2022/01/06 12:00

新型コロナウイルス感染症の無料検査について

新型コロナウイルス感染症の無料検査について

新型コロナウイルス感染症のオミクロン株による第6波が見られる中、みなさまも不安な日々をお過ごしのことと存じます。

テレビなどで、「無料検査」のことを目にされた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

都会だけでしか受けられないの?など、思われている方もいらっしゃると思いますので、無料検査の仕組みについて、ご説明します。

 

 

無料検査は、国の政策である「ワクチン・検査パッケージ制度」のもとで、2021年12月から実施されています[1]。

「ワクチンの接種歴」や「検査結果」を確認して、感染症対策をとりながら、行動緩和をしましょう、というものです。

感染症対策をとりながら、日常生活をとり戻し、経済活動の回復を目標にしています。

 

国の政策のもと、各都道府県ごとに行われていますので、お住まいの都道府県ごとに詳細は異なる可能性があることをご了承ください(当方、長崎県の内容だけしか把握していません)。

長崎県では、大きく2つの柱からなります。

(1)ワクチン・検査パッケージ等定着促進事業・・・ワクチン接種できない人への検査(R4.3.31まで)

(2)感染拡大傾向時の一般検査事業・・・感染拡大の傾向が見られるときの検査(知事が必要と認める期間)

 

 

◯対象者:誰が無料検査をうけることができるのか?

都道府県ごとに実施されるので、その地域の感染症の流行状況によって変わります。

(長崎県[2]での現時点の情報をご紹介しています)

ーーー

【通常時】の対象者

・病気を抱えていることや副反応の懸念など、健康上の理由でワクチン接種ができない

12歳未満の方

ーーー

【感染症拡大時】の対象者

感染症が不安な方

ーーー

 

その地域の感染症の流行状況によって、無料検査の対象は異なります。

 

地域では感染症が流行していない、「通常時」は、下記の「ワクチン接種をすることができない方」が、無料検査の対象です。

 ・基礎疾患やワクチンに対する副反応が心配されるなど、健康上の理由からワクチン接種ができない方

 ・12歳未満の方(ワクチン接種の対象外であるため) ※未就学の方は検査不要

ワクチン接種が完了している方は、無料検査の対象外とされています。

 

その地域で感染症が流行している場合、感染症の不安がある方は、誰でも無料検査を受けられるようになります。この場合、ワクチン接種の有無は関係ありません。

流行状況に合わせて、検査検査対象をどうするか、行政から発表されると思いますので、お住まいの地域の行政からの発表を、しっかりと確認してください。

 

◯ワクチンを接種したが、検査を受けたい

【通常時】無料検査の対象ではありませんが、自費で検査を受けることはできます。

【感染症拡大時】感染の不安がある方は、ワクチン接種歴にかかわらず、無料検査を受けることができます。

 

◯症状がある場合はどうしたら良いのか?

この制度では、「無症状の方」が対象です。

のどが痛い、咳が出るなど、少しでも気になる症状がある方は、かかりつけの医療機関を受診してください。

ただし、必ず、事前に電話など連絡して、医療機関の指示の通りにしていただくよう、お願いします。

かかりつけの医療機関がない方は、「受診・相談センター」に相談してください。[3]

(※長崎県内の受診・相談センターの連絡先は、こちらから調べることができます)

 

◯どんな検査を受けることができるのか?

・PCR 検査などの遺伝子増幅検査

・抗原定量検査

・抗原定性検査

この制度では、上記3つとも対象です。

「いつ検査結果が必要なのか」など、ご自身の状況に合わせて、検査方法を選択してください。検査場所で、事前に相談すると良いでしょう。

 

◯どこで検査を受けることができるのか?

