2020/05/26 16:00
こはく/後発医薬品の調剤
後発医薬品の調剤に関する基本方針
当薬局では、
・お薬代の負担が軽くなる(患者負担金の軽減)
・医療費を抑える(医療財政の改善) ため、
ジェネリック医薬品を積極的に採用しています。
オーソライズド・ジェネリック(AG)がある場合は、AG を積極的に採用しています。
①ジェネリック医薬品(後発医薬品)とは
ジェネリック医薬品について解説したページ(https://kohakudo589.com/info/1929925)をご覧ください
②当薬局における基本的な対応
<ジェネリック医薬品(後発医薬品)を調剤する場合>
(1)処方せんに、後発医薬品名が記載されている場合
処方せんに記載されている通りの、ジェネリック医薬品を調剤します。
(ただし、在庫や調達の問題で、他銘柄になる可能性もあります)
ただし、患者様が先発医薬品を希望される場合、処方医に確認したうえで、先発医薬品に変更できます。
(2)処方せんに、一般名で記載されている場合(【般】などの記載があります)
ジェネリック医薬品を調剤します。
この場合、製品の情報(製剤加工の特長や大きさなどが異なるため)、価格、安定流通や調達の問題などを考慮したうえで、適切な製剤を選択します。
(3)処方せんに、先発医薬品名が記載されている場合
処方せんに先発医薬品名が記載されているが、「変更不可欄」にチェックがない(=処方医が変更可能である旨を明示している)場合、患者さんのご意向をお伺いしたうえで、ジェネリック医薬品を調剤します。
<先発医薬品を調剤する場合>
(1)処方せんに、先発医薬品名が記載されている場合
先発医薬品を調剤します。
(2)処方せんに、一般名や後発医薬品名が記載されている場合
患者様が先発医薬品を希望される場合、処方医に確認したうえで、先発医薬品を調剤します。
③当薬局における基本的な考え方
<ジェネリック医薬品をおすすめする場合>
・オーソライズド・ジェネリック(AG)である場合
AG とは、ジェネリック医薬品メーカーが、先発医薬品メーカーに特許を与えられて、
先発医薬品と、同じ原薬、同じ添加物、同じ製法で製造することができる後発医薬品のことです。
ただし、AG にもいくつかの種類があります。その中でも、先発品と同じ製法で、同じ工場で製造された AG がある場合は、積極的に採用しています。
・ジェネリック医薬品に製剤上の利点がある場合
先発医薬品が販売されて特許期間が切れるまでの間に、製剤技術は向上しているため、先発医薬品にない特徴を有する製剤も存在します。(例)より小さい、溶けやすい(飲みやすい)、先発医薬品はカプセル剤だが後発医薬品は錠剤など
・先発医薬品が高価な場合
<ジェネリック医薬品を使用する場合>
・ジェネリック医薬品が存在する医薬品の場合(一般的に)
・患者様から、ジェネリック医薬品を希望する旨を伺った場合
保険証やお薬手帳に、「ジェネリック医薬品を希望します」とのシールが貼付されている場合などは、積極的にジェネリック医薬品を対応しています。
<基本的に製品変更をしない場合>
・特殊な工夫が施された製剤の場合
徐放製剤など、錠剤の溶け方などに、特別な工夫が施された製剤があります。この場合は、製剤を変更すると”溶け方”が変わる可能性もあるため、慎重に個別対応しています。
基本的には、先発医薬品をジェネリック医薬品に変更したり、ジェネリック医薬品を他のメーカーに変更したり、極力しないようにしています。(製剤変更はおすすめしていません)
・外用薬の場合
外用薬の場合、主成分以外の添加物にも重要な意味があります。
例えば、貼付薬の場合、主成分以外の基剤が変わると、剥がれやすさやかぶれやすさが変わる可能性があります。軟膏剤は、水分を吸収するなど、主成分以外には重要な役割があります。
そのため、基本的には、製剤変更はおすすめしていません。
・患者様の状況を考慮した場合
これまでに副作用歴やアレルギー歴がおありの場合、慎重に個別対応しています。
例えば、「アスピリン喘息」(解熱鎮痛薬喘息)がある方は、原因物質である解熱鎮痛薬を避けることはもちろんですが、添加物のひとつの、ある色素にも反応する場合があります。そのような場合は、医薬品の添加物にも十分に注意する必要がありますので、製剤変更はおすすめしません。
当薬局では、患者様のご意向を第一に、医薬品の特長を考慮したうえで、最善の方法を選択するお手伝いをしたいと思っています。
もし、ご不明な点がございましたら、お問合せください。
記事作成日:2020年5月26日