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2019-02-26 09:00:00

薬の使い方/点眼薬

薬の知識 >薬の正しい使い方 >点眼薬

 

点眼薬を使う目的

 点眼薬は、目の病気の治療や、目の疲れ・かゆみを鎮めるために、直接、目に滴下して使用する薬です。

 

点眼薬の特長

 

・無菌状態で製造されています

 いろんな剤型の医薬品の中でも、注射剤と点眼薬のみが、無菌状態で製造することが義務づけられているほど、厳密に製造されています。

 ただし、開封されるまでは、無菌状態ですが、いったん開封した後、使用する際に、容器の先端が直接目などに触れるなどした場合、目ヤニや涙液などが容器内に吸い込まれて汚染され、浮遊物や濁りを生じる場合がありますので、使用方法・保管方法には、ご注意ください。

 

・汚染を防ぐための工夫が施されています

 開封後に、使い方次第で、点眼薬が汚染する危険性があります。

 汚染を防ぐために、防腐剤の添加、もしくは、1回使い切り型、容器の工夫などが行われています。複数使用する点眼薬の多くには防腐剤が添加されています。防腐剤は人体に影響を与えない程度の濃度で添加されていますが、長期使用や過敏症の方の場合は、防腐剤にも配慮が必要です。その場合、防腐剤フリーの点眼薬を使用します。

 1回使い切りの点眼薬は、防腐剤を添加していません。1回使い切りの点眼薬は、1回使ったら、残液は廃棄し、再使用してはいけません!もったいないと感じると思いますが、防腐剤が添加されていないため、残液は細菌などに汚染されている可能性がありますので、必ず用法を守ってください。

 

点眼薬の使用方法のポイント (原則)

 

・基本的に、点眼は1滴で十分です

 1回の点眼量は、1滴を確実に点眼できた場合は、片眼1滴ずつで十分です。それ以上点眼しても、眼の外にあふれたり、鼻涙管を通って鼻に排出されます。

 ただし、確実に効果を発揮することを目的に、複数滴点眼することが指示される場合もありますので、説明を受けた内容をよく確認してください。

 点眼した後。瞬きをパチパチとすると、点眼した薬液は、鼻に排出されてしまいます。鼻に排出された薬液は、血管から吸収され全身性の副作用の原因になる場合があります。これを防ぎ、眼で十分に薬効を発揮させるためには、点眼後、しばらく目を閉じるか、目頭を押さえるようにします。

 目からあふれた薬液は、清潔なガーゼやティッシュで拭き取ってください。

 

・点眼瓶の先やキャップの蓋がまつげや眉毛に触れないようにしましょう

 

・複数の点眼薬を使用する場合は、最低5分は間隔をあけてください

 複数の点眼薬を続けて点眼すると、後に点眼した薬によって洗い流されてしまい、十分な効果が得られないことがあります。少なくとも、5分は間隔をあけてください。

 点眼薬によっては、滞留性を向上させた製剤など、必ず最後に点眼するようにとの指示がある場合があります。説明を確認し、その通りに、正しく使用してください。

 

・点眼時、原則として、ソフトコンタクトレンズは外してください

 点眼薬によって、コンタクトレンズを装用したまま使用できるものと、コンタクトレンズを外してから使用するものがあります。

 コンタクトレンズは、点眼薬の成分を吸着する場合があります。特に、ソフトコンタクトレンズは、吸着しやすく、レンズに影響を及ぼす場合があります。

 

花粉症による目の痒み(アレルギー性結膜炎)のために、点眼薬を使用する場合

 コンタクトレンズをメガネにすると、眼内(結膜)内にはいってくる花粉の量が減少するため、症状が軽くなることが期待されます(下図参照 [1])。そのため、花粉症の方の場合には、花粉症の時期には、可能であれば、メガネの使用をお勧めします。

花粉症とメガネの効果.jpg 

 ただし、花粉症用のメガネでは、メガネの上下のカバーが、通常のメガネに比べて顔面に近いところまでせり出している構造をしています。そのため、子ども用の花粉防護メガネを装用して遊んでいるときに友達とぶつかって、眼の上にカバーが当たってケガをした事例も報告されています [2]。運動時の使用には、ご注意ください。

 

点眼薬の保管方法

 

・直射日光を避け、涼しいところに保管しましょう。遮光袋が付属されている場合は、必ず袋に入れて保管しましょう

 また、容器を貫通して揮発成分が、混入する危険性があります。容器にマジックで文字を書いたり、防虫剤・湿布の近くに保管しないようにしましょう。

 

・凍結させないようにしましょう

 特に指示がない場合、室温で保管できる点眼薬が多いです。冷蔵庫内に保管するよう指示された場合も、凍結しないように注意しましょう。

 

・開封後はできるだけ速やかに使用しましょう

 容器に記載している使用期限は、未開封の場合の期限です。開封後は、説明を受けた通りに用法・用量を守って使用しましょう。

 

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参考資料)

1) 大久保公裕(監):「的確な花粉症の治療のために(第2版)」、平成22年度厚生労働科学研究補助金 免疫アレルギー疾患予防・治療研究事業 公益財団法人日本アレルギー協会事業より、2015年3月31日、第2版.https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000077514.pdf

2) 独立行政法人国民生活センター:「子ども用の花粉防御眼鏡による顔のケガに注意」、平成25年2月21日.http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20130221_2.pdf