長崎県では、ホームページで情報を公開しています。[2]

(※長崎県における「ワクチン・検査パッケージ制度」はこちらから調べることができます)

「無料検査場所」をみると、長崎県内の情報がまとめられています。専用ブース・民間検査機関・薬局に設置されています。

場所ごとに、受けられる検査の種類は異なります。

検査場所では、①無料検査、②自費検査、③抗原定性検査キットの販売、のいずれかが可能です。さらに、①②も対象の検査が、上記3種類ありますので、よく相談してください。

 

どちらでも予約は不要とされていますが、事前に検査場所に連絡をされることをお勧めします。

 

※自費検査の場合、検査キットを取り寄せて、自宅で検体採取を行うことができますが、この制度を使用する無料検査の場合は、原則として、スタッフがいるところで、自分で検体を取るように決められています。

 

◯検査はどのようにするのか?

ご自身でしていただく作業がいくつかあります。

 

上記のように、長崎県内には、無料検査場所がいくつか設置されています。

そこは、病院ではありませんので、スタッフが検体を取ることはできません。

例えば、PCR 検査の場合、唾液を検査用の容器にとって、袋に入れ、封をするところまでは、検査を受ける方が自分自身でしなければなりません。

 

◯検査前の注意点は?

正しい検査結果がえられるように、事前に説明される注意点がいくつかあります。

検査前に、飲食をさけたり、のど飴などを使わないことなどがあります。

 

◯検査時に必要なもの

・身分証明書

(マスク着用・手指消毒など、感染対策に気をつけて、おでかけください)

無料検査の場合、費用はかかりません。

また、検査結果は、希望する方法で受け取ることができます。郵送でも可能ですが、届くまでに時間がかかるなどの都合もありますので、よく相談されてください。メールでも受け取ることができますので、メールアドレスをすぐわかるようにしておくか、スマートフォンを忘れずに持っていき、その場で手続きをされると便利です。

 

 

 

 

ご不明な点は、お問い合わせください。

 

 

 

参考資料)

1)内閣官房:新型コロナウイルス感染症対策特設ページ https://corona.go.jp >国民の仕事や生活の安定・安心を支える日常生活の回復(ワクチン・検査パッケージ)

2)長崎県ホームページ https://www.pref.nagasaki.jp >新型コロナウイルス感染症について >ワクチン・検査パッケージ制度

3)長崎県ホームページ https://www.pref.nagasaki.jp >新型コロナウイルス感染症について >発熱などの症状がある場合の相談(受診・相談センター)

 

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(追記)

1月6日の知事の記者会見で、感染拡大傾向時の一般検査事業を開始することが発表されました。

長崎県のホームページ内、「感染拡大傾向時の一般検査事業にかかる無料検査実施場所」に掲載されていましたので、お伝えしておきます。 

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(追記)

・「感染拡大傾向時の一般検査事業」が、3月31日まで延長されることが発表されました。

2022/01/06 09:00

アンチ・ドーピング④ アンチ・ドーピング規則違反

アンチ・ドーピング④

何が、アンチ・ドーピング違反なのでしょうか?

禁止されている物質を使うことだけが、違反なのでしょうか?

 

 

今回は、アンチ・ドーピング規則違反について、ご説明します。

 

 

◯どんなことがアンチ・ドーピング規則違反になるのか?

 

世界アンチ・ドーピング規程(CODE)では、アンチ・ドーピング規則違反として、次の11項目が定義されています。

 

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 1. 採取した尿や血液に禁止物質が存在すること

 

 2. 禁止物質・禁止方法の使用または使用を企てること

 

 3. ドーピング検査を拒否または避けること

 

 4. ドーピング・コントロールを妨害または妨害しようとすること

 ※ドーピング・コントロールとは、ドーピング検査の一連の流れのことを指します

 

 5. 居場所情報関連の義務を果たさないこと

 ※あらかじめ指定されたアスリートは、自身の居場所情報を専用のシステムを通して提出、更新する必要があります

 

 6. 正当な理由なく禁止物質・禁止方法を持っていること

 

 7. 禁止物質・禁止方法を不正に取引し、入手しようとすること

 

 8. アスリートに対して禁止物質・禁止方法を使用または使用を企てること

 

