2021/01/07 12:00

マスクについて考えてみましょう⑥ 〜マスクの種類(各論②)〜

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<サージカルマスクと呼吸器>

医療従事者向けのサージカルマスクや呼吸器を使用しないでください。現在、サージカルマスクや呼吸器は、医療従事者等に確保する重要な供給品です。

 

 

<透明なマスク・透明なプラスチック板付きの布製マスク>

 

透明なマスクや透明なプラスチックの板がついた布製マスクは、下記のような人と接する人が使う代用マスクです。

   ろうあ者、もしくは、聞き取りが困難な人

   読みを習っている小児や生徒

   新しい言語を学んでいる生徒

   何らかの障がいを有する人

   正しい口の形や正しい母音の発声を確認する必要がある人(声楽など)

 

もし、このタイプのマスクを使用する際には、下記の点を確認しましょう。

   呼吸が容易にできる

   マスクの内側に、過剰な湿気がこもらない

   口や鼻を塞いで、呼吸を妨げる可能性があるため、睡眠時には外す

 

最近、FDA は透明な医療用マスクを承認しました。この透明な医療用マスクは、医療従事者だけでなく、これを必要とする介護者や患者にも使用可能です。

(訳者注釈:参考までに。承認されたマスクはこちらです→https://www.theclearmask.com

 

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<他のタイプの顔面保護>

CDC は、マスクの代用として、フェイスシールドやゴーグルを使用することは推奨しません。プラスチックフェイスシールド(またはマスク)を新生児や幼児には使用しないでください。

フェイスシールドやゴーグルは装着した人の眼を保護します。ゴーグルは、鼻や口を保護しません。フェイスシールドは、顔の側面に大きな隙間があるため、自分の飛沫は拡散し、他者の飛沫は入り込みます。現在のところ、フェイスシールドにどの程度の保護効果があるかは不明です。しかしながら、フェイスシールドの着用は万能ではありません。

 

 

【フェイスシールド・ゴーグル】

 

例えば、ろうあ者や聞き取りが困難な方とコミュニケーションをとる目的のためには、マスクよりもフェイスシールドの方が優れています。もし、マスクの代わりにフェイスシールドを装着する場合には、以下の事項に注意しましょう。

   顔の側面や顎の先まで覆うもの、または、かぶるタイプのものを選びましょう。

   フェイスシールドを外した後には手を洗いましょう。外す時には、眼や鼻、口に当たらない様に注意しましょう。

   再使用する時には、メーカーの推奨方法、または、CDC の推奨(注釈)に従って、洗浄・消毒しましょう。

 

(注釈)フェイスシールド・ゴーグルの洗浄・消毒

<原則>

洗浄・消毒方法は、製造元が推奨する方法にしたがってください

製造元が洗浄・消毒の推奨方法を提示していない場合(使い捨てなどのように)は、下記の方法を検討しましょう:

  1. 清潔な手袋を着用して作業をしましょう。中性洗剤溶液に浸した清潔な布や、拭き取り用ワイプを使って、まずは注意深く内側を拭き、次に、外側を拭き取ります。
  2. フェイスシールドまたはゴーグルの外側を、EPA に登録した院内用消毒液【訳者注釈:COVID-19 に対する消毒効果が認められたもの。日本では、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)が、新型コロナウイルスに対する消毒効果をまとめています】に浸したワイプ、または、清潔な布で、注意深く拭き取ります。
  3. フェイスシールドまたはゴーグルの外側を、きれいな水か、アルコールで拭き、残留物を取り除きます。
  4. 完全に乾かします(風乾、または、清潔な吸水性タオルで)
  5. 作業後、着用していた手袋を外し、手指衛生を行います。
  6. 洗浄・消毒終了後の防護具は、施設内のクリーンエリア(清潔エリア)に置いて構いません。

 

情報元)"Considerations for Wearing Masks", 2020年12月18日公開.

https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/prevent-getting-sick/cloth-face-cover-guidance.html

 

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関連記事一覧)

(1) マスクについて考えてみましょう①(記事へのリンク)、令和3年1月2日.

