2018/04/21 14:15

電子お薬手帳の使い方

 電子お薬手帳の基本的な機能については、こちらのページでお伝えしました。

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 ここでは、実際に使うときの使い方をご説明します。いろんな使い方があるので、ご自身の使いやすい方法、薬局などの対応状況によって、適切な方法を選んでいただくことができます。

  

 また、電子お薬手帳アプリには、複数の種類がありますので、詳細は異なる場合があります。ここでは、基本的な仕組みをご説明します。

 

 

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 まずは、電子お薬手帳アプリに、処方薬などの情報を入力する方法です。

 

 

その1:データ入力

 

① 薬局で発行された QR コードを読み込む

 スマートフォンのカメラを使い、QR コードを読み込んでいただくことで、薬の名前や注意事項を簡単に入力することが可能です。複数の ID を作っている方は、読み込みの時に、該当する人を選択してください。

・どこの薬局でも QR コードに対応しているのか?

 パソコンで入力された領収書を発行している薬局であれば、ほぼ対応可能です(である、はず)。QR コードの印刷場所は、領収書の下部や、薬剤情報提供書の下部、独立した紙など、さまざまですので、それぞれの薬局で発行してもらうときに、ご確認ください。

 

② 手入力

 ①や③ができない場合(対応していない薬局や、病院・診療所内で調剤を受ける場合。入院中の薬の記録など)、手入力をお願いします。文章で薬の名前を入力してください。アプリによって、写真を記録できる場合もあります。

 

③ 薬局からデータ送信

 薬局から、調剤した医薬品の情報を、お使いの方の端末に送信するため、自動的に入力可能となり、入力の手間が楽です。

 ただし、これを行うには、いくつかの条件があります。

(1) アプリ使用者(患者さん側)が、クラウドにデータを保管することに同意すること(アプリの設定やインストール時の同意事項)

(2) 薬局が、データ送信可能な電子お薬手帳のシステムに加盟していること

(3) アプリ使用者が、薬局が患者さんのデータにアクセスする許可を与えること(永続的な許可と一時的な許可の二種類があります)

 

・使用者と薬局が使用する電子お薬手帳アプリが違うとできないのか?

e薬Link」に加盟している電子お薬手帳アプリであれば、相互に参照することが可能です。

 

電子お薬手帳 使いかた.jpg

 

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 携帯していただいた情報、安心・安全の医療をうけるために、医療機関で見せてください。

 

 その2:医療機関で見せる

 

① アプリの画面を見せる

 画面に薬の内容がわかる画面を表示させた状態で、提示してください。医療機関側では、患者さんの許可なく、携帯の操作をすることはありません。

 入院された時など、内容を確認するために、時間を要することも考えられます。その場合、長時間携帯をお預かりすることは、不都合がある場合もあります。その対策として、入院前に、紙媒体で服用薬一覧がわかるものを用意しておくことをおすすめします。具体的には、保管しておいた薬剤情報提供書や明細書を見せる、もしくは、薬局に伝えて、紙に印刷してもらう、などの方法があります。

 

② データを見せる

 その1の③と同様に、データ利用を許可いただいていて、薬局が電子お薬手帳のシステムに加入している場合、薬局が情報保管場所に保存された患者さんの薬の情報を参照することが可能です。この場合、スマホ端末を、医療機関に渡す必要がありません。

 

電子お薬手帳 使いかた ②.jpg

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電子お薬手帳 併用.jpg

 

 

電子お薬手帳の課題

 電子お薬手帳は、主に、処方せんを受け付けて医薬品を調剤している保険薬局が、すすめている仕組みです。ただし、お薬手帳の情報が必要なのは、病院・診療所、歯科診療所、訪問看護ステーション、介護施設など、多岐にわたります。このような薬局以外の施設では、十分に周知されていない点もあるかもしれません(そのあたり、活用をお手伝いするのは、薬剤師としての、今後の課題のひとつです)。患者さんご自身はもちろん、どの職種の方にも、適切に情報を活用していただきたいと思っています。

 また、救急時に、スマホ端末にパスワードロックがかかっていると、せっかくの必要な情報がわからない、という問題もあります。

 その解決策のために、当薬局では、紙のお薬手帳と電子お薬手帳を併用することをおすすめしています。

 

 病院・診療所、歯科診療所、訪問看護ステーション、介護施設など、どの施設でも、ご自身の情報を提示してください。適切な医療・介護うけるために、必要なことです。ご面倒ですが、ご理解とご協力の程、お願いいたします。