 9. アンチ・ドーピング規則違反を手伝い、促し、共謀し、関与する、または関与を企てること

 

10. アンチ・ドーピング規則違反に関与していた人とスポーツの場で関係を持つこと

 

11. ドーピングに関する通報者を阻止したり、通報に対して報復すること

 ※「報復」とは通報する本人、その家族、友人の身体、精神、経済的利益を脅かす行為

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ドーピング検査では尿検査・血液検査を行い、体内に禁止物質を使用した痕跡がないかを調べます。

検査の結果、体内に禁止物質が存在することが判明した場合、アンチ・ドーピング規則違反になることはもちろんですが、それ以外にも規則違反の項目が、合計11項目定められています。

体内に禁止物質が存在することが判明した場合、それは規則違反です。たとえ、意図的に使用したのではなく、非意図的に使用したとしても、禁止物質が存在する時点で違反になります。「知らなかった」では済まされません。

さらに、使用だけでなく、使用を企てること、ドーピング検査の一連の流れ(ドーピング・コントロール)を邪魔すること、他のアスリートに有害な行為をすることも違反として定められています。また、サポートスタッフも違反として罰せられる可能性もあります。

 

これまで10項目が定められていましたが、2021年1月から、11番目の項目が追加されました。ドーピングに関する通報を邪魔することも、規則違反として、明記されました。もし、周りにドーピングを疑うようなことがあれば、通報してください。通報先は、日本スポーツ振興センターの「ドーピング通報窓口」です。匿名での通報も可能ですのでご安心ください。

日本スポーツ振興センタードーピング通報窓口専用サイトhttps://www.report-doping.jpnsport.go.jp/form/

 

 

◯違反したらどうなるのか? 

 

違反が確定すると、アスリートやサポートスタッフは、厳しい制裁を受けることになります。

・成績の取り消し

・資格の取り消し

・チームへの制裁

試合の成績が取り消されるだけでなく、資格も取り消されることもあります。

資格が停止になると、競技会への参加やトレーニングができなくなるという、アスリートとしての活動だけでなく、コーチとして後輩を指導したり、ボランティア活動を含む、一切のスポーツに関する活動ができなくなります。また、このような個人に対する制裁だけではなく、チームにも制裁が加えられる場合があります。チームの中に3人以上の違反があった場合、チームに対してドーピング検査の実施や成績取り消しなどの制裁が課せられる場合もあります。

 

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まとめ

◯禁止物質・方法を使用するだけがドーピングだけではありません

◯規則違反を犯した場合、厳しい制裁が課せられます

◯違反を犯した一人だけの問題ではありません

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①ドーピングとは? 

②アンチ・ドーピングのルール 

③ドーピング検査の種類 

④アンチ・ドーピング規則違反 (今回)

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アンチ・ドーピング③  ドーピング検査の種類

アンチ・ドーピング③  ドーピング検査の種類

前回は、アンチ・ドーピングのルールについて、お知らせしました。

 

ルールを守って公正にスポーツを楽しむことは、全てのアスリートに共通の権利であるといえます。

しかし、アスリートの競技レベルによって、アンチ・ドーピングについて知らなくてはならないルールや求められる行動も異なります。

 

まず、2つのドーピング検査について、ご説明します。

前回、ドーピング検査は、「競技会検査(ICT)」「競技会外検査(OOCT)」に大別できることをお伝えしました。

 

競技会検査とは、名前の通り、競技会、つまり、オリンピックや国体など、試合の後に行われる検査です。

対象になるのは、ドーピング検査が実施される試合に出場する選手全員です。

試合後に、検査対象となったことの通告を受けた選手は、ドーピング検査を行います。

 

なお、参加する試合でドーピング検査が実施されるか否かは、大会規約に必ず記載されています。

例えば、国体の場合、「開催基準要項」の中に、アンチ・ドーピング活動の実施(ドーピング検査及びアンチ・ドーピング教育・情報提供・啓発活動)が記載されています。

 