(2) マスクについて考えてみましょう②  〜マスクのエビデンス〜(記事へのリンク)、令和3年1月3日.

(3) マスクについて考えてみましょう③ 〜マスクつける?つけない?〜(記事へのリンク)、令和3年1月4日.

(4) マスクについて考えてみましょう④ 〜マスクの種類(総説)〜(記事へのリンク)、令和3年1月5日.

(5) マスクについて考えてみましょう⑤ 〜マスクの種類(各論①)〜(記事へのリンク)、令和3年1月6日.

(6) マスクについて考えてみましょう⑥ 〜マスクの種類(各論②)〜(記事へのリンク)、令和3年1月7日.

(7) マスクについて考えてみましょう⑦ 〜マスクの適応策・代替策〜(記事へのリンク)、令和3年1月8日.

(8) マスクについて考えてみましょう⑧ 〜二酸化炭素と寒気〜(記事へのリンク)、令和3年1月9日.

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訳者のひとこと)

ここでは、フェイスシールドやゴーグルは、マスクの代用品にはならないことが書かれています。

最近テレビでよく見かけるマウスカバーは、ここで説明されているフェイスカバーよりも、さらに簡素なものであり、覆う面積も少ないです。フェイスカバーでさえ、マスクの代用品ではないことが明記されていることから、マウスカバーはマスクの代用品ではないことは、ご理解いただけると思います。

ただし、フェイスカバーは、コミュニケーションなどの特別な理由がある場合は必要になります。使用される場合は、商品の選択、取り外した後の手洗いなどに注意して、正しく使用しましょう。FDA が承認したような透明マスクが開発されると良いのですが。

次回は、マスクが着用できない方、着用できない状況で配慮すべき対策についてご紹介します。

2021/01/06 12:00

マスクについて考えてみましょう⑤ 〜マスクの種類(各論①)〜

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<布製マスク>

布製マスクに最も適した布地は下記の通り

   きつく編まれた布地(綿や綿混紡など)

   呼吸を通す布地

   23層に布地を重ねたもの

 

布製マスクとしては効果が低いものは下記の通り

   ゆるく編まれた布地(ルーズニット生地など)

   呼吸を通さない素材(プラスチックや皮など)

   単層

CDC は、現在、様々な布製マスク材料の有効性を研究しています。Scientic Brief を参照してください。

 

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<非医療用使い捨てマスク>

 

使い捨てマスクは、一度しか使用できません。オンラインや小売店など多くのところで販売されています。それらは、サージカルマスクや他の医療用マスクと同一ではありません。

マスクが濡れたり汚れたりする状況下では、使い捨てマスクを使用することをおすすめします。布製マスクと同様に、使い捨てマスクも、顔の側面に隙間がなくフィットしており、鼻や口を完全に覆うことを確認してください。汚れたり濡れたときにマスクを交換できるように、予備のマスクも携帯しておきましょう。

 

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<呼気弁や通気孔があるマスク>

 

CDC は、呼気弁や通気孔があるマスクを推奨しません。このタイプのマスクは、COVID-19 を拡散してしまうのを防ぐには不十分だからです。素材中の穴を通して、飛沫が漏れて、他の人へと広めてしまう可能性があります。このタイプのマスクの有効性に関する研究が進行中です。

 

 

情報元)"Considerations for Wearing Masks", 2020年12月18日公開.

https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/prevent-getting-sick/cloth-face-cover-guidance.html

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(6) マスクについて考えてみましょう⑥ 〜マスクの種類(各論②)〜(記事へのリンク)、令和3年1月7日.

(7) マスクについて考えてみましょう⑦ 〜マスクの適応策・代替策〜(記事へのリンク)、令和3年1月8日.

