2020/02/14 14:00
おくすり Q&A/薬を飲み忘れたときは?
薬の知識 >おくすり Q&A
Q. 薬の飲み忘れに気づいたときはどうしたら良いですか?
A. 次の服用時間まで間隔があるときは、原則、思い出したときに服用してください。
次の服用時間が近いときは、飛ばして、本来の服用時間のときに服用してください。決して、2回分を一度にまとめて飲んではいけません。
ただし、糖尿病の薬など、食事と服用時間の関係に特別な理由がある場合など、思い出したら次の服用時間の時に服用する場合もあります。
薬によっては、厳密に服用することがとても大切です。飲み忘れる場合は、飲み忘れがなくなるような工夫を相談しておきましょう。
薬は指示通りに正しく使うことがとても大切です。
薬を受け取るときに、薬の使い方についても十分に説明をうけ、わからないことは尋ねましょう。
また、薬と一緒にお渡しする、下記のものにも使い方を記していますので、わからなくなった時には、見てご確認いただけます。
・薬袋(薬を入れている袋のことです。「やくたい」と読みます。)
・薬剤情報提供書
・お薬手帳
薬を受け取って、家に帰ったら、まず、薬の実物と説明書きの内容を照合して、正しいお薬・数量であることの確認をお願いします。
ただし、薬の種類やの見方もいろいろとあるため、わからなったり、飲み忘れたりすることもあると思います。
内服薬を飲み忘れたときの基本的な考え方は、以下の通りです。ただし、薬には例外もありますので、あらかじめ尋ねておきましょう。
次の服用時間まで間隔があるときは、原則、思い出したときに服用してください。
次の服用時間が近いときは、飛ばして、本来の服用時間のときに服用してください。決して、2回分を一度にまとめて飲んではいけません。
一般的な目安として、以下のようなことがあります。
1日3回に分けて服用する薬の場合
次の服用時間が例えば2時間後であるときなど、次の服用時間が迫っているときには、1回分を飛ばして、次の服用時間の時に服用してください。
飲み忘れに気づいて服用した後は、次の服用時間まで少なくとも4時間程度は空けるようにしましょう。
1日2回に分けて服用する薬の場合
飲み忘れに気づいて服用した後は、次の服用時間まで、少なくとも6時間程度は空けるようにしましょう。
1日1回服用する薬の場合
その日の内に飲み忘れに気づいた時は、思い出したときにすぐに服用してください。
飲み忘れに気づいて服用した後は、次の服用時間まで、少なくとも8時間程度は空けるようにしましょう。
1日1回就寝前に服用する薬の場合
睡眠薬の場合)次の日の日中に飲み忘れに気づいた時は、飲み忘れた分は飛ばして、また、次の時に服用してください。
そのほかの薬の場合は、次の日の午前中であれば服用してくださいと説明されることもあります。
1週間に一度服用する薬の場合、服用する曜日に応じて、〇曜日までに気づいた時はその時に服用して、その後は、本来服用するはずだった曜日に服用してください、と説明されると思います。
しかし、例外もあります。
例えば、糖尿病の薬の場合は、薬と食事のタイミングが重要です。
食直前服用の薬を飲み忘れたとき、食事をとらないのに薬を服用すると、低血糖をひきおこすことがあります。薬の作用の特長に応じて、気づいた時に服用、もしくは、次の服用まで飛ばすように、との説明がされます。
まずは、飲み忘れないような工夫をすることが大切ですが、飲み忘れたときの対応を、事前に確認しておきましょう。
不整脈の薬やてんかんの薬など、特に、薬を厳密に正しく服用することが大切な薬もあります。
飲み忘れが多い方は、飲み忘れないような工夫も大切です。例えば、以下のような工夫が考えられます。
・食事の支度をするときに、1回分の薬も食卓に出しておく
・目につきやすいところに置いておく(ただし、小さいお子さんがいらっしゃるご家庭では置き場所にご注意ください)
・飲んだか確認できるように、飲んだ後の薬の包装を捨てずにとっておくようにする
・服用時間を知らせるタイマーやアプリを利用する
・家族に頼んで服薬を声掛けしてもらう
薬の数が多いことや服用回数が多く、わかりづらい場合は、わかりやすくする工夫をすることで解決できるかもしれません。
・1回に服用する薬をまとめる「一包化」をする
・お薬カレンダーを使用する
その他、幼稚園・保育園や学校では薬を飲めないから飲んでいなかった、朝はバタバタしているためどうしても飲み忘れるが夜なら忘れない、夜勤があり不規則な生活で服薬をどうしたら良いかわからない、など、いろんな事情があると思います。
正しく服用できるように、個々に合った、最小限の薬の種類・服用回数となるような工夫や、最適な服薬タイミングを工夫することができます。ご自身の状況を伝えて相談してください。
薬剤師として、おひとりおひとりに合った薬物治療ができるようにお手伝いできればと願っています。