競技会外検査とは、競技会以外の時、つまり、日頃のトレーニングをしている時などに、検査員が対象者のところに訪れ、実施される検査です。いつ実施されるか、事前予告はありません

検査員は、JADA から認定され研修を受けた、ドーピング検査員(Doping Control Personnel, DCP)が検体採取手続きを行います。

 

競技会外検査の対象となるのは、「RTP/TP アスリート」です。

RTP/TP とは、RTP(Registered Testing Pool)登録検査対象者リスト、TP(Testing Pool)検査対象者リストのことで、JADA または国際競技連盟(IF)が国内または世界でトップレベルの選手を登録します。これに登録されたアスリートは、居場所情報を提出しなければなりません。

つまり、これに登録されたアスリートは、国内や世界でトップレベルであることの証明であり、日本代表として、常にアンチ・ドーピングに取り組まなければなりません。

 

 

このように、アスリートの競技レベルに応じて、アンチ・ドーピングに関して、知らなければならない情報などが異なります。

以下に、競技レベルと必要とされる行動の大まかなイメージを示します。

 

国際レベルの競技者

・・・アンチ・ドーピングについて最新の情報を知り、常にアンチ・ドーピングに配慮した行動が必要です

・・・病気の治療にも、常に注意が必要です(トップレベルのアスリートは、競技団体の指定医師に相談されていると思います)

 

国内レベルの競技者〔国体や全国大会に出場する競技者〕

・(JADAに登録されている RTP/TP アスリート)

・・・アンチ・ドーピングについて最新の情報を知り、常にアンチ・ドーピングに配慮した行動が必要です

・・・病気の治療にも、常に注意が必要です。治療を受ける時には、アンチ・ドーピングに注意が必要であることを必ず伝えましょう。

・(JADA が指定する競技ごとの国内最高レベルの大会に出場するアスリート)

・・・アンチ・ドーピングについて正しい情報を知り、大会に出場するときには特に、アンチ・ドーピングに配慮した行動が必要です。

・・・大会に出場するときには特に、病気の治療にも注意が必要です。治療を受ける時には、アンチ・ドーピングに注意が必要であることを必ず伝えましょう。どの大会に出場するのか、いつ開催されるかもきちんと伝えましょう。

 

レクリエーション競技者〔国体など全国レベルの大会には出場しない位の競技レベル〕

・・・アンチ・ドーピングについて、基本的なことは理解しておきましょう。(公正なスポーツについて)

・・・健康づくりとスポーツを両立するために、基本的な薬の正しい使い方を理解しておきましょう。

(いくつかの規程がありますので、詳細はきちんと個別に確認願います)

 

サポートスタッフ

・・・アンチ・ドーピングについて、基本的なことを理解した上で、最新の情報に常に注意を払いましょう

 

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まとめ

◯ドーピング検査には、「競技会検査」と「競技会外検査」があります

◯アスリートの競技レベルに応じて、知らなければならないルールや求められる行動が異なります

◯スポーツに関わる人全て(サポートスタッフ含め)には、アンチ・ドーピングについて基本的な知識を持っていていただきたいです

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①ドーピングとは? 

②アンチ・ドーピングのルール 

③ドーピング検査の種類 (今回)

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アンチ・ドーピング② アンチ・ドーピングのルール

前回、「ドーピングとは?」についてお伝えしました。

 

まず、知っておいて欲しいことは、

ドーピングとは、ルールに基づいて公平にスポーツをするという、「クリーンで公正なスポーツを守るための活動」である、ということです。

 

 

アンチ・ドーピングに関するルールは、「世界アンチ・ドーピング規程(CODE)」に定められています。

これは、ドーピングをなくし、クリーンなスポーツに参加するという、全てのアスリートの権利を守るために定められた、全世界・全スポーツの共通のルールです。

これができる以前は、国やスポーツごとにバラバラだったのですが、2004年に統一されました。

これは、アスリートだけでなく、指導者を含むサポートスタッフ競技連盟アンチ・ドーピング機関政府が、共にアンチ・ドーピング活動を行っています。

日本におけるアンチ・ドーピング機関が、公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構(JADA)です。