(8) マスクについて考えてみましょう⑧ 〜二酸化炭素と寒気〜(記事へのリンク)、令和3年1月9日. 

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訳者のひとこと)

一時期のマスクの供給不足が改善され、いろんな種類のマスクが入手できるようになりました。

それぞれの特徴を理解した上で、選択していただければと思います。

次回は、各論の続きです。よく見かけるようになったマウスカバーなどにも触れられています。

2021/01/05 12:00

マスクについて考えてみましょう④ 〜マスクの種類(総説)〜

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◯ マスクの種類

<推奨できるもの>

非医療用使い捨てマスク

適切に顔にフィットするマスク(顔の側面や、鼻と顎の周りに大きな隙間がない)

通気性のある生地(綿など)で作られたマスク

きつく織られた布地で作られたマスク(透かした時に光を通さない)

複数(2~3層)の層があるマスク

インナーフィルター用のポケットがあるマスク

 

<推奨できないもの>

適切に顔にフィットしていない(大きすぎ、緩すぎ、きつすぎ)

呼吸を通さない材質でできたマスク(プラスチックや皮など)

ゆるく織られた布地やニット(透かした時に光を通す)

単層のマスク

呼気弁や通気孔があるマスク

 

スカーフやスキーマスクをマスクの代用にする

 

 

情報元)"Considerations for Wearing Masks", 2020年12月18日公開.

https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/prevent-getting-sick/cloth-face-cover-guidance.html

 

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(1) マスクについて考えてみましょう①(記事へのリンク)、令和3年1月2日.

(2) マスクについて考えてみましょう②  〜マスクのエビデンス〜(記事へのリンク)、令和3年1月3日.

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(5) マスクについて考えてみましょう⑤ 〜マスクの種類(各論①)〜(記事へのリンク)、令和3年1月6日.

(6) マスクについて考えてみましょう⑥ 〜マスクの種類(各論②)〜(記事へのリンク)、令和3年1月7日.

(7) マスクについて考えてみましょう⑦ 〜マスクの適応策・代替策〜(記事へのリンク)、令和3年1月8日.

(8) マスクについて考えてみましょう⑧ 〜二酸化炭素と寒気〜(記事へのリンク)、令和3年1月9日.

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訳者のひとこと)

せっかく着用していただくマスク。

正しく性能を発揮するためには、正しいマスクを選ぶこと、正しく装着することが大切です。

マスクの供給不足問題も解消されてきましたので、それぞれに都合の良いものを選んで使っていただけたら良いかと存じます。

 

2021/01/04 12:00

マスクについて考えてみましょう③ 〜マスクつける?つけない?〜

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◯ マスクを着用すべき人、着用すべきではない人

 

◇ マスクを着用すべき人

 

2歳以上の人が、公的な場所に出かける時、同居者以外の人が周囲にいるときには、マスクをつけましょう。

 

COVID-19 に感染した人を世話するときには、マスクを着用しましょう(自宅でも、非医療環境でも)。あなたが COVID-19 に感染している場合、または、COVID-19 に感染している可能性があると思える場合、例え自宅でも、周囲に高齢の人いる時や動物がいる時はマスクを着用しましょう。

 

もちろん、マスク着用ができない場合があることを、CDC では認識しています。このような場合、適応策・代替策を講じましょう。

 

 

◇    マスクを着用すべきではない人

 

下記に該当する人は、マスクを着けてはいけません

・   2歳未満の小児

・   呼吸器疾患がある人

・   意識不明など、何らかの理由で、他者の介護なしにマスクを外すことができない人

・   マスクは、感覚・認知・行動などの問題を抱えている一部の人にとって、着用が難しい場合があります。マスクを適切に着用できない場合耐えられない場合は、マスクは着用しないでください。適応策・代替策を検討する必要があります。

 

 

情報元)"Considerations for Wearing Masks", 2020年12月18日公開.

https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/prevent-getting-sick/cloth-face-cover-guidance.html

 

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(8) マスクについて考えてみましょう⑧ 〜二酸化炭素と寒気〜(記事へのリンク)、令和3年1月9日.

