2020/02/18 12:00

おくすり Q&A/いつ服用したら良いの?

薬の知識 >おくすり Q&A

 

Q. 薬はいつ服用したら良いですか?

 

A. 内用薬(のみぐすり)の飲み方は、主に、「食前」「食後」「食間」「就寝前」「頓服」と指示されます。これは、一般的に下記のタイミングを指します。

食前: 胃の中に食べ物が入っていない時(食事の1時間前〜30分前)

食後: 胃の中に食べ物が入っている時(食事の後30分以内)

食間: 食事と食事の間(食事の2時間後が目安)

    ※食事中に服用することではありません※

就寝前:就寝30分位前

頓服: 発作時や症状のひどい時

 

ただし、「食前」は飲み忘れる、とおっしゃる方も多いです。その場合、薬の特長に応じて服用タイミングを調節できる場合もありますので、ご自身の状況を伝えて、相談してください。

 

 

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薬を飲むタイミングはいろいろあって、わかりづらい・・・とお思いではありませんか?

タイミングには、どのような意味があるのでしょうか。

 

 

 内服薬(のみぐすり)の場合、服用した後、消化管内で吸収され、全身をめぐって薬効を発揮した後、やがて体外へと排出されます。薬効を発揮するために、ちょうどよい量の薬が体内に存在するように定期的に服用する必要があります。そのため、食事の時間と合わせると、定期的に服薬できるため、服薬のきっかけとして、食事のタイミングが用いられています。(中には、厳密に、時間を指定される薬もあります。)

 

 食事をとると、大切な栄養素を消化し吸収するために、胃からは胃酸が分泌され、消化管はさかんに蠕動運動をして食物を、先へと送り出します。

 

 薬によっては、消化管内に食物があると、薬の吸収が変わってしまい、薬の効果が落ちるなどの可能性があるため、適切な服用タイミングが定められています。

 

 服用タイミングを決める主な理由は、下記の通りです。

 ①食事が薬の吸収に影響するため

 ②薬の効果と食事のタイミングを合わせる必要があるため

 ③薬が胃を荒らすことがあるため

 

 

 

〇 食 前

「食前」とは、胃の中に食べ物が入っていない時(食事の1時間前〜30分前)に服用することです。

 

①食事が薬の吸収に影響するため

 食べ物や胃酸の影響を受ける薬の場合は、食前に服用すると、その影響を受けずに、本来の薬効を発揮することができます。

②薬の効果と食事のタイミングを合わせる必要があるため

 糖尿病の薬の中には、食事で血糖値が上がるため、事前に薬を飲むことで、食事による血糖値上昇を抑えることができます。

 胃の調子を整える薬や、食事中の吐き気を抑える薬などは、食事前に服用することで、食事も進むため効率的です。

 

「食直前」:糖尿病の薬で、早く効く薬の場合は、食直前服用が必要です。この場合、食卓の支度をして、「いただきます」の時に服用してください。(薬の効果が極めて早いため、食事をすぐにとらないと低血糖を招くことがあります。)

 

 

 

〇 食 後

「食後」とは、胃の中に食べ物が入っている時(食事の後30分以内)に服用することです。

 

③薬が胃を荒らすことがあるため

 食事の後は、胃内に食物が存在するため、空腹時と比べて、薬による胃への刺激が少なくなります。そのため、多くの薬では、「食後」服用とされています。

 空腹時に服用すると胃を荒らす可能性がある薬は、食後に服用します。

①食事が薬の吸収に影響するため

 食物と一緒に取ったほうが吸収が良くなる薬の場合は、食後に服用します。

 

食直前:コレステロールの薬や抗真菌薬の一部には、薬の吸収に食事が大きく影響します。吸収率を高めるために、食直後服用が必要です。ごちそうさまのすぐ後に服用してください。

 

 

 

〇 食 間

「食間」とは、食事と食事の間に服用することで、食事の2時間後が服用の目安です。

 

①食事が薬の吸収に影響するため

 空腹時に服用したほうが吸収が良くなる薬の場合は、食間に服用します。

②薬の効果と食事のタイミングを合わせる必要があるため

 空腹時の胃粘膜を保護することが目的の薬の場合は、食間に服用します。

 

◇漢方薬について

 漢方薬の場合、自然由来の植物などが原料であり、微量ずつの有効成分の効果を組み合わせて、薬効がでる薬です。そのため、有効成分の吸収が少しでも良くなるように、食間や食前の服用指示が出ることが多いです。ただし、食前や食間は、服用を忘れることが多いです。長期間にわたり服薬を継続できることを優先して、確実に服用できる食後でも構いません、と指示されることもあります。

 ご自身の状況を伝えて、相談してください。

 

 

 

〇 就寝時

「就寝時」とは、就寝30分位前に服用することです。

※ただし、服薬後は家でゆっくりと過ごしていただくことをお勧めします(帰宅後すぐに就寝するからと、服薬して車で帰宅する、といったことはしないでください)。 

 

 睡眠薬や便秘薬では就寝時の服用が指示されます。

 睡眠薬は、もちろん良質な睡眠を得るために、就寝時に服用します。ただし、薬によっては、薬の効果が出るまでの時間・効果が持続する時間の特長があります。効果が早い薬の場合は、服薬後5~10分後には効果がでるといわれているため、「就寝直前」に服用するように、指示・説明されることがあります。

 便秘薬では、就寝中に薬を効かせて、朝方の排便を期待するために、就寝時に服用することが多いです(中には、1日3回服用する薬もあります)。

 

 

〇 頓 服

「頓服薬」(とんぷくやく)とは、発作時や症状のひどい時のように、症状があるときだけ服用する薬のことです。

 どのようなときに服用すればよいか、事前に確認しておきましょう。

 

 

 この他にも、下記のような服用タイミングがあります。それぞれに、薬の効果や安全性を高めるために工夫されています。指示通りの服用が困難な時には、その旨伝えて、相談してください。

 

〇起床時

 骨粗鬆症治療薬の一つに、朝起きてすぐの空腹状態の時に服用する薬があります。これは、吸収率が極めて低く、胃内に食物や飲料があると、吸収が邪魔されてしまいます。そのため、空腹時に水道水で服用することが必要です。

※「起床時」のため、夜中トイレに目が覚めたときに服用すると誤解されることがあります。胃内が空っぽの時が良いため、朝の起床時に服用してください。

 

〇6時間ごと

 小児の抗生剤など、定期的に服用して、体内の薬の量を維持するために、時間を指示されることがあります。(6というのは一例です)

 

 

 個人の状況に応じて、適切な服薬方法を提案できればと願っています。以下の項目にあたる場合などは、薬の特長などに合わせて、個別に提案したいと思います。ご自身の状況を伝えて、相談してください。

(例)

 ・食事の時間が不規則

 ・夜勤があり、生活リズムが不規則

 ・朝食を食べない