 

アンチ・ドーピングに気を付けるために、守らなければならないルールが、「世界アンチ・ドーピング規程(CODE)」です。

アンチ・ドーピング③.jpg

 

さらに、世界アンチ・ドーピング規程に付随する国際基準が定められています。

 

◯禁止表国際基準(The Prohibited List)

この基準では、スポーツにおいて、禁止される物質と方法が記載された一覧表が示されています。

そのため、アンチ・ドーピングに注意するときには、この表に記載されていないことを確認しています。

 

大切なことは、禁止表国際基準は、少なくとも1年に1回改訂されることになっています(1月1日)。

そのため、以前は大丈夫だったとしても、最新の情報を確認しなければなりません。

 

この一覧表の中では、禁止される物質と方法が、「常に(競技会(時)及び競技会外)」「競技会(時)においてのみ」の2区分に分けて記載されています。つまり、ドーピング検査の実施形態により、禁止となる物質と方法の範囲が異なります。

 

◯検査及びドーピング調査に関する国際基準(ISTI)

ドーピング検査の具体的な手順や、ドーピング検査におけるアスリートとアンチ・ドーピング機関の権利・義務に関するルールです。また、アンチ・ドーピングに関する情報の収取や評価、ドーピング調査に関するものも記載されています。<不定期改訂>

 

◯治療使用特例に関する国際基準(ISTUE)

 禁止表に掲載された禁止物質や方法を、治療目的のために使用せざるを得ない場合、治療使用特例(TUE)を申請することができます。この国際基準では、その申請に関する手順や、TUEの付与または承認の検討手続き、不服申し立てについて記載されています。<不定期改訂>

 

つまり、禁止物質・方法は絶対に使用できないのではなく、アスリートが持つ疾患の治療のために使用しなければならないと申請して認められた場合は、使用することができます。その申請を、治療使用特例(TUE)と言い、この基準で定められています。

 

◯結果管理に関する国際基準

アンチ・ドーピング規則違反の事案が発生した時の結果管理手続きに関する国際基準です。

※2021年より新規制定

 

◯教育に関する国際基準

アンチ・ドーピングの教育、情報提供などに関する国際基準です。

※2021年より新規制定

 

◯署名当事者の規程遵守に関する国際基準(ISCCS)

世界アンチ・ドーピング規程(Code)の署名当事者であるアンチ・ドーピング機関や、国際競技連盟に対する規程遵守についての国際基準です。

この国際基準には、署名当事者の権利と責務、WADAが署名当事者に対し規程遵守状況の監査を行うことや、その評価、評価に基づく罰則について記載されています。この国際基準によって、組織的なドーピングや、アンチ・ドーピング機関や国際競技連盟が機能不全を起こしているケースにおいても、WADAが直接介入をできるようになりました。署名当事者の責任がより明確化され、実効性の高いアンチ・ドーピング活動を推進することを目的としています。

 

◯プライバシー及び個人情報の保護に関する国際基準(ISPPPI) 

アンチ・ドーピング活動に関連して処理される個人情報のデータ保護や、プライバシー保護に関する国際基準です。プライバシー及び個人情報の保護に関する国際基準の内容は、不定期に改訂されます。

 

◯分析機関に関する国際基準(ISL)

WADAが認定する分析機関、その他WADAが承認する分析機関において、検体の分析および管理の手続きに関する国際基準です。

  

 

ーーー

ドーピングが「クリーンで公正なスポーツを守るための活動」であることをお伝えしましたが、

ドーピング検査が行われているということは、公正さを守るための取り組みが行われている、ということです。

 

世界的に見ると、日本でのドーピング検査件数は少ないと言われていたため、スポーツのフェアネスを確保するためにも、ドーピング検査数の増加が課題とされていました。

 

