資料
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」「Good Sleepガイド」
- Edinger JD, et al. Behavioral and psychological treatments for chronic insomnia disorder in adults. J Clin Sleep Med. 2021.
- 日本睡眠学会
※本ページは一般的な健康情報です。 病状や服用している薬によって、 適切な対応は異なります。