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訳者のひとこと)

COVID-19 対策は、原理原則を理解した上で、各自の状況に応じて、納得した上で実施することが大切だと考えています。

個別の事情を理解して、他者への思いやりの精神で対応していただければと願います。

周囲に人がいないとき、周囲にいるのは同居者だけのとき、マスクを外して、ほっと一息つくことも、大切です。

次回は、マスクの種類についてご紹介します。 

2021/01/03 12:00

マスクについて考えてみましょう② 〜マスクのエビデンス〜

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◯ マスク着用の効果のエビデンス

 

◇ マスクは、あなたの周囲にいる人を守ります

 

COVID-19 は、主に飛沫を介して、人から人に感染していきます。あなたが、咳をしたり、鼻水をすすったり、会話したり、叫んだり、歌ったりすると、飛沫が周囲に飛び散ります。その飛沫は、周囲にいる人の口や鼻に付着したり、吸い込んだりする可能性があります。

マスクは、飛沫を他の人へ飛ばさないための簡単なバリアです。研究によって、マスクは鼻や口から飛ぶ飛沫を減少させることがわかっています。

体調が悪くない場合でも、マスクを着用しましょう。いくつかの研究で、COVID-19 感染症に感染している人のうち、無症状や症状が出る前の人でも、ウイルスを他の人に広める可能性があることがわかっています。感染していても症状が出ていない場合に備えて、マスクを着用しましょう

COVID-19 は、特に、互いに密に接触している人々に広がるため、同居者以外の人と屋外にいるときや、他者と 180 cm 以上離れることができない場合には、マスクを着用することが特に大切です。 

 

(注釈)「互いに密に接触している」の定義:発症2日前(もしくは、無症状者の場合は検体採取2日前)から、24時間のうちに累積15分以上、180 cm 以内の距離で誰かと接触すること

 

◇    あなたがマスクを着用することで、あなた自身が保護されます

 

布製マスクでも、あなたを保護してくれます。ウイルスの吸い込みをどれだけ防ぐかは、使用された布地の種類とマスクの製造方法(例えば、布地の種類や、布地の層数、マスクがどれだけ顔に密着しているか)によって違います。CDC は、現在これらの要因について調査を行なっています。

 

情報元)"Considerations for Wearing Masks", 2020年12月18日公開.

https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/prevent-getting-sick/cloth-face-cover-guidance.html

 

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(2) マスクについて考えてみましょう②  〜マスクのエビデンス〜(記事へのリンク)、令和3年1月3日.

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(5) マスクについて考えてみましょう⑤ 〜マスクの種類(各論①)〜(記事へのリンク)、令和3年1月6日.

(6) マスクについて考えてみましょう⑥ 〜マスクの種類(各論②)〜(記事へのリンク)、令和3年1月7日.

(7) マスクについて考えてみましょう⑦ 〜マスクの適応策・代替策〜(記事へのリンク)、令和3年1月8日.

(8) マスクについて考えてみましょう⑧ 〜二酸化炭素と寒気〜(記事へのリンク)、令和3年1月9日.

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訳者のひとこと)

COVID-19 感染者は、発症する前からウイルスを放出していること、感染者の中には無症状の方もいるため、

「感染しているかもしれない」と考えて、マスクを着用することの重要性が説かれています。

もちろん、少なからず、自分を守る効果もあります。

これは、地域のみなさんが力を合わせて、皆で実施することが非常に大事なことです。(ユニバーサルマスキング)

ただし、マスクをつけることができない方も、もちろんいらっしゃいます(次回、紹介します)。着用できない方には思いやりを。

一人一人にあった対策をとりましょう。

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