世界のアンチ・ドーピング活動に合わせて、日本で最大の総合競技大会である国体でもドーピング検査が実施されるようになりました(2003年の静岡国体から)。

 

こちらに、日本国内で行われたドーピング検査の件数をお示しします。

(データ引用元:公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構(JADA))

 

ドーピング検査は、「競技会検査(ICT)」と「競技会外検査(OOCT)」に分かれています(後述)。

青色の競技会検査件数を見ると、日本におけるドーピング検査件数が年々増加していることがわかります。

(ただし、2020年の競技会検査数が急激に減ったのは、新型コロナウイルス感染症の影響で競技会が開催されていないためだと思われます)

一方、橙色で示した競技会外検査は、波はありますが、年々、検査件数が増加していることがわかります。(2020年も検査が実施されています)

 

 

アンチ・ドーピング②.jpg

このように、ドーピング検査数も増加している中、アスリートは、アンチ・ドーピングの正しい知識を持つことが必要であるといえます。

 

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まとめ

◯アンチ・ドーピングの基本的なルールは、全世界・全スポーツ共通のルールです

◯ドーピング禁止物質・方法のルールは、毎年改訂されます

最新情報を確認して、アンチ・ドーピングに気をつけましょう

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①ドーピングとは? 

②アンチ・ドーピングのルール (今回) 

③ドーピング検査の種類

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アンチ・ドーピング① ドーピングとは

アンチ・ドーピング①

今回から、「ドーピング」について、ご説明します

 

◯ドーピングとは?

 

ドーピングとは、競技力を高めるために、禁止されている物質や方法を使ったり、それを隠そうとする行為のことを言います。

 

「ドーピング (doping)」という言葉の語源は、アフリカの部族が祭礼や戦場に行く前に飲む強いお酒「dop」に由来すると言われています(諸説あり)。

 

ドーピングを防ぐためのルールでは、

 ①競技力に影響しうる禁止物質や方法を使うことは、禁止されています。

 ②使用するきっかけが、意図的か・非意図的かは関係なく、禁止されています。

 ③禁止物質・方法を隠す行為も、禁止されています。

 

競技力に影響するためドーピングになるとして禁止されている物質は、決して特別なものではありません。

病気の治療に使われる医薬品市販薬だけでなく、健康食品サプリメントなどにも含まれている可能性があります。

禁止物質を含む医薬品を、それとは知らずに、病気を治療する目的で使用してしまった場合でも、禁止物質を使うとドーピング違反になります。

意図せず禁止物質を使ってしまうことを「うっかりドーピング」といいます。

病気を治療し、万全のコンディションで日頃の成果を出すためにも、うっかりドーピングを防止することが大切です。

 

 

◯なぜ、ドーピングをしてはいけないのでしょうか

 

ドーピング、という行為が、

 ①フェアプレーの精神に反し、

 ②反社会的行為であり、ルール違反だから、 というのはもちろんのことですが、

 ③アスリートの健康を守るため、 にドーピング違反をしないことが大切である、とも言えます。

 

スポーツでは、ルールを守り、競技相手と尊重しあい、日頃の努力の成果を発揮している姿に、私たちは感動を覚えます。

しかし、ドーピングは、それまでの自分自身の努力・チームメイトとの信頼・サポートしているスタッフや応援している人々の思い、全てを裏切る行為です。

また、これまでに、ドーピングによって体に過剰な負担をかけてしまった結果、命を落としてしまった例もあります。

どうか、純粋にスポーツと向き合う自分自身を大切にしてください。

うっかりドーピングにならないように、十分に注意しましょう。

 

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まとめ

◯「クリーンで公正なスポーツを守るため」にアンチ・ドーピングの正しい知識を持ちましょう

◯病気の治療が、ドーピング禁止物質・方法に該当する場合もあります

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①ドーピングとは? (今回)

②アンチ・ドーピングのルール (次回)

③ドーピング検査の